見出し画像

女性が一人で安心して飲める店って女性専用店しかなくね?って言ったらフェミニストに反則技でボコられた話


「女性が一人で安心して飲める店」ってどんな店なんだろう。

私がこのことについて考えるに至った経緯について、まずは話そうと思う。


発端はTwitterでのAさん(仮称)(女性)のツイートである。

1年くらい前まで行きつけのお店があったのだが、すっかり行けなくなってしまったらしい。
その理由が、1人で飲んでいると男性客からセクハラ発言をされるようになったからだという。

セクハラ発言や女性蔑視発言をされたくない。
ふらっとお店に入りたいけど、こわくていけなくなってしまった。

そこで、
#女性が一人で安心して飲める店
というハッシュタグを用いて、新しく安心して行けるような店の情報交換をしよう!という話になっていた。

ひとまず経緯の一段落目はここまでである。

それについて私は、
「それはいいムーブメントだなぁ。」
と思った。と同時に、
そもそも「女性が一人で安心して飲める店」ってどんな店だろう、と考えた。

言ってしまえば、「女性が一人で安心して飲める店」を考えるに至った経緯について話す、というのはこれで打ち止めでもいいのだが、この話にはまだ続きがある。第二段落目突入。


私はこのことについてあれこれ考えた結果、ひとつの結論を出した。

「それって『女性専用店』しかなくね?」

そこで、私はAさんのツイートに対して、
・それって女性専用店しかないような気がする。
・セクハラ発言かどうかの明確な基準の設定って難しいっすよね。
・まぁ初対面で明らかなセクハラ発言投げる人はやべぇと思ってる。

という旨のリプを飛ばした。

そしたら返ってきたのが、
・「女性専用店しかない」というその考えはおかしい。男性はどこでも安心して飲めるのに、女性は女性専用店しか安心して飲めないような社会はおかしいではないか。そんな社会を是正したくて今動いてるんだ。
・セクハラ発言認定の基準なんてそんなレベルの話今更するの?
・その「やべぇ人」はあなたが思っているよりめちゃくちゃいる。現実を知らなさすぎる。
・勉強不足。ジェンダーについてもっと勉強してくれ。

と、ざっくり言うとAさんからこういう内容のリプを頂いた。
…まぁ仰られてることについては間違ってないんだが…藁人形論法のハッピーセットである。全く噛み合っていない。

Aさんに賛同する方々の声をみてみると、「私もAさんが述べているような社会を作ることに賛成です!」という声がちらほらあった。

…いや、それ私も賛成なんだが。(笑)
なんで私があたかも反対意見側みたいになってるんだ。

挙げ句の果てには「女性専用店しか案がないとかいう考えはあまりにも無知すぎる。」という私に向けた非難もあった。
まぁそれに関しては私のこの後に書いてある内容を読んで頂いた上で、それ以外の案を出して頂けることを期待している。

ということで、長い長い前振りは以上である。

ここからは、私が「女性専用店」しかないという結論に至った根拠と、なぜこんなにも論点のズレが生じたのか、という点について記す。


【「女性が一人で安心して飲める店」とはどのような店か?】

まず第一に考えるべきは、そもそも「女性が一人で安心して飲めるような店」とはどのような店か?という点についてである。

それについて私なりにAさんの発言を掬い取りながら考えた結果、
「確実に男性からセクハラ発言を受けないような環境が整えられている店」
と定めた。

この定義の中で重要なポイントが主に2つある。

1つ目は、男性からセクハラ発言を受けないことが「確実」であるという前提だ。これについてはAさんの発言から参照した。
Aさんは男性からのセクハラ発言が原因で、好きだった店に行けなくなってしまった。そして、そんなことがない、安心して行けるお店を探している。
「セクハラ発言が投げかけられる可能性があること」が、安心できない原因にあるということだ。

つまりそれは、店内でのセクハラ発言事例が1つでもあった場合、そこは「安心できない店」として認定される、ということではなかろうか。

「確実に」セクハラ発言が起こらないこと。セクハラ発言ゼロ。
これはこの問題を考えるにあたり、非常に重要な要素として位置付けることができるだろう。


2つ目は、セクハラ発言をする側、すなわち加害者側が「男性(ヘテロセクシャル)」であることだ。

男性ではなく女性(ホモセクシャル)からのセクハラ発言についてはどう考えるか?これも男性からのセクハラ発言と同等なものとして位置付けるのか?

