素直なことばで書く
「素直になろう」
そう思いはじめたのは、文章を書くようになってからのことだ。
1年前「ブロガーになるぞ!!!」と決めて、文章を毎日とにかくがむしゃらに書くことに専念した。
ブロガーというと「アフィリエイトやアドセンスで稼ぐ!」といったイメージだが、わたしはエッセイのような自分の経験談や思いを書き綴るタイプのブロガーになりたいと思っていた。
なので、世間一般がイメージする”ブロガーで稼ぐ”というイメージとはすこしズレていたかもしれない。
どういったことを書けば、人に読んでもらえるか?共感してもらえるか?行動を促せるか?勇気を与えることができるか?
自分がどんな文章に魅力を感じるか、じっくりと考えてみた。(これまでに本をあまり読んでこなかったのでよくわからなかった)
そこでピンときたものが、自身の失敗談や弱い部分を素直に書いている文章だな、と浮かんだ。
ブログでは赤裸々に自分の失敗談や苦い思い出を素直な言葉で綴った。文章は今読んでも赤面してしまうほどの出来だが、溢れんばかりの情熱がしっかりと文字には表れていた。
はてなブログの読者は一晩で100人にまで昇ったこともあった。嬉しかった。しかしその喜びと相反して「じゃあこのブログ、自分の友達とか家族に見せれるか?仕事だって堂々と言える?」という不安が頭によぎった。
いや、見せれねえ・・・。
こんな必死に自分語りをしてる文章は恥ずかしい。一応人に見られるための練習として、一度夫に自分の記事を読んでもらった。
「この記事どう?」
「うーん・・・なんか可愛いって感じ?面白い?んじゃない?」
答えの中に?が3つほどついている、わたしを傷つけないための苦し紛れの回答が可愛い…?文章に可愛いもなにもないだろ。わたしは心に深い傷を負った、と同時にやっぱり身内が読むと「失笑」って感じなんだろうか、と自信を失った。
それでも諦めず文章は書き続けた。しかしアフィリエイトやアドセンスの収益は鳴かず飛ばずで、心も折れかけていたためnoteにも文章を投稿することにした。
使い方はよくわからなかったが、noteをプラットフォームとして活躍する人達が、なんだかカッコ良く見えたという軽率な理由でnoteを始めてみることにした。
カッコ良さそうにみえる人達の文章を真似て、カッコ良く見えそうな中身が薄い文章を投稿していた。しかし恐ろしいほどに伸びない。「やっぱりわたし実力ないんだな」と二度目の挫折。
それでも執筆屋になる夢は捨てきれなかったので、文筆業を生業にしている方やフリーランスの方の本を読み漁っていた。そこで出会ったのがフリーライター、ヨッピーさんの『明日クビになっても大丈夫!』である。
ヨッピーさんはとにかく面白いことをやり続けている、ライターさんだ。彼の実績を見れば一目瞭然なので、ご存知ない方はまずTwitterに飛んでみてほしい。
わたしは、お笑いメディア「オモコロ」の長年の読者でもあり彼の存在は知っていた。そこでこの本に書いてあったこんな一文に心を奪われた。
そうか、記事を書いても誰にも見られなかったら意味ないよね。ブロガー用に作ったアカウント、綺麗ごとばかり言ってるわりにはフォロワーはいつまで経っても2桁だし。誰にも見られないインターネットの大海でぷかぷかと浮き続けてるだけの記事は必要ないんだ。
そう思ったわたしは意を決して、元々使っているTwitterのアカウントに自分の書いた赤裸々な記事を投下した。心の中で誰にも見られなきゃ意味がない…意味がない…!と強く唱えていた。内心は心臓バクバクで震えていた。
そうしたらありがたいことに読んでくれる方が意外にも多く、感想をいただいたり、RTなどもしていただいて普段のツイートの何倍ものエンゲージメント数を獲得した。自分のことを知らない人に応援されるのも嬉しいが、自分のことを知ってる人に応援してもらうのは何十倍も嬉しいと感じ、心が芯から温まった。
すこしだけ自信がついたわたしは、自分の書いた文章をTwitterにあげるようにした。
以前よりも見られたら恥ずかしいという自意識もすこしずつ薄まっていき、文章もただがむしゃらに書くだけではなく、見られることを意識して丁寧に書くようにもなった。
最近では知り合いや家族からも「記事を読んでるよ」「もちこの書く文章は面白いね」と言ってもらえる機会が増えた。夫から苦し紛れに「文章が可愛い」などと言われた過去の傷も次第に癒えてきたのであった。
夫も最近はわたしのnoteの記事を積極的に読んでくれるようになり、「前よりも文章が上手になってるね」とも言ってくれた。
素直に自分の気持ちを綴った方が人から読んでもらえる。それは書き手の人となりが文章を通して読み手に伝わるから。そして、書き手の自意識などはあまりにも余計なものだったと気付いたのであった。
わたしはこれからも”読まれるための文章”を書いていきたい。頭を捻らせながらも「素敵だ」と思われるような文章を書いて、どんどんレベルアップしていきたいなと思った。
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