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1年で10倍?!海外成長株を選ぶ上で必ず抑えておくべき基本の4原則

あなたの投資対象に、海外成長株は含まれているだろうか?

海外成長株は、ハイリスク・ハイリターン投資の典型例。

資産を1/2以下に激減させてしまうこともあるし、2倍・3倍と飛躍させることもある。
1年で10倍になることも1/10になることさえある。
投資全体への影響がとても大きい。

私の周りで海外成長株に投資している人は、投資全体の平均利回りが12%以上になるケースが多く、
海外成長株に投資していない人は、日本株の期待利回りである6.5%の半分以下(つまり3%以下)のケースがほとんどだ。
言い換えれば、海外成長株への投資が上手か下手かというだけで、あなたの投資全体の利回りが4倍以上も変わるかもしれない。

あなたも、全体の利回りを押し上げるのに、個別投資が重要だとを感じているのではないだろうか?

でも、同時にあなたは今、このように思っていないだろうか?

そうは言っても、高いリターンを得ているのは、センスや内部情報がある人だけで、何も知らない普通の人が海外成長株に手を出したら、騙される可能性のほうが高いんじゃないか?と。

そんなことは決してないので安心してほしい。

今回は、わたしが知識も資金もないゼロから始めて、海外成長株に100件以上投資した過程で発見した、成長株で資産を増やすための4原則をご紹介する。

これらの基本を頭に入れて、ぜひ一度そのまま実践して欲しい。
特に今まで海外成長株を意識したことない人にとって、大きな成果につながるはずだ。

1. プロとの戦いを避ける

海外成長株と一口にいっても、先進国もあれば発展途上国もある、IT企業もあれば不動産企業もある。国も業界も様々だ。

では何から手をつければよいのだろうか?

それは「プロとの戦いを避ける」ことだ。

プロとは生命保険会社、ヘッジファンド、政府系金融機関など、大量の資金を使って株式や債券に投資する大口の機関投資家のことをいう。プロの資金は膨大で、市場の大きな資金源となる。

中には運用規模が100兆円を超える年金機構のような機関もある。年金機構1つだけで、日本の時価総額上位企業の株式を全部買い占めても、資金が余る規模だ。
・トヨタ自動車(7203)
・ソフトバンクグループ(9984)
・ソニーグループ(6758)
・キーエンス(6861)
・NTT(9432)
・ファーストリテイリング(9983)
・リクルートホールディングス(6098)
・KDDI(9433)
※( )カッコ内は銘柄コード

大きな資金を有効活用するために、プロの投資対象は、先進国の大企業や、世界的に有名になったテクノロジー企業に限られる。彼らは時価総額が100億円を超えるあたりから積極的に参入する。

大企業で買っている人が多いからとか、有名なハイテク企業だからという理由で投資している人は、特に注意しなければならない。圧倒的な情報量と分析力をもつプロと、真っ向勝負しては勝ち目がない。彼らの方針転換や駆け引きに巻き込まれて資産を失うのは必至だ。

だから、個人投資家に必要なのは、その逆を目指すこと。

一つ例をあげるなら、たとえば、新興国の有望な産業と企業を見つけて、その国の経済発展に合わせて資産を増やすのはよい選択肢だ。

2. 安定成長が期待できて、外国人でもアクセスしやすい国を選ぼう。

投資する国を選ぶときは次の点を意識するとよい。

【規模】経済規模が大きい
【成長】人口増加と経済成長のバランスがいい
【防壁】外国人が投資しやすいように法制度や税制の整備が進んでいる
【情報】生の情報を取りやすい

ようするに、経済の安定成長が期待できて、外国人でも投資しやすい国を、シンプルに選ぶべきだ。

わたしが好んで投資するのは
中国、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピンである。
いずれの国も上の点を満たしている。

これがミャンマーやカンボジアやバングラデシュだと経済成長が遅く、外国人投資家を守る法律も未熟なので、思わぬ不利益を被るリスクが高まる。

東ヨーロッパやアフリカは経済規模が小さく、情報が入りにくい。だから、いざ問題がおきても自分で確かめることができない。

10年後は状況が変わっているかもしれないが、いまは中国、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピンが、依然として魅力的な投資対象国だ。

3. 安定成長が期待できて、外国人でもアクセスしやすい産業を選ぼう。

国が決まると、次は産業を決める。
エネルギー、素材、運輸、自動車、アパレル、メディア、小売、食品、ヘルスケア、銀行、不動産、ソフトウェア。社会はさまざまな産業で構成されている。

その国の所得水準、カルチャー、経済構造よって、どの産業が魅力的な投資対象になるか大きく異なる。資金が豊富な機関投資家に選ばれがちな先進国のハイテク産業以外にも、ポテンシャルの高い産業はたくさんある。