難しい所だが、おそらくこれについては男性限定で話が進められている感があるように見受けられた。
この点はAさんに直接聞くしか分からないが、一旦ここではセクハラの加害者の対象は「男性(ヘテロセクシャル)」のみであるとしよう。
(ちなみに女性も加害の対象に入れるとなると、私の出した結論が根本からぶっ壊れることになることは察して頂きたい。)


【私の考えた3つの案(うち2つは廃案)】

さて、設定したこれらの条件を踏まえて、

「確実に」「男性からの被害を受けずに」女性が一人で安心して飲める店とは、具体的にどのような店なんだろう?

という問題を考えた時に、やはり私の出した結論は、「女性専用店」だ、となる。

あまりこの結論には個人的にも納得が行っていないわけだが、逆に他に何があるのか問うてみたい。
もちろん「今」の社会の現状に基づいた、現実ベースの路線でお願いしたい。なぜならAさんは「社会変革後の未来」の話ではなく、「今」行けるお店を探そうとしているわけなのだから。
ここで「社会変革」を軸にした話をされても困る。文字通りに「論外」の主張であることはご理解頂きたい。(この件についてはまた後述)


曲がりなりにも、他の案を考えたりもした。しかし、廃案になった。次はその2つの廃案を紹介する。


まず1つ目は、
「少しでもセクハラまがいの発言をしたら出禁にする」というルールを定めることだ。

廃案になった理由は2つある。

1つは「セクハラ発言認定の線引きが難しい」という点だ。
仮に言った本人が無意図的であった場合。発言ルールに抵触していると受け取ったので出禁です、二度とウチの店には来ないでください、となったら、出禁にされた人からしたらあまりにも納得がいかないのではないだろうか?
そもそもセクハラ発言であると断定できる基準を明確に設定することが難解なので、細かいルールを設定する時点で店側からしても骨の折れることなのだ。

ならば受け取り手(女性)にセクハラかどうか判断してもらうというのはどうだろうか?とも考えたが、そっちの方が恐ろしいように思える。それは女性に「気に入らない男性を鶴の一声で出禁にできる」という絶対権力を与えることになるからだ。貴族政治爆誕である。

「いやいや、そんな女性いないわ!馬鹿にするな!」
という声が如何にも上がりそうだが、間違いなくそんな女性が存在しないと言える根拠がどこにあるというのだろうか。もし誰もが納得できる根拠があるというのならば、是非とも教えて頂きたい。

2つ目の理由、これは致命的な点である。
それは「セクハラ発言をした人を出禁にしたところでセクハラ発言が店内から無くなるとは限らない」という点だ。これは前に述べた「セクハラ発言ゼロの確実性」に値しない。
この説明をするのは簡単だ。犯罪を罰する法律を制定したところで、犯罪が消えるわけではない。これと同義。
ましてや本件における「罰」は、出禁のことである。「罰」としてのそれはあまりにも弱すぎる。

以上が「少しでもセクハラまがいの発言をしたら出禁にする」というルールを定めることが廃案になった理由である。


次に、もう1つの廃案を紹介しよう。
それは「セクハラ発言が起きないような雰囲気をめちゃくちゃ醸し出した店」である。
なんとなくAさん達はこれに適用する店を探しているんだろうなぁという感じがする。

この案について検討するにあたり、まずは「セクハラ発言が起きないような雰囲気」とはどのような雰囲気を指すのだろうか、という点について考える必要があるだろう。
しかし、もはや本件においてはそこまで考えるまでもなく廃案にできる。

その理由として、やはり「セクハラ発言ゼロの確実性」の問題が再登場する。
たとえセクハラ発言が起きないような雰囲気をむんむんに醸し出したところで、セクハラ発言が「確実に」おこらないという保証なんてない。
セクハラ発言件数を減らすことはできるかもしれないが、ゼロにすることはできない。
以上の理由から、「セクハラ発言が起きないような雰囲気をめちゃくちゃ醸し出した店」は廃案となる。

「あくまでゼロじゃなくてもいいよ。セクハラ発言が少なければ大丈夫だよ。」
というのであれば、こちらの案が採用されるのだろう。
Aさんや、Aさんの意見の賛同者がこの「妥協」に納得できるかどうかにかかっている。もし納得できるのであれば、今度はその「雰囲気」の正体は何か、という点の議論を深めていきたいものである。


