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今年聴いて良かった奴ベスト10 その7 Yuri Goloubev

Yuri Goloubev / Two Chevrons Apart (2020)

モスクワ出身のベーシスト、Yuri Goloubev(ユーリ・ゴロベフ)によるリーダー作。1972年生まれだから19歳の時ソ連崩壊を体験した人だろう。自身のリーダー作としては恐らく4作目であり、英国のレーベルからのリリース。補足としてTim Garland(ss, ts)とJohn Turville (pf)はイギリス人、Asaf Sirkis(ds)はイスラエル人。

調べてみたところDOWNBEAT紙の「BEST ALBUMS OF 2020」の一つに選ばれている模様。DOWNBEATのレビューはこちら

全曲Yuri本人の作曲とアレンジによる楽曲。澤野工房辺りから聴けるヨーロピアンジャズの一つという言葉で片付けてしまうには惜しいほど美メロへのこだわりが感じられ、ヨーロピアンジャズの佳作から一歩抜きん出ている。コードや音響などで何か特別目新しいということは特にない、グラスパーやカマシのようではなく、ペッカムで育ったいわゆるUKジャズの面々のようでもない。だが、デンマークのジャズベーシストPeter Vuustの音楽に出会った時のような感動がある。とても繊細で美しい。


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