やさしい日本語のススメ

みなさん、「やさしい日本語」をご存じでしょうか。
日本に住んでいる外国人や日本人の子ども・お年寄り・障害のある人などと、よりスムーズにコミュニケーションをとるために考えられた簡単で分かりやすい日本語のことです。
ここでは特に技能実習生が配属する企業の方へ「やさしい日本語」を知っていただきたいと思い、これを書いています。

やさしい日本語とは?

そもそもの発端は1995年1月にさかのぼります。
この時、何があったか覚えていますか?

そう、阪神・淡路大震災です。
私は青年海外協力隊に参加するため訓練所に入ったばかりでした。
場所は福島県二本松市。訓練に参加して1週間ほどでした。
ここで外界から遮断され、朝から晩まで語学や外国で暮らすための講義を受うけていました。
そのような場所でも当時の震災は大きく伝えられました。
(青年海外協力隊の候補者は派遣前に約70日間の訓練を合宿制で受けています。私が受けた当時は約3ヶ月でした。)

この時、地震が発生した現場では様々にたいへんなことが起こっていたことと思います。
今のようにインターネットも整備されていない、スマホもない状況でしたので、地震が起きてから情報を得る手段はとても限られていたと思います。

外国人にとっても、思うように情報が得られない、得られたとしても日本語が理解できない状況でたいへんだったはずです。
内閣府 防災情報のページ」によると、外国人の死亡率は日本人よりも高かったそうです。
そこで地震のような災害時に日本在住の外国人が困らないようにと考えられたのが「やさしい日本語」です。

やさしい日本語の現在

その後やさしい日本語が発展していき、現在用途によりいくつかに分かれています。

例えばここには4つ説明されています。
『やさしい日本語』について」(2020年オリンピック・パラリンピックに向けた多言語対応協議会ポータルサイト)
1.災害時の情報提供としての「やさしい日本語」
2.平時の情報提供としての「やさしい日本語」
3.観光ツールとしての「やさしい日本語」
4.報道のツールとしての「やさしい日本語」

詳しくはこのサイトをご覧ください。

やさしい日本語は必要?

外国人は2021年末で日本に276万人余りが住んでいます。約200の国・地域から来ているそうです。
人数はちょうど広島県の人口(2,762,803人 2020年8月1日現在)と同じくらいです。
こんなにたくさんの外国人が日本に住んでいるので、この人たちとどのように共生していくかよく考えないといけない時期に来ています。

外国人が日本で自分らしく生き生きと生活する手助けをするために、様々な方法でアプローチする必要があります。その手段の一つが「やさしい日本語」です。

自分から日本を選んできたんだから、「郷に入っては郷に従え!」と言う方もいると思います。
確かに日本に住んでいるのですから、外国の人々は日本語や日本のやり方を学ぶ必要はあるでしょう。それを学んだ上で、自分の今までの習慣と照らし合わせて、日本でどのように生活するかはその人(外国人)が決めていけばいいんだと思います。

日本で自分らしく生きることができるようにするためにも、日本人と外国人をつなぐ共通言語としての「やさしい日本語」が必要だと思います。

職場で「やさしい日本語」

ですので、技能実習生が入国後講習(入国後約1ヶ月の研修)を終えて職場に配属したら、職場の人々にはやさしい日本語で接していただきたいと思っています。

実習生が日本語を一所懸命に学ぶのと同じように、職場の方々にもやさしい日本語を学んでほしいのです。
そうすれば今までよりさらに深くコミュニケーションがとれるようになると思います。

「やさしい日本語」を具体的にどうやるか知りたい方は下記の動画をご覧ください。
『やさしい日本語』とコミュニケーション10のポイント

ここに10のポイントが紹介されています。
1.「~です」「~ます」で話す。
2.短く話す。
3.ゆっくり話す。
4.最後まではっきり言う。
5.あいまいな表現を避ける。
6.オノマトペ(擬音語、擬態語)は使わない。
7.敬語を使わない。
8.相手のことばをよく聞く。
9.ジェスチャーを使う。
10.やさしい気持ちでコミュニケーション。

今後「やさしい日本語」を職場でどのように生かしたらいいのか具体的なことを書けたらと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

参照:文化庁「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン

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