見出し画像

転職活動終了のご報告

約1年に及ぶ転職活動が終了したのでまとめます。
これに伴い一部の記事は削除しました。

30歳で未経験業界・職種へのキャリアチェンジは結構大変でしたが自分なりに取り組んだことを記していきたいと思います。

職業
・転職前:香料メーカー(香料開発)
・転職後:特許事務所(特許技術者)

※自分の最終学歴は大学・農学部卒です

転職活動開始
・2023年5月頃

転職活動終了
・2024年8月

これまで登録したエージェント6社
応募に使用したエージェント3社

応募社数
・A社経由 17社(書類通過2社)
・B社経由 20社(書類通過5社)
・C社経由 7社(書類通過4社)


転職活動をはじめたきっかけ

転職活動を始めたきっかけは、今後のキャリアを考えたときに「今のままじゃ何か違う気がする」と感じたからです。
このようにぼんやりとした理由で転職活動を始めてしまいました。

振り返ると、転職活動が長期化した原因は「ぼんやりした転職理由」と「やりたいことの軸のブレ」にありました。
転職理由を言語化し、自分が何をやりたいのかを明確にすることが活動する上で一番大事だなと学びました。

活動内容

2023年5月~2023年12月(A社経由期)

まずはエージェントに登録して職務経歴書を作ってみました。
この職務経歴書を作成することが個人的に転職活動における大変なことナンバーワンです。
自分の強みって何だろうか、汎用性のあるPRって何だろうかを考えて文字に起こすことが非常に難しかったです。

この時はエージェントのアドバイスを受けながらひとまず1枚作りました。書いては修正を繰り返し、1ヶ月~2ヶ月くらいかけて書類を作った記憶があります。

書類を作成してからは求人を見て「仕事がおもしろそう」と感じた求人に何件か応募をしてみました。
この際に書類が全く通過せずに一度心が折れましたが、今となっては落ちて当たり前の書類内容だったなと思います。

何度か職務経歴書に修正を加えながら応募をしていると2023年の12月までに2社、書類が通過しました。
1社は化学系のベンチャー企業、もう1社は製造業向けのシステム開発会社でした。
いずれも1次面接にて「求めている技術力が不足している」「検査の結果から適性が無いと判断した」という理由で見送りされたかと思います。

この2社の面接を経て率直に感じたことは「面接に慣れていなさすぎる」と「適性検査の対策しなくちゃ」でしたが、それ以上に進みたい業界を絞ることや業界研究を行う必要を感じました。業界研究をすることで「自分がしたい仕事は何なのか」を見つけようと思いました。

自分の好きなものは何か考えたときに、一番に思い浮かんだことは創作やものづくりでしたが、一方で製造業での働き方は自分に向いているとは思いませんでした。自分はマイペースであったし給料形態も裁量労働制の考え方が好みであったので組織で働くよりも出来るだけ一人で完結する仕事がいいなと感じていました。

また、ものづくりは趣味でやった方が自由度が高く楽しめるかなと割り切っていた頃で、仕事では自分がものづくりをしなくても、ものづくりに間接的に携わる仕事であったり自分の得意なことを発揮できる環境を求めていました。

2024年1月~2024年6月(B社経由期)

2023年末に2社面接した後、A社経由で求人を見ていた際に気になる求人がありました。
「〇〇特許事務所/バイオ・化学系弁理士」みたいな求人です。
勤務条件が謎に良い(年間休日120日以上、在宅勤務・副業可能、給料高め)にも関わらず、化学系の知識も生かすことができる求人ということでびっくりしました。
※製造業の開発や品質保証にはあまり無い条件

それまで業務の中では特許に触れる機会が少なく、特許に対しては事務的でつまらなさそうという大変失礼なイメージを抱いていたのですが、求人票で仕事の内容を読んで発明を権利化するという仕事に興味を持ちました。
そして応募条件「弁理士資格を有する方」を見落として応募ボタンをポチっとした後に条件を満たしていないことに気づき、資格について調べたことが特許事務所への転職を決意するきっかけになりました。

弁理士ってどんな資格?
弁理士って何をする?

