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今年聴いて良かった奴ベスト10 その1 Wayne Krantz

Wayne Krantz / Krantz Carlock Lefebvre (2009)

「今年良かった10枚」のようなものを書かなくなって久しいが、ちょっと時間が確保できたので書いていたらとんでもなく長くなった上に推敲も面倒くさいのでとりあえず1枚目の話をしようと思う。

最近タワレコの通販でセールが行われると半額や7割引になったデジタルエサ箱からまとめて注文することが癖になってきている。タワレコ実店舗のワゴンは9割ハズレしかないのだが、通販のセールはジャズの1000円リイシューの売れ残りが半額でゴロゴロしているので良い。enjaのリイシューの買いそびれを随分買ってCD棚がenjaまみれになった。

Wayne Krantzとの出会い
そんなenjaリイシューの売れ残りの中にWayne Krantzの『2 Drink Minimum』と『Long To Be Loose』があった。ギター・ベース・ドラムのトリオ編成によるフュージョンと呼ぶには攻撃的でギンギンした、ロックと呼ぶには複雑さとインタープレイが多い音楽。90年代だから平たく言えばジャムバンドという枠だろう。そしてWayne Krantzは90年代のSteely DanやDonald Fagenのツアーバンド等に度々参加してる存在だと知る。2020年にもアルバムを出しているWayne Krantzを気になるギタリストとして認知した。

Tim Lefebvreを追い始める
一方Tim Lefebvreというベーシストについてなのだが、昨今のアメリカのジャズをロクにチェックしてこなかった人間なので今更David Bowieの『Blackstar』のバックバンドであったDonny McCaslin一味であることを知る。2016年、5年前のアルバムぞ?

Timのベースは安定したグルーヴは当然のことなのだが、オクターバーを筆頭とした狂ったエフェクター使いにある。トリオで爆速即興セッションをしてリングモジュレーターやディレイをかけて音楽的に成立させられるベーシストが他にいるだろうか?5弦ベースを使わず4弦ベースでオクターバーを何度も踏むことでオクターブのフレーズを演奏するトンチキが他にいるだろうか?そんなわけで自分は確かな基礎テクニックもないくせにTim Lefebvreのエフェクター使いの虜になってしまった。

YouTubeでザッピングをしていたらKeith Carlockにたどり着く
そしてWayneと同じくSteely DanやDonald Fagen、更にはTOTOやStingにまで重宝され、Oz Noyとも演りあえるドラマー、Keith Carlockが大暴れする。なんとこの3人は2020年にも来日公演をしていたらしい。知るのが1年遅かった。悔しい。

なんでしょっぱなからベースにリングモジュレーターとディレイがかかってんの?ギターもリングモジュレーターがかかる。リングモジュレーター祭りか?大暴れで良い。

そしてそのスタジオ盤。サブスクで聴いていたけれどこの年末に中古でCDを見かけたので盤も購入。何かのご縁でしょう、諸々の出会い含めて2021年ベストということになりました。

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