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6年間続けてきたボクセルアートを辞める話

※この記事に制作の手順とかコツとか一切載せてません。
初めて書く記事がこんなんでええんかという気持ちはさておき、6年間続けてきた感想と辞める理由と未練タラタラな愚痴を言う記事です。

記事を読む前に、前提として単語の定義をさせてください。

  • クリエイター

この記事だけの定義です。
何かを作る人と広義されてますが、ここでは「モデリング」「リギング」をする人であって「モデリング済みのものをアニメーション・シェーディング加工する人」ではないと定義させてください。
イラスト作品なら「ペイントソフトや画用紙に絵を描く人」であって「完成イラストを加工したり動かしたりする人」ではない(稀に全部やる人いるけど、今回は描く方を注視します)、
例えるなら、武器のクリエイターは「素材をつくる人」「素材から剣や槍などの形をつくる人」であって「完成済みの武器を使う人」「武器の加工をしてステータスを上げる人」ではありません。
そういう方々は演出家・加工職人と呼んでいます。
この記事だけの定義です(念押し)

そもそも何を作っていたのか

当時作っていたキャラクターモデル

ボクセルといえば、背景モデルが多く見れる中、自分はキャラクターを専門として作っていました。そんでもって好きなコンテンツのキャラクターを二次創作としてボクセルに落とし込むという創作をしていました。
ずっとMagicaVoxelでモデリングをして、Blenderのリギングで小物とか髪のボーンとか細かい表現の幅を広げてました。
自意識過剰ですが、ボクセルキャラクターという範囲では自分が一番クオリティ高く可愛く作れてたなと自負してます。多分こういうところがだめなんだなとは思うけども。

最初は二次創作ゲームを作るのに、キャラクターの3Dモデルが無いから自分で作るしか無いという目的で作り始めましたが、最終的にはゲーム作るのが面倒になったのでキャラクター使ったアートで創作活動するかと言うのが最終形態という感じです。

一番伸びた時期

おおよそ2021年10月頃だったか、Twitter上で二次創作のボクセルアートを投稿したところ、いいねが2000以上もらったことでかなり興奮して喜んでました。(ツイ消ししたので証拠は無いのですが)

2000いいねもらった作品

二次創作というブランドパワーの恩恵は受けているものの、2000いいねって結構レアケースかつ友達に自慢して良いのではと思うレベルで、底辺クリエイターが一生で一回経験できるかどうかわからないレベルのものだと思います。
10RT50いいねを超えないのが普通なので。

しかし、2000いいねどころか500いいねを超えたのはこれが最後で、挙句の果てにはイベントで興奮してくっちゃべってる所を録画してテキトーに加工した動画のほうが6000いいねを超えてしまって。いわゆる「必死に作ったものが全然で、適当に作った作品が伸びてしまった現象」をフルに体験しました。

この動画消そうかどうか迷ってるんですが、これに関しては流石にもったいないなという気が勝って消せてないままでいます。推しに言及された唯一の証拠だしね。
これより伸びる作品が作れるようになったら消そうか。

あとVtuberの二次創作界隈では「推しの配信動画サムネに載せられる」というのが一つの大きな実績です。
Vtuberの文化を知らない人に簡単に説明すると、Vtuberが決めた特定のタグを付けてTwitterにイラストを投稿すると、Vtuber本人が運良く見つけてクオリティが高い・もしくは使い勝手がいいイラストならサムネイルに採用されるというものです。特にホロライブはチャンネル登録者数が100万人を超えるタレントが数十人ほどおり、人気であるほどイラストレーターを中心としたクリエイターの視聴者が大勢いるわけで、その中からサムネイルに採用された時にはもう正直誇ってもいいかという令和になって新しい実績の一つではないかというものです。
変な話、サムネイル採用を狙うということは、無造作なイラストレーター1万人くらいと無差別級に戦うこととなります。知らんけど。
イラスト界隈の人らも表では言ってませんが、サムネに載せられることを狙って透過画像や単色背景画像をリプ欄に投稿していることもちらほら見受けられます。僕もそんなことをしてました。
自慢ですが、そんな僕は合計で6回サムネ採用されました。