ネットで調べてみたところ、知財関連の法律家で、理系出身の人が多い士業であること、また製造業で開発をしていた人が多い、と分かりすぐに士業専門のエージェント(B社)に登録しました。

知財業界のことが全く分からない私にB社の担当者は「弁理士」や「特許技術者」の説明をしてくださりました。

大体こんな感じ。
・職人気質みたいな人が多い
・1日中1人で文章を書く
・学歴が求められることが多い
・英語力が求められる
・未経験は大体35歳まで

正直応募条件はギリギリでしたが、ものづくりに携わることもできるし、知れば知るほど自分にとってはこれ以上に無い魅力的な職業であると感じ、絶対にこの職業で働くと固い決意をしました。

上記のエージェント登録は2024年の1月でしたが、その後仕事が忙しくプライベートも多忙を極め、特許事務所向けの職務経歴書の作成に時間がかかり、なんやかんやで4月の頭に応募準備が整いました。

まずは4つの事務所に応募してみました。
そのうち1事務所に書類が通り、初めて特許事務所へ面接と採用試験に行くことになりましたが、こちらの事務所での面接経験が自分の中では大きな経験となりました。
明るい雰囲気の事務所で、たくさん質問もさせて頂き実務のイメージを掴むことが出来ました。採用試験(英語と日本語の作文)は全くできませんでしたが、得るものは大きかったです。
また、これがきっかけで勉強へのモチベーションが上がり、予備校に通おうと決意しました。

その後、予備校に通いながら応募を続け、6月末までに13事務所ほど応募し、合計4事務所と面接や採用試験を行いました。
元々面接に苦手意識がありましたが、数をこなしたら少しずつ自分の言葉で考えを伝えることに慣れてきた感覚がありました。

しかし、受けた4事務所は全て不採用で「このままでは事務所への転職は難しい」と感じるようになりました。
不採用の理由としては「試験結果を考慮して」というものが多かったです。
英語力や文章力など各事務所の試験で求められるレベルが高く、やる気だけでは通用しない業界であることを直に感じました。(自分の能力が低すぎただけだと思うけど)

試験では作文や英語が出題されることが多かったです。作文は、特許請求の範囲や要約を書く能力を見られるケースが多かったように感じます。特徴を捉える能力とそれを文章で説明できる能力を見られた印象です。
「ここを指摘してほしかった」みたいなフィードバックを受けることもあり、有り難いながらも結構へこみました。
ちなみにエージェントに相談したところ、特許明細を読み込むことなどのアドバイスを頂きました。

ひとまず応募できる求人も減ってきて、採用試験にも疲れてきたので少し休んでから対策を行うことにしました。

2024年7月~2024年8月(C社経由期)

事務所への転職活動に疲れを感じてきたこともあり、未経験応募可のところがあれば一般企業の知財部も受けてみようと、エージェントC社に登録しました。
その際、C社からのアドバイスで転職理由と志望動機を再度考え直し、職務経歴書を作り直すことにしました。
最初のキャリア相談でそれまでの面接と採用試験の内容を伝えた際に、驚かれたのと労われたのは印象的です。(一般企業と内容が全然違ったらしい)

C社のサポートは手厚く、転職理由や志望動機もそれまでに比べてストーリー性を強くすることができました。
ここで自己分析と言語化の大切さをとても感じました。
色々相談した結果、志望理由を「知的好奇心」と「手に職をつけて長く働きたい」の2つを候補に考えると良いのではないかと助言を頂きました。

ちなみにC社からの応募は半分以上書類通過しました。(すごい)

C社で特許事務所の求人はあまり扱っていませんでしたが、B社に掲載が無くC社に掲載がある求人があったので応募してみたところ内定を頂けたのが現在入所予定の事務所です。

企業知財部の選考も進んでいましたが、かねてより特許事務所への入所を希望していた私はこれにて転職活動を終えることにしました。
(本当はいくつか内定を頂くまで続ける方がいいみたいですが)
※ちなみにダメ押しで受けた事務所は殆ど書類で見送り

結果的にC社経由で応募した事務所に入所することにはなりましたが、B社から応募した経験が無ければ正直内定は頂けなかったと思っています。

また、入所はスタートではなくこれからのキャリアをスタートさせる準備が整ったに過ぎないので、これから頑張りたいと思います!

