今年聴いて良かった奴ベスト10 その5 和田直

和田直 / ブルース・ブルース・ブルース (1977)

言うほどThree Blind Miceの歴史には詳しくないし、カタログを舐めるように聴いたこともない。かつて日本のジャズを聴き漁った時期はフリージャズ狂いであったのでモダンジャズの領域は疎い。ライブで観る機会のない名古屋や大阪を拠点とするアーティストとなると尚更である。日本でジャズ・ブルースをやらせたら右に出るものはいない和田直。氏は2021年に亡くなられたそうだ。

強烈なグルーヴは今田勝(org, pf)、小原哲次郎(ds)、鈴木勲(b)が渾然一体となって恐ろしいドライブ感へ化けてゆくがその半分ほどは今なお最前線で活動している鈴木勲氏のグリッサンドやダブルストップ奏法も含んだベースではなかろうか。日本語ラップ好きにとっては「BUDDHA BRAND - 人間発電所」のイントロでおなじみの御大。小原氏の4ビートのスウィング感と8ビートなスクエア感がマーブル状になったグルーヴも素晴らしい。

ブルース・ブルース・ブルース