20230525

春から夏に向かう時期のウォーキングが嫌だ。

公園を歩くと今日も草花が壮大に、綺麗に、青々と茂っている。
まるで「ここに今!!自分がいる!!太陽に向かって!!精一杯伸びている!!地面に大きく根を張り!!自分は今生きている!!!」とあまりにも大きく大きく「生」を主張してくる。

「生」の勢いに圧倒される。圧に押され潰される。

大きい公園に行けば行くほどその「生」は大きく、私に見れくれとばかりに真っ直ぐと伸びている。
やめてほしい。なぜ、そんなに太陽に真っ直ぐと曇りないままに生きているのか。

「すごく綺麗だな。生きている力が強いな。私も頑張るぞいっ」と思える日もあるが、今はそうは思えない。

こんなに青々と生きて、どうするんだ。
生きているんだろう。私はどうだ。
こんなに真っ直ぐ生きているか。
こんなに根を張れるか。
またランニングしてる男性に抜かされた。
これで二周目だ。そんなにどんどん進まないでくれ。
目の前に老夫婦がいる。とても睦まじく仲良さそうに。
私はこんな風に生きていけるのだろうか。
長生き、したいのだろうか。

そんなことばかり考えてしまう。

思わず、backnumberのうじうじした片思いの歌を聴く。
イヤホンから「好きだけど言えない言えない」とうじうじしてる心情が耳へ届く。
目の前の老夫婦を早歩きで抜かす。
どうだ、私はこんなに一歩一歩が大きく、足を早く動かせるんだぞとマウントをとる。

こんなことでしか、植物の「生」の力へ対抗できない。ここででしか帳尻を合わせられない。

夏が来れば、来れば太陽の熱にやられて草花はぐったりする。「こんな太陽の眩しさにはついていけない」とピンと伸びていた草はぐったりと太陽から目を背ける。
その時に私は初めて彼らに心を寄り添えるのだ。


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