サムネ採用された動画

ホロライブ5期生がデビューしたての2020年あたりの頃にめちゃくちゃ載せられました。
その当時はめっちゃ嬉しかったし、創作のモチベーションがドバドバ出ました。といっても正直2020年頃のホロライブはまだまだ発展途上な部分もあったため、底辺クリエイターな僕も拾われる可能性は今よりずっとあったのは事実です。
今?2022年に入ってから音沙汰なしだよ。完全敗北、対あり。

それはさておき、2022年あたりから全然ボクセル作品が伸びなくなって、更には参加した同人イベントには「ボクセルの人」ではなく「ミコダニェー動画(さっきのツイート)の人」と言われる始末。
当時口にはしませんでしたが、正直めちゃくちゃ嫌な気持ちでした。ボクセルを見ろよと。

最終的にはフォロワーは910人で頭打ちかなと思ってます。
これ以上はボクセルで伸びることはできないと判断しました。

辞める理由

大きくは3つあります。
「金にならない」「流行らない」「舐められる(創作しない人間から)」

金にならない

お金、大事ですよね。僕はお金が大好きです。
お金があれば何でもできると思っている人物です。
仕事にならない、依頼が来ない、パトロン化の利点がない
これらすべて総称して金にならないです。
ハッキリいうと自分はこのボクセルをビジネスにしようかと考えていました。

でもここ3年間、来た依頼は0
ボクセルで得た利益は0です。対あり。

どこにも需要がない。
それはそう。今3Dキャラクターモデルで求められているのは「ハイクオリティーでなるべくローポリなキャラクターモデル」。
いわゆるVRChatとかで使えるようなアバターですね。
残念ながら自分はVRChatに対する知見が全く無く、そちらの需要に挑戦するのが億劫になりました。正直な話、作り方分からん。

あとBOOTHとかにアクリル製品を作って出したりもしたけど「ボクセルキャラ作るんならグッズじゃなくてゲームを作れよ」と言わんばかりの成果でしたね。全然売れませんでした。当然っちゃ当然だけども。
時給換算にしたら多分1円も行ってない。こんなものはお金になったとは当然言えん訳で。

流行らない

6年間、がむしゃらにボクセルを続けてきましたが、無作の一般人に対してもボクセルという単語を覚えさせることも出来ず、一向にボクセルが広く知れ渡ることは有りませんでした。
マイクラみたいですね!って言われるのが正直悔しい。
今でもボクセルの界隈内だけで盛り上がってるだけで、創作界隈全体としては全く流行ってる気配は無い。

あと、自分は意図的にボクセルクリエイターとは相互フォローせずに距離を取っていました。
今のボクセルクリエイターって「ボクセルアート=NFTアート」「NFTでボクセルを金に変換しよう!」ばっかりで、なんか守銭奴にしか見えない。そんな人達と繋がるのが本当に嫌で、本当に繋がりたいのは二次創作で「あなたの作品良いですね!」「ありがとー!!あなたの作品も好きです!」と推しの好きなところとか作品の良いところを言い合えるクリエイターでした。
さっき金金言ってたやつが何言ってんだってなりますが、一回ボクセルか#voxelartで検索してみ?NFTばっかり目が眩んだ作品ばかりで全然可愛くない
とりあえず数時間で作った物をブラッシュアップもせずにそのまま投げてるだけ。もっと良くしようと細部にこだわるだなんてまるでしない。
たまーーーーーに5人くらいめっちゃカッコいい風景作品があるくらい。
NFTという言葉がなかった5年前くらいに先陣切っていたボクセルアーティスト(僕は含まない)とクオリティの差が歴然すぎて悲しい気になる。
彼らはもっと独創的でボクセルという特徴を凄く好んでボクセルの味を殺さない表現をしていた。ボクセルだからこその表現にこだわりを見せていた。

話がそれました。
とにかく、一般人に「ボクセルって知ってますか?」と聞いたら、10万人中1人は知っているくらいの知名度じゃないんかな。
こんなもん知名度って言えるのか怪しいけど。

舐められる(創作しない人間から)

他の人がどうかは知りませんが、自分は一体のキャラクターを作るのに制作時間20~40時間、日数にするとおよそ3~7日間かけて制作します。
という前提を踏まえて、次の実際の出来事を聞いてください。全部クリエイターとして腹立たしいことが起きた事実です。

