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〝今、ここ〟でしか見られぬ景色を見てきた。~UNMANNED無人駅の芸術祭レポート③~

いよいよ最終章です!

締めくくりは福用エリア。

関口恒夫さんの『レインボーハット(※)』
※ハットは帽子でなく、小屋(HUT)

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小屋の手前に並べられた舟に水が張られ、水中に鏡を配し、太陽の光の反射によって小屋の中に虹を映し出すという作品。

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雨が降ったり日が陰っては虹は現れず、日や時間帯が違うことで目にする光景は異なるものになる、人為的であるものの自然との共演ゆえに生み出される作品。
そして、その場にいる人の体にも虹が映り込み(特に白っぽい服装だと映える)、鑑賞者も作品の一部になり、ますますその日その場限りを目の当たりにできる。

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関口さんが奏でる太鼓も音色もこの場にすごくマッチして、つかの間、非日常・異世界へ誘われていたように思う。

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締めくくりに、焚いていた火を消して、生じた煙に虹を映し出す様はさらに幻想的だった。

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関口さんが妖術使いのように思えたのは私だけ?笑

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小屋の外から差し込む光にも惚れ惚れ。


今回のこの芸術祭で強く感じたのが、どの作品でも、レポートのタイトルに掲げた「〝今、ここ〟でしか見られぬ景色」を見せてもらったなということ。

もちろん、作品は形になって展示・設置されているのだけれど、いわゆるホワイトキューブに展示される絵画や彫刻と違って、UNMANNEDの作品は見る瞬間によって必ずしも同じものであるとは限らないのが特徴だ。(しかも、それが例年以上に強かったように思う)

自然の太陽光を利用した作品は日ごと、時間ごとに生み出される虹の具合が変わるレインボーハット然り、

塩郷で見た栗原さんの『かみさまたちのまちじかん』も、訪れた人が手を加えることでわずかな時間でもオセロの状況が変わっていたし、
屋外の作品に関しては、風雨にさらされ、会期半ばで訪れた私が見た光景は会期初日に訪れた人が目にした光景とはおそらくなかなり違っていたと思う。

抜里の〝妖精たち〟との出会いはその究極で、あの時あの場所以外には決して見られなかった光景だろう。

作品だけでなく、滞在している作家にたまたま出会えたり、ほかの鑑賞者や地元の人との交流も含め、
たくさんの〝今、ここ〟でしか見られぬ景色を見ることのできた1日だった。
たくさんの奇跡的なめぐり合わせに本当に感謝したいし、そのきっかけを生み出してくれたUNMANNEDに感謝したい。


いよいよ明日まで!http://unmanned.jp/

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