ということで、「女性が一人で安心して飲める店」とはどんな店か?について考えを巡らせた結果、自分の中では「女性専用店」です、という結論に至ったわけだ。


※廃案含めて3つほど提示しましたが、もしこれを見ている方で、最初に述べた条件を全てクリアするような新しい案があれば教えて頂きたいです。自分の頭のみではこの結論しか出すことができませんでした。
また、そもそもの条件について組み直すことも検討しなければいけないかもしれません。これらを組みなおせば、自分の述べた案も再度検討する必要性を迫られます。例えば、セクハラ発言の加害者に女性も適用する、とするならば、私の「女性専用店」の案は即廃案になります。ご意見頂けると嬉しいです。


【なぜAさんとの論点のズレが生じたのか?】

次にこの話題について記す。

冒頭で述べたように、本件についてAさんへ意見を送ったところ、全く見当違いな答えが返ってきてしまった。ご親切に「ジェンダーをもっと勉強したほうがいい」という有難いお言葉も添えて、だ。(無論私のジェンダーに関する知識量が圧倒的にAさんより少ないことは容易に想像できるので、しっかりと勉強に励みたいとは思っている。)

その言葉が皮肉を込めたものか、それとも純粋な親切心かどうかはさておき、どうやらこの件についてAさんが主張したかったことは、
「女性が一人で安心して飲める社会を目指そう」
ということだったらしい。

それについて思ったことは以下の通りだ。


…んなもん大前提だわ。なんなら大賛成に決まってるわ。


大前提であるからこそ、まず本件についてはそのレベルの主張をしたいわけでは無いのだろうな、というある種の確信を持っていたわけだが、その確信は見事に粉砕されてしまった。

ちなみにもう一度確認するが、私は
「『今』女性が一人で安心して飲めるお店を探そう」という主張であると解釈して、Aさんに意見を送っている。

一番最初の経緯を振り返ってみても、やはり疑問が残る。
…これは私の解釈が間違っていたのだろうか?

もし私の解釈が間違っていたのだとすれば、


#女性が一人で安心して飲める店

↑このハッシュタグ変えた方がいい。

#女性が一人で安心して飲める社会へ (的なニュアンス)

↑こっちの方がいい。


ちなみに、無理矢理にでも「『今』『確実に』女性が一人で安心して飲める『社会』」について考えるとするならば、私はとても良い案を出すことが出来る。

それは「男性総去勢政策」を早急に実現させることだ。
…少子化問題?それについては問題ない。
少子化問題は無くなり、新たに絶子化問題が出てくるだけだろう。


おわりに


最後に、少し思ったことをつらつらと書いていきたい。

自分で積極的にフェミニストを名乗る界隈(私はこの界隈を「フェミニス党」と呼んでいる)は「絶対悪の敵」を作りたがりすぎだ。そしてあまりにも好戦的すぎる。もはや相手を打ち負かすことが目的なのか?と疑ってしまうレベルだ。

私が本件で「敵」認定されたかどうかは知らないし、本当に余計なお世話かもしれないが、そろそろそのスタンスを貫くことについて考え直した方がいいと思う。
これは個人に向けたものではなく、全体に向けたものだ。
そもそも、「絶対悪の敵」を作り出してそいつと戦って打ち負かすことによって理想的社会を実現させようという姿勢を徹底している時点で現代社会においてはナンセンスだ。

また界隈から藁人形論法を使われて見当違いな非難をされるのは面倒なので、念の為に言っておく。

これは「フェミニス党の党員全員がそういう考えを持っている」という論の展開ではない。
「そういう考えを持っている党員が多いのではないか?」という質問であり、問題提起だ。

その考えを持った人の正確な割合なんて知らない。ただ、目立つ人は大体このような姿勢で自陣営で作り出した「絶対悪の敵」と戦っているように感じ取られる。
そしてそれが何よりもフェミニストの典型とでも言わんばかりに「目立って」しまっている。
ゆえに、「フェミニスト」という言葉に良い印象を持てない人が多いのが現実ではないだろうか。

もうひとつ。
何故私がこの話についてここまで論を展開しているか。それは私が真剣にこの問題について考えたかったからだ。
「『お店を探そう!』みたいなノリの話に対して事細かに論を展開して一丁前に考察して何やってんの(笑)」と嘲笑される人も中にはいるかもしれない。
そこはスッと目を瞑って頂きたいものである。

とにもかくにも、私は男女同権社会やジェンダーに関わらず公平・公正な社会の実現も望んでいるので(そこを専門にしているわけではないが)、ここでの話も含めて、そのような社会の実現に向けて自分なりに考えていきたいと当然のように思っている。

教育による働きかけは問題解決の糸口としてマストだ。私は教育学徒なので、そのような社会の実現に向けて教育の観点から何ができるかをこれからも考えていきたい。


※この記事は決してフェミニストに対するネガキャンではありません!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?