見出し画像

1000円で夜景クルーズに参加したら気まずさから愛が生まれた日

夫婦で2月に神戸旅行に行った時のお話です。(遅っ!!!)


1000円で2時間のクルーズ体験

三宮・姫路1dayチケットを利用して市内を観光したのですが、このチケット何とTHE KOBE CRUISEのワンドリンク付きのクルーズが通常料金2,800円が1,000円で乗れると分かり、迷わず参加することに。

サイトより

港を出航し、美しい神戸夜景を海上から堪能しながら、明石海峡大橋が見える沖合いをぐるっと回旋して帰ってくる約2時間の旅!
ええっ2時間も乗せてくれるの?正気?めちゃ太っ腹じゃね?
と呑気に考えてましたが、
結果的にめちゃくちゃ気まずい時間を過ごすことになります。

気まずいポイント① 暇

行ってみて気づいたんですが、このクルーズ船ってディナークルーズがメインなんですね。我々ワンドリンク民はついでに乗せて頂いているような感じなのです。
フルコースを頂くブルジョワのために2時間の席が設けられてるので、手ぶらな我々はドリンクだけで場が持つわけがなく…
キャッキャ言うてたのは出航した直後だけで、展望デッキに出るも2月の凍てつく寒さにすぐ暖房の効いた船内へ撤退。

あれ、もしかしてこれ、
ドチャクソに暇なのでは…?

私たちの他には5組ほどドリ民がおりましたが(略すな)みんなやはり暇を持て余している様子。ソファ席に座る若いカップルなんか2人してスマホをいじくってて家と変わらん感じになっていた。

気まずいポイント② 席配置

ちなみにレストラン内の席配置はこんな感じ。

窓側にブルジョワ、ドリ民は真ん中なのだが、これが爆裂に気まずい。ブルジョワ達のディナーが視界に入るので、窓からの景色を見ようものなら恨めしそうに料理を眺めてるような図式になってしまう。それってなんかやらしいよな…ってなって遠慮してしまい、そうなると見慣れた夫の顔を見つめるくらいしかやる事がなくなるのです。

夫は構わずカップルの様子を観察しており、満遍なる笑顔を彼氏に向けながら食事している女の子を見て「あんな幸せそうな笑顔見た事ないよ!ほっこりだなぁ〜」とちゃっかり幸せをお裾分けされて何よりだった。暇を持て余している妻の熱視線よりそのほうがアツいに決まっているのだから。

気まずいポイント③ 紙コップ

そしてこれは決定的とも言えるのだが、ドリンクが紙コップだった事です。

いやね、1000円しか払わずに乗せて頂いている分際で文句を言う事は許されないと分かっております。これをブルジョワ方と同等のグラスで出したりしたら、それだけ手間もコストもかかるでしょう。ドリ民に構っていてはいけないのです。

しかし…この豪華絢爛な雰囲気の中で紙コップを出されるのは…あまりにも…思った以上に悲しいというか。

せめて何か軽食やドリンクを注文できれば良いんだろうけど、メインはコース料理だからスタッフは決められた人数しか乗船してないでしょうし、それは難しいよなぁ〜と。
愚民はたいした注文も出来ないし逆に手間だよね、ごめん!!涙涙涙

気を取り直して

お腹も空いてきたし夫に申し訳なくて仕方なかったのですがここは船上「気まずいので降ります!!!」なんて出来ません。
夫が「ここに座っててもアレだし船内を探検しよう!」と言ってくれてレストランを連れ出してくれました。

入口のソファで気兼ねなく外を眺めたり、タイタニックに出てきそうな階段で写真撮ってみるなどした。
…あ、レストランの外なら全然気まずくない!って気づく私(遅っ)

そして奇跡は起きた

夫がスマホで何かを調べ出して「神戸空港からちょうど飛行機が飛ぶよ!」と言うので展望デッキに出ることに。長崎行きだったかな?20:40頃だったかと。
Googleマップで位置を確認しながらそれっぽい方向を2人で凝視…

すると真っ暗な海上に強い光が現れて、飛行機が離陸するのが見えました。
その光はどんどん大きくなり、こちらへ向かってきます…え!?

「うわぁ!こっち来るよ!!」

飛行機はどんどん近づいてきて轟音を立てながら真上を通過して行きました。

イメージ

まさかの出来事に2人ともウワーーーーー!!!!と大騒ぎ(デッキには誰も居なかったし流石に中には聞こえないだろうけどw)

ちなみに咄嗟に向けたカメラには何にも映ってなかった

何これ

でも2人の記憶には飛行機のでっかいお腹が、ガツーンと焼きつきました。

ソファでスマホ見てるカップルも、彼氏と料理に夢中の彼女も、
この船に居た誰も、気づかなかった特別な瞬間。
これはドリ民が掴んだ奇跡と言わずして何と言う!

私は言いようのない感動に包まれ、この奇跡を呼び寄せてくれた紙コップと、そして何より夫に深く感謝したのでした。
ある意味本当に忘れられない思い出となりました。

こちらのクルーズ船はランチクルーズやティークルーズ、夕陽が楽しめるトワイライトクルーズもあるので、季節や時間によってはバチバチに楽しめるかと思います!
豪華客船なので非日常を体感するにはピッタリなので是非お試しくださいませ。

終わり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?