コロナのご利益

新型コロナウイルスの感染拡大、全国への緊急事態宣言の発令に伴って、私の勤める会社、フリーマガジンの編集部も、4月中旬頃から活動自粛となりました。

それに伴い、ふだん毎月発行している我がフリーマガジンも、来月6月号は休刊に。
創刊当初、隔月発行の時期はあったものの、それでも『休刊』というのは初の事態です。

まさに〝前代未聞〟の事態が起こっているのだということを目の当たりにし、当然ショックを受けながらも、
不謹慎と言われてしまうかもわからない〝ご利益〟と呼びたくなるようなことを個人的には体験しています。

その1つが、
仕事があることのありがたさ。

私は「取材をして記事を書く」という行為がとても好きで、このフリーマガジンの編集という仕事に対しても日頃からやりがいとおもしろさを感じています。
とはいっても、毎月やってくる締め切りはなかなかハードだし、言ってみれば毎月同じサイクルでのルーティーンワークで終わりがありません。
スケジュール感だけに止まらない大変さも、ほかの様々な仕事と同様に、あります。
それゆえに、不満だってあります。
とかく忙しさ、しんどさに気持ちや思考が支配されすぎると、その不満ばかりに目がいってしまいがちだったりします。

それが今回、1ヶ月のサイクルがぱたりと止まってしまったわけです。
収束後、活動再開後のことを見据えて今できることに取り組んではいるものの、普段の動きを考えれば微々たるものです。
取り組んでいることも現時点では内側での準備レベルのことなので、社会に対して貢献しているというところまで至っていません。

正直とてももどかしく、空虚さを感じます。

そうして思い至ったのが、仕事があることのありがたさ、でした。
そこから逃れられないと、どこか厄介に感じていたルーティーンワークは、
言い換えれば「毎月安定的に仕事がある」ということ。
給料をもらえて生活ができるというだけの話だけではなく、
仕事=やるべきこと=社会に貢献できることであり、
それによって私は〝生かされている〟のだと思い知りました。

来週からは活動を再開することになったので、
感染対策については当事者意識を持ってきちんと取り組みつつ、
今回感じたありがたさを噛み締めるとともに、その恩恵を社会に還元していけるように誠心誠意、取材や編集活動に臨んでいきたいと思います。



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