内定を頂いた事務所には本当に恩を感じているので早く資格をとって役に立ちたいし長く勤めたいと思います。

振り返り

採用選考を受けてみて、一般企業と特許事務所で違うと感じたこと。

私は企業の知財部ではコミュニケーション能力が求められていると感じました。特に開発部署とのコミュニケーションが取れる人。
業務の幅も、企業によっては法務に近い業務もありそうな感じでした。また、特許だけでなく意匠・商標も担当するんだろうなという感じ。

組織の中でうまく立ち回れる人や長く働ける人は特に求められ、面接でされた質問も一般的によく聞かれる内容が多かった印象です。

一方特許事務所はとにかく頭の良さや経歴が重視され、それに加えて長く働けるかどうかも見られている印象でした。
入所後に合わない人はすぐ辞める人が多い業界みたいです。
外国案件が多い事務所では英語力を見られる事務所がとても多かったですが、総合的には英語力よりも特許出願する技術分野に経歴が合致しているかどうかの方が見られている印象を受けました。

農学のバックグラウンドとしてはバイオ・化学系の分野を扱う事務所が合いそうに見えますが、化学系の事務所は材料(高分子)、有機合成、薬学系の方が強いので自分は書類で見送られることが多かったです。
また、医薬品系の特許は外国への出願も多いので英語力必須という感じでした。

意外と機械系やIT系は未経験でも理系出身なら面接してくださる事務所がありました。化学系に比べると特許の出願件数に対して人が足りて無いのかなと感じました。また、英語も必須ではなく出来たら尚可みたいな所もそれなりにあったように感じます。

意匠・商標の求人も検討はしたのですが、資格と英語力両方必須の事務所が多く、未経験者にはハードルが高いように感じました。

なのでド偏見入所難易度は、意匠・商標>化学・バイオ>機械・情報 の順であると勝手に格付けしました。

転職活動を終えてみて、私はどうしても化学がやりたいとかでは無く、むしろ化学以外をやってみたいという点がラッキーだったなと思いました。
化学にこだわっていたらキャリアチェンジは無理だったと思います。

あとは英語が出来ていたら選択肢は増えてたなと感じます。
求人の必須条件にはTOEIC700点〜860点が記載されていることが多かったです。

ただ条件に書いてなくとも業務に英語が必要なことは間違いなしなので私はこれから頑張ります。(白目)

むしろ、これまで何かにつけて引き延ばしてきたので、やらなきゃいけない環境に身を置けるということは嬉しいです。

また途中でも書きましたが、自己分析や業界研究はとても大切であると感じました。
自分は何をやりたいのか、何ができるのか、何故転職をするのか、今のままで実現出来ないことは何か、分かっていないと言語化出来ないです。面接では客観的に伝わるように説明しないといけないので自己の深堀りは必須かなと思います。

気をつけたこと
・転職理由、志望動機に一貫性を持たせること
・自分の就きたいポジションがどのような業務を行っているのか情報収集をすること
・担当する技術分野ごとに求められる能力が違うので明細書を読んで理解しておくこと
・どうなりたいか将来目標を立てておくこと

長文ですが、ここまで読んでくださりありがとうございました。
自分のような未経験からのキャリアチェンジを検討している人にとって少しでも参考になったら嬉しいです。

もしもこれを読んで私が担当だ!と感じたA社、B社、C社の方が居たら、感謝の気持ちをお伝えしたいです。大変お世話になりました。

おわり。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?