ぱんだ先生に聞いてみよう第13話 返事が来ない

「あー、まだかな。」

 ひなたは、
 ベッドの上でスマホをぽちぽちと
 いじっていた。

 勉強机にある椅子にクルクルと回りながら、ぱんだ先生は暇を潰していた。
 口にはいつものふきながしがあった。

(何を待ってるんだ。)

「柚葉の返事。
 ラインしたのに返ってこない。」

(忙しいんだろう。)

「え、だって、3日前に送った話だよ?」

(どんな質問だよ。)

「俺の好きなところ言ってって。」

(…はいはい。 
 ごちそうさまだよ。)

 ぱんだは両手のひらをあげて、呆れた。
 ラブラブな様子で何も言うことはない。

「だって、好きなところって言って
 無視ってありえなくない?」

(言わなくてもわかるだろって
 ことじゃないの?)

「そんな柚葉は、女子だよ。
 忘れてるのかな。」


(直接会った時に聞きなさいよ。)


「だって聞きたいじゃん。
 毎日、確かめたいのさ、俺は。」

(女々しいなぁ。誰に似たんだか…。)

「なんか言った?
 ぱんだ先生はどうするのさ。」


(…じれったいから会うよね。
 すぐに。待ちたくないな。)

「そっか。
 でも直接は恥ずいんだよなぁ。
 ラインで手軽に聞きたいんだよ。」

(そこの価値観が違うんだろ。きっと。)

「そう?
 でも、気にしたら、負けだ。
 よし送っちゃお。」

『俺は、柚葉の全部が好き♡』

 ラブラブハートのスタンプつきで
 たくさんのメッセージを送った。

 すると、こちらからの想いだったからか
 喜びのスタンプを一つ送ってきた。

 それで何もない。

 言葉もない。

「なんでーーー?!
 クマの喜んでるありがとうスタンプで
 終わってる。」

(……冷めたんじゃないか?)

「そんなぁ。」

***

 その頃の柚葉は


「誰からライン?」

 部屋のベッドに隣同士座っていた。

「うん。ひなたから。」

「まだ連絡取り合ってたの?
 付き合ってったけ。」

「一応ね。
 私、もういいかなって。
 だって、ひなた、考えてくれないから。」

「何を?」

「先に進まないんだもん。
 進展しないから。」

「俺らは早かったよな。」

「でしょう?!遅いから嫌だな。」

「いいじゃん。
 もうこっち付き合ってるんだから。」

 健太郎は、柚葉の両肩をベッドに
 押し倒した。

「だよね。
 今日は優しくしてよ!」

「いつも優しいよ?俺。」

「そうかな。」
 
 お互いに顔を見つめ合って、
 甘い時間を過ごした。

 ーーー
 ひなたは大きなくしゃみを一つした。

「なんだろう、俺、噂されてる?」

(柚葉ちゃんだろ。)

「もういいや。
 好きな漫画でも見て、気分転換しよう。」

 ぱんだは何も解決しないだろうと
 呆れてふっと消えた。

 ひなたはギャグ漫画を見て、
 ギャハハと笑った。

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