  • タダで作ってくれと言われた

3年前くらいに、当時フリーランスセミナーで同席していた方からDMが来ました。
「実績のためにキャラクターモデル作ってくれんか?もちろん宣伝とかはするで!あ、タダでよろしく!」(要約)
純度100%スッキリするくらい舐められてますねこれはw。
金額云々じゃなくて、タダで作れと言う辺りクリエイターとして舐められたもんだと普通に腹が立ちましたね。

およそ3年前に作ったモデル

3年前って言っても、画像ぐらいのクオリティには作れるようにはなってた。
今見るとちょっとディテールを凝らしたいとか色々思うところはあれど、当時にしてはかなり満足した出来栄えだと自負していました。

さておき、無償クレクレおじさんに無償では受けませんと言ったところ「最初は知名度のために無償で受けるべきだ」と、クリエイターでもない人間に根絶丁寧に底辺クリエイターの生き様を長文で送られました。多分200文字以上はあったと思います。
僕は全文読まずに丁寧なソフトタップでブロックしました。

他にもDMで「俺のオリキャラをボクセルにしたいから見積もりをしてくれ!」と言ってきて永遠にイメージ画像とか3面図とかを送ってくれない冷やかしマンとか、「コンテスト開くから展示作品のために作品作れ!応募枠じゃないから賞金対象外!」という範囲狭すぎコンテストの餌食になってくれマンとか。色んなパターンがありましたね。
ちなみに覚えてる限りで5回くらいは経験しました。心折れそう。

クリエイターの皆さんは間違っても無償で依頼を受けないようにしてくださいね。
無償で受理するのはクリエイター全体の価値を下げる行動であり、
クリエイターを馬鹿にする行為です

  • 別ツールでパクらせてくれと言われた、別ツールで作れと言われた

純正なボクセルクリエイターと違って、僕のはリボンとかバッジとか小物も作って、Blender上で大きさを調節してディテールを増やしてクオリティを上げるズルい技法を使ってました。
ということを作らない人間からしたら想像がつかないんでしょうね。やの「マインク○フトでお前の作品をパクらせてくれ!!」だの「レ○ブロックで再現して売ってくれ!」だの。
一般人から見たら、普通の3Dモデルに比べてラクに作れるように見えるんでしょうね。四角けりゃ何でも変換できるとお思いなんでしょうね。
まぁ実際ラクなんだけど(小声)。
さっきの無償で作れ人間と同じく、多分1時間くらいでできるもんだと思ってるんだろう。
まぁ、そんなことを言ってきた人達が自分で作ってる姿、見たこと無いんですけどね。

ということが数多く起こって、正直創作しない人間ってここまでヤバいヤツしかいないのかと本気で思ってました。
そんでもって仲がいい創作仲間というのも全くいなかったものも拍車をかけるようにして、ボクセル制作のモチベが湧かなくなった今、全く楽しくなくなった。
端的に言うと連続で病んだ。

最後に

クリエイターが創作を続けるためには「収益」「ファン数」「創作仲間」これらのどれかの数値が多くないと駄目であると考えています。
残念ながら今の時代、自己満足で創作ができるのは赤子の落書きで親に褒められるくらいしか無いです。
どうしても数値を満たすという満足がないと創作なんてできません。
今も創作続いてる人は、無意識に数値を稼ぐことに成功してるはずです。

そして僕はこれらのどれも満たすことができなかったんで、ちゃんとボクセルを辞めることができます。

あと未練がましく、今まで作った作品をまとめた動画とか作りましたが、これも全然伸びなかったら削除する予定なんで、もしよかったら全部見なくていいんで再生数だけ増やしといてください。

→再生数クソみてーだったから消してやったぜ!スッキリ!


次に、創作仲間と楽しく作り合うカテゴリでやりたいなーと思ってます。
こう言ってるやつは前述の通り、何も作らない無個性消費オタクになるんですけどね。今では無作オタクっていうんだっけか。

もしこの記事を偶然見つけて、ボクセルアートを初めようとしてる人がいるなら悪いことは言わん。
イラスト関連のクリエイターになった方がいい。キャラクター、マンガ、風景、この世にはイラスト関連の需要が満たされることは永遠に無い。
イラストは未来永劫ブルーオーシャンが約束されて、商業とは行かなくとも同人では永遠に需要がある界隈だ。
僕みたいな無駄な6年を過ごさないでくれ。


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