【ネタバレ感想】すずめの戸締りがめちゃめちゃ心に残った話

この文章は、11月11日(金)に公開された、『君の名は。』『天気の子』の監督である新海誠監督の最新作、『すずめの戸締り』を公開日に見に行った大学生がぐちゃぐちゃになった感情を整理する為に書いた文章です。
内容の整合性などはおそらく取れていないと思います。

また、本作品は絶対にネタバレを見ずに映画館で見るべき作品です。
本記事を読む場合には視聴後に読むことを推奨いたします。
ただし、地震速報が複数回流れ、災害についての描写も多くあります。
災害に強いトラウマがある、緊急時に流れる大きな音が苦手、災害についての描写や音に触れると過呼吸など心身に不調をきたし、映画の鑑賞を続けることが難しくなる、など一時的に身体的・精神的に不安定になる可能性がある方はDVD化、配信されるまで待つなど再生を止められる環境でのご視聴をおすすめいたします。

*以下空白の後、ネタバレを含みます。










RADWIMPSと新海誠がタッグを組んだ3作目の作品である今作、今回もまず曲がよかった。
映画館で見ると特に低音が響く。ミミズの出てくるところでは、内臓の中から恐怖がじわじわと溢れてくるような、そんな感覚だった。
また、今回ゲストボーカルとして楽曲に参加している十明(とあか)さん。
彼女の色や形の無いような、冬の朝の凛とした空気のような声がさらにこの映画の緊張感を高めてくれていた。

『カナタハルカ』の一節、「あなたと見る絶望は あなた無しの希望など 霞むほど輝くから」という歌詞にこの映画の全てが詰まっていた。
カナタハルカは草太目線の曲に感じていたが、この歌詞はおそらく鈴芽目線の歌詞だろう。
映画の最後、鈴芽の故郷である東北で要石となってしまった草太を助けるために過去に迷い込んだ後ろ戸に飛び込む鈴芽。
要石を抜けば災いが起こるが、それでも好きな人にはそばにいてほしいという思いが全て詰め込まれている。

私は物語の中でくらいは、たとえその選択で世界が崩壊しようとも、大切な人が隣にいてくれる選択肢を取ってほしいと思っている。
今回の選択ではダイジン(+サダイジン)が犠牲となって世界の一時の平和は守られる。

ダイジンは鈴芽が抜いてしまった要石から姿を変えた猫である。
物語前半では草太を椅子に変え、後ろ戸を開くなど鈴芽の敵であるように映るが、後半で実は開いた後ろ戸に案内してくれていた、などが明らかになり最後はサダイジンとともに要石となりミミズを抑えることになる。

ダイジンの行動原理は何なのだろうか?
鈴芽に懐いているのは、冷たく寒い要石から救ってくれたからであろう。
ところどころ見せる悪人のような、人の死をもてあそぶような言動は、ダイジンが神であるために人の生死に興味が無いからであろうか。
最終的に、要石となった草太を引き抜く手伝いをし、自らが要石として再びミミズを封印したのは鈴芽の気持ちが伝わったから?

うまく言語化できていない部分も多いが、予告編で受ける印象ほどダイジンは悪人(猫?)ではなく、あざとくてかわいい。

環さんと芹沢もいい人。
環さんは鈴芽の叔母(鈴芽の母の妹)。
出版社勤務で鈴芽と二人暮らし。
震災により母を亡くしひとりぼっちになってしまった鈴芽を引き取り宮崎で育てる。

芹沢
草太の大学の同級生。
教育学部の学生で教師を目指す。
東京から東北まで、草太を探しに行く鈴芽を、赤いスポーツカーで連れていく。
道中で車がボロボロにされても大して怒らず、外れた扉はテープで直して東京までの運転もしてくれた。
見た目はチャラいがめっちゃいいやつ。



今回の映画で後ろ戸が開く場所はいずれも過去に大きな地震が起こった場所である。
宮崎(熊本地震, 2016.4.14, 16)
愛媛(芸予地震, 2001.03.24)
神戸(阪神淡路大震災, 1995.01.17)
東京(関東大震災, 1923.09.01)
宮城(東北大震災, 2011, 03.11)

私の記憶にあるのは熊本地震と東北の大震災だけだ。
またいずれも、テレビの映像でしか状況を知らないために、あまり自分ごととして捉えられていないだろう。
自分が、家族が、友達が、被害にあった、災害ボランティアとして現地に行っていた、ような方と比べると私がこの映画をみて思う感情は少なく薄いのかもしれない。


ここまで、感想を書きなぐってきたがまだまだ自分の中で消化しきれず言語化できていないものも多い。
近いうちに映画を見直し、感情をもう一度整理したい。

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