4つの脳みその交わりで生まれたストーリー

                                        『漁師の花」 
                                                  written by さとこ・あかり・あやあん・あさこ

あるところに一人の漁師がいました。毎日海へでかけていき、一本のつりざおで魚を一尾釣ってきます。そして、必ず帰りに一本の花をつんでくるのでした。

その花は見たこともない花でした。真っ青で、海の砂浜のようにキラキラ光るのです。花は水につけるとすぐ枯れてしまいました。

ふと、水分がNGならば何をエネルギーとして生きているのか疑問に思いました。水が飲めない植物なんて聞いたことがないぞ。

漁師はその花が何をエネルギーとするのか見届けるため、日夜観察を始めました。水はもちろん与えず、栄養分の多い土を与えてみたり、花の周りに木の枝を細かくしきつめてみたり、色々なものを空気中に放ってみたり、真っ暗にしたり、逆に一日中、光を与えてみたり、やさしい言葉をかけてみたり・・・。

それでも花に変化はおとずれなかった。いつしかしおれ、漁師は悲しみにくれた。一体どうすればいいのだろう・・・

海のように青いから、やはり海に帰してあげたいと、あくる日漁師は花を連れて船に乗った。潮風がびゅんびゅんとしおれた花にあたった。

すると、花はみるみるうちに生気を取り戻し、まるでいま花開いたかのように生き生きと咲き誇った。
そうか、この花は海の上、そして漁師のそばにいることこそ、一番ふさわしいのだ。

(完)


9/17の『クリエイティブ・ライティング講座』のワークで創作したもの。
一人が考えたタイトルに対し、4人でリレーしながらストーリーをつくり上げました。まわってきた時に、タイトルと直前の人が書いたストーリーしか情報がないという手探り状態だったけれど、とても素敵な作品に仕上がって感動!!※ここにアップするに当たり、少しリライトしています。

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