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記憶の消滅

君のことをどうにかして
思い出すことも
隣にいた時の喜びだとか
全て、すべて消そうとしたのだ

砂のようにざらざらと風に吹き飛ばされた、
跡形もない上半身の自分自身を毎日想像した

風に飛ばされた砂は日常の空気中に混ざって
他と見分けがつかなくなるだろう
ざらざらした感触が肌を汚していく

何もなかったように思い込む
記憶がそこだけすっぽり抜け落ちたように
そうやって想像する

君を想い狂っていた
慣れようと努力していたあの時の感情さえもぶち殺して
もう見えない

これから先、
砂嵐のフィルターをかけた瞳を
取り繕う君に向け続けるのだ


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