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”研究のはじめ方”の手引き(1)研究って、なーに?

noteで”大学院”と検索すると、「大学院に入学しました」の声がたくさん。

投稿を眺めて、なんだか昔の心境を思い出したようで、懐かしくなる。

と同時に、いささか心配になる、世話焼き・お節介・老婆心の私。

遡ること、4年前。学部からストレートで、それまで属していた大学とは違う大学院の修士課程に入学した。

「社会を良くしたい」的な理想は一丁前に持っていたけれど、そのために自分がどうしたらいいのかも、どうしたいのかも何もなく。正直、「きっとここにきたら何かわかるだろう」な気分で大学院に来た。来てしまった。

その後の地獄は、きっと、すでに大学院生の人たちなら想像できるだろう。

もしかしたら、新大学院生のなかに、どうしてその後が地獄なのかわからないって人もいるかもしれない。私と同じように、「きっとここにきたら何かわかるだろう」な気分で(※でも本人にとっては大真面目に)大学院に来た人もいるかもしれない。

そんな人たちに向けて、博士課程3年目に突入した”先輩”として、ほんのすこしのアドバイスのようなものをさせて欲しいと思う。
単なるお節介なんだけれど、でもたぶん、”学問・研究をする場所”である大学院での過ごし方を考える上で、大事なことだと私は思っている。

博士課程3年目に突入した”先輩”とはいえ、まだまだひよっこ学生。おまけに出来もそんなによくない。だからこそ、「もっとこうしておけばよかったー!!!」は人よりも多いと自負している。
その、私の「もっとこうしておけばよかったー!!!」のなかから、”研究”にまつわる初歩的な重要事項(主観です)を、記します

書いてみたら思いの外長くなってしまったので、連載です。(長さ・期間は未定です!)

初回の今回は、「”研究”とはなにか」です。

【補足】私の研究分野は経済学ですが、それ以外の分野も、細かいところは違っても大枠の捉え方は同じなんじゃないかなあ、と思っています。(違ったら、コメントしてくださいませ。)
また、記事全体での”大学院”や”大学院生”という記述は、法科大学院やアカウンティングスクール、MBAなどの”専門職大学院”をのぞきます。

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”研究”って、なーに?

”理系の研究”に関連しては、「新薬開発!」「新製品開発!」なんてニュースになったりしているのを見たことはあるでしょう。

テレビを見て、ほーと思うこともあると思います。
「なんか新しいものができたんだなー」と。

ニュースに出てくるような、理系の研究者に対しては、こんな感じで「研究者は新しいものをつくっているんだな」というなんとなくのイメージがあるかもしれません。

実は、このイメージは、ニュースにあまり出てこないような研究者ーー理系の中でも”基礎研究”と呼ばれる人たちだったり、文系だったりーーにも、あてはまることです。

研究者という人たちは、文系でも理系でも、応用研究でも基礎研究でも、「新しい何かを発見している人たち」、「新しい何かを発見するために勤しんでいる人たち」です。

すなわち、研究とは、ざっくりといえば「新しい何かを発見すること」、またそれに付随する一連の流れのことです。

「新しい何かを発見すること」は、「誰も答えを知らない問いを立てて、それを明らかにすること」とも言い換えられます。
そしてこちらの方が、”研究”というものを表すのに個人的にしっくりとくる表現です。

整理すると、

研究とは「誰も答えを知らない問いを立て、それを検証すること」

これは初めに言った、『研究とは「新しい何かを発見すること」』の具体化です。

大学院生は、この”研究”というものに片足をつっこみます。修士課程を修了するために必要な修士論文は、”研究”というものの成果物です。
だから、大学院生であったなら、最低でも一度は”研究”、つまり”新しい何かを発見すること”、”新しい何かにつながる問いを立てること”をしなくてはならないのです。

それは、社会人大学院生でも(修士論文という形の学術論文を課されているのであれば)きっと同じことだと思います。

サーベイって、なーに?:次回の投稿で

「研究を始めるにあたって、まず先行研究のサーベイをしましょう」
そんな言葉を聞いたことある人も多いかもしれません。

サーベイってなんなのでしょうか。なんのためにやるのでしょうか。

私は、サーベイとは”地図づくり”だと思っています。

この話は、また次回に。



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