選択基準は投資国を選ぶときと変わらない。

【規模】市場規模が大きい
【成長】市場成長が期待できる
【防壁】国に守られている
【情報】情報を得やすい

この4点を守れば、大きく間違えることはない。

例えば、アジアの新興国で増える中間所得層にモノとサービスを提供する産業は、個人投資家にとって魅力的な投資対象だ。こうした国では、都市部を中心に、先進国に影響をうけた生活スタイルが取り入れられつつある。

タバコ、食品・調味料、日用消費財、飲食、ITサービス、医療サービスの需要が急速に拡大している。

先進国の生活を知っている分だけ成長を予想しやすく、現地の生活の変化が株価の成長につながっていると確実に感じられるのも、個人投資家にとって有利な要素だといえる。

具体的な産業の分類は、世界産業分類基準(GICS)を参照するとよい。自分の手で詳しく調べてみると、きっと新しい発見があるはずだ。それがそのまま、あなたの海外成長株投資におけるアドバンテージになる。

4. 安定成長が期待できて、外国人でもアクセスしやすい企業を選ぼう。

業界が決まれば、最後に投資する企業を決める。
ここでも基準も変わらない。本質はすべて同じだ。

【規模】市場シェアが大きい
【成長】売上高成長率が高い
【防壁】独自の技術を持っている
【情報】ROEが高い

売上高成長率は、1年間でどれくらい売上げが伸びたかを見る指標で、企業の成長の度合いを判断する目安となる。売上高成長率が高ければ高いほど、将来、株価が高騰する可能性が大きい。

売上高成長率は次のように計算される。

売上高成長率= (当期売上高 - 前期売上高)÷ 前期売上高 × 100

大事なのは、単年ではなく、過去3年から5年ほどの伸び率の推移を見ること。そうすることで、その企業の真の成長力を知ることができる。
また、同業他社と比べることも重要だ。その企業の実力による成長なのか、業界全体で同じような傾向があるのかを判断できるからだ。

ROEは、Return On Equityの略称のことで、株主資本利益率(自己資本利益率)を指す。
株式を発行して投資家から集めた資金(自己資本)で、どれだけ効率よく利益を得られたかを判断するための指標で、企業の収益性を判断する目安となる。ROEが高ければ高いほど、将来、株価が高騰する可能性が大きい。

ROEは次の式から導き出せる。

ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

ROEを計算するには、企業の純利益と自己資本の財務情報が必要となる。上場企業の場合は財務情報の公開が義務付けられている国が多い。一方で、非上場企業の場合は、公開が義務づけられていないものの、個人投資家から開示を要望できる。それに応じるかどうかで、誠実な投資先として判断する目安になる。

海外の投資家が注目しているのもROEであり、10%を超えると多くの資金が流入してくる。それに先回りして投資しておけば、資金が流入してきたときに売却して大きな収益を上げることができる。

まとめ

ここでお伝えした4原則は、わたしが知識も資金もないゼロから始めて、海外成長株に100件以上投資する中で導き出したものであり、再現性のある有効なやり方だ。

最後に、それぞれをもう一度確認しておこう。

1. プロとの戦いを避ける
・プロの機関投資家は莫大な資金を先進国の大企業や、世界的に有名なテクノロジー企業に投資する。
・圧倒的な情報量と分析力をもつプロと同じ対象に投資すると、方針転換や駆け引きに巻き込まれて資産を失ってしまう。
・個人投資家は真っ向勝負を避けて別の投資対象を開拓すべし。

2. 安定成長が期待できて、外国人でもアクセスしやすい国を選ぶ
・中国、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピンは魅力的な国である

3. 安定成長が期待できて、外国人でもアクセスしやすい産業を選ぶ
・新興国で増加する中間所得層向けの、タバコ、食品・調味料、日用消費財、飲食、ITサービス、医療サービスは魅力的な産業である

4. 安定成長が期待できて、外国人でもアクセスしやすい企業を選ぶ
・売上高成長率やROEは、現時点だけでなく、過去3年から5年ほど推移や同業他社と比べることで、その企業の真の成長力と収益性を見ることができる

・投資対象として魅力ある国も産業も企業も、選定基準の本質はすべて同じである。

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最後に

結局のところ、海外成長株への投資において重要なのは、勇気や運ではなく、こうした基本をどれだけ忠実に守れるかだ。

面倒だと思われるかもしれないが、ぜひ、参考にして試して欲しい。

投資した海外成長株の価格が一つでも10倍になれば、たとえ他の投資でうまく行かなくても、投資全体の平均利回りが12%以上になることが多い。

基本の4原則を守り続けることができれば、あなたは近い将来、その成果に驚くことになる。

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