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キーワード2:編集

やっとですが、2つ目のキーワード「編集」について。

フリーマガジンを作っているので、当たり前と言えば当たり前なのですが。
でも編集にはやり方というかバリエーションが無限にあり、
ゆえに、編集次第で扱うテーマや対象が、面白くも平凡にもなり得えます。

同じテーマを設定しても、
同じ人や店を取材するにしても、
編集次第で、見せ方は如何様にも変わりますから。

そのテーマをどう表現するか。
その取材対象の、どこに注目し、取り上げるのか。
カッコよく見せるのか、上品に仕立てるのか。
どういうカットの写真を使うのか、メイン写真はどのくらいの大きさで、どういうレイアウトで配置するのか。
デザインは明るい色味?落ち着いたトーン??
「ですます調」で書くか、「である調」にするか。

そのどれもが編集の一端を担っていて、それによって記事の、つまりは扱っているものの印象が変わります。
それはとても難しく、されど興味深く、毎回苦労してでもチャレンジする価値のあることです。

編集って集めて編むって書きますよね。
この「編む」ってところが、たぶん肝で、
そこに、編み方の個性や工夫が生まれるのだと思います。
ただ情報を集めて並べるだけの状態では、編集とは言えないのではないでしょうか。


『すろーかる』は、
巻頭の地域クローズアップはほぼ創刊時からのオリジナルの企画です。
静岡県内を細かな地域ごとにクローズアップする、それ自体が「編集」方法になっています。
そして中盤からの特集も、毎月様々なテーマを設定し、それをどのような見せ方にするか、デザインから写真の撮り方、文章の雰囲気まで含めて企画しています。めちゃくちゃ「編集」力をフル稼働しているのです。

私自身は突き詰めたら、文章を書くこと、言葉を駆使することが一番好きです。
少し前までは、〝取材をして、文章を書けていたら幸せだ~〟と思っていました。
でも、ある時〝編集こそ、面白い〟と思ったんです。

取材して、様々なことを見聞きして、感動して・・・そうやって自分が受け取ったものの中からどこに重きを置くか、自分が魅力に感じたことをどういう言葉づかいをしたら表現できるか。
また、その文章をどんな写真と組み合わせれば伝わるか、どんなデザイン・レイアウトにすれば目に留めてもらえるか。
デザインや写真の部分は私にはできないことなので、仲間の力に頼るわけですが、それらも全て駆使してより良い見せ方、伝え方を追求していく。

その「編集」にこそやりがいがあると感じるし、
フリーペーパーという広告掲載の媒体でありながら【雑誌=読み物】として親しんでもらえているゆえんがあり、
それを続けてきた私たちの一番の強みと言えるのではないかと思います。

これからも、「編集」にこだわったフリーマガジンを発行していきたい。
そしてもっと言えば、雑誌編集に留まらず、様々な場面で編集の力って発揮できると思うのです。
『すろーかる』を軸としながらも、もっと多角的に、静岡の魅力を伝え静岡の人に喜んでもらえる=静岡の自己肯定感を上げるための取り組みをしていきたいです。



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