ぱんだ先生に聞いてみよう第4話 寝落ちもちもち

柚葉と交際して3ヶ月

ラインで夜通話していて
なんでもないことで
ずっと話し続けていたら
朝までずっと繋がりっぱなしで
お互いの寝息が聞こえた。

どちらかが先に起きた方が
勝ちみたいなバトルにまでなる。

本当は恥ずかしくてやりたくない。

できることなら
キリのいいところでやめたいが
話も続けたい。

お互いの知らないことをまだまだ知りたい。

そんな時、ベッドの上で
ベッドフォンをしながら
いつものように柚葉と電話していた。

ぼわん、ラグマットの上に
あぐらをかいたスエットにパーカーを
着たぱんだ先生がいた。

よく見ると、ぱんだ先生が
着ている服は、ひなたの服に見える。
パクられた?

吹き流しを拭いて、お怒りの様子。

彼女とラブラブで羨ましいのだろうか。

(お前さ、優柔不断なんだよ。
 そんなに嫌ならはっきり言えばいいだろ。
 そろそろ切るねとかおやすみなさいとか。
 それ言って嫌うやつはまともじゃない。
 メンヘラだ!)

ぱんだ先生はひなたの考えてることが
分かるらしい。全部読まれてる。

スマホの消音ボタンをタップしてこちらの
音を遮断した。

「は? それは、えっと、
 俺がなーなーにしてるからってことか?」

大きく何度も頷いた。

(そのまま続けるとストレス溜まるぞ。)

ピューと下向きに吹き流しが下がっていく。

「あ、ごめん。
 柚葉、電話繋ぎっぱなしにするの
 俺、あんま好きじゃなくてさ、うん。
 そろそろ切っていい?
 起きたらライン入れておくからさ。」

『うん、わかった。
 実は私も繋いでるの恥ずかしいって
 思ってた。言ってくれてありがとう。
 おやすみなさい。』

 話して分かることってあるんだと
 ひなたはホッとした。

(良かったな。)

 ピーと高音部の吹き流しだった。

 ぱんだ先生は安心して姿を消した。


 ラグマットの上には
 ひなたの上下の服が丁寧に畳まれていた。

 不思議なぱんだだなと思いながら
 ひなたは眠りについた。

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