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児童本「ゴリラさんだめです」

「ゴリラさんだめです」
作、絵:キューライス
発行元:株式会社イースト・プレス
発売日:2019/06/19
ISBN-13:9784 7816 17930

まずもって、作画がとても好みです。
出てくる登場人物は「うさぎさん」と「ゴリラさん」。

「うさぎさん」が家の庭先で自前のとてもおいしそうな人参を栽培していると、突然現れた見た目からしてかなりガッチリとして大きい「ゴリラさん」が。
「うさぎさん」は「○○しないでね!」と伝えてもゴリラさんはそれを無視して迫ってくる。
ただでさえ、大きな相手が近くにいる事自体怖いのにそれがどんどん近付いてくるとなると我々人間も恐怖を感じますよね。

終いには「ゴリラさん」は「うさぎさん」にトドメの恐怖を与えてしまいます。
「うさぎさん」はどうなるのか・・・

この本は子供達にとても人気で、図書館で借りてきてからの2週間、ほぼ毎日と音読をさせられました。
この「ゴリラさん」、作中で一言も話しません。
「ゴリラさん」がどう思って何を感じて行動をしたのか、読者が推察するものでしょう。
「やだよ、やめてよって言ってるのに、うさぎさんかわいそうだな」
私は当初そう思いました。
喋っている側の方が気持ちは推察し易いですよね。
数回読むうちに、「このゴリラさんはどう思ってこの行動をしたんだろう」と疑問を感じるようになりました。
もしかしたら、話すのは恥ずかしかったのかもしれません。
良かれと思って行った行動かもしれません。
「うさぎさん」が育てている人参がとてもおいしそうに見えて、それを一緒に食べたくなったのかもしれないし、こうゆう風に食べる方法もあるよと教えたかったのかもしれません。
“話さない”という事は、感情も思考も伝わる情報は少なく、勘違いを生み易いですよね。
この本では最終的に「うさぎさん」は「ゴリラさん」に感謝を述べますが、ゴリラさんの行動を最後まで見守ってくれたうさぎさんの優しさによるものもあると思っています。
恐怖を感じながらも、何をするんだろうと見ていたうさぎさん。
何も話さないけれど、相手を想って行動していたゴリラさん。
読み聞かせのあとに、子ども達にぜひ、「どう思ったか」を聞くのも楽しそうですね。

イラストはキューライスさん。
哀愁漂う「うさぎさん」の困り顔と、大きな「ゴリラさん」の背中が表紙の絵本です。
ぜひ一度、読んでみてはいかがでしょうか。

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