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tukamatter
死んだ魚のふりしても私
池の中にとびこんだ
冷たさと泡に包まれた
水面の光が眩しい
揺らめく
逆さまになって深く潜りたい
でもすごく浅くって
到底叶いそうにないね
仕方ないから魚のふりして泳いだ
時々死んだふりして
空を見上げた
なんだか自分が存在しているのが
嫌でも分かっちゃって
私はわたしでしかないんだって思い知らされる
水と私が溶けて混ざり合っても私は私
魚のふりをしようと、死んでも私
海に行ったら深く潜れるね
キレイな世界
見たことのない世界
海に行きたいって
脚も腕も大きく動かしてみたんだ
大きく動かしてみたんだ
海に行けるからってちゃんと泳ぎ始めたんだ
泡が大きな飛沫になる
水が大きくうねって私を送り出す
光る波
金色の泡
ゆっくりゆっくりと
死んでも私
魚のふりをしても私
海に行った私も私
とりあえず
陸にあがろうぜ私
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