虎ノ門ヒルズ
思いがけず東京旅行になったその日
僕は朝9時頃起きた。
午後から地元の友達と下北で遊ぶ予定ではあるが、午前中は予定がないので
いい機会に愛宕神社に行こうと昨日の夜
仕事帰りの電車で思い立ったからだ。
愛宕神社。
良く知らないけど、どうやら就職とかの際にお参りするなら
この神社がお勧めらしい。
どのサイトを見てもこの神社が一番上に出てきたくらいだから
かなり仕事運的なヤツに強いのだろう。
少し余談。
良く知らないけど、と書いたけど
俺はこの神社の読み方も知らない。
二文字目(宕)単体の読み方も分からないので
この神社の名称をスマートフォンで打ち込むことが出来ない。
この文章での「愛宕神社」って文字の羅列は
サイトで見た「愛宕神社」の文字をコピーして、それを貼り付けたものだ。
余談終了。
どうしてそんな名前の読み方も知らない、仕事運的な物が強い神社に行こうと思ったか。
理由は最近よく遊んでくれる人(以下Cちゃんとする)が3月から就活だからだ。
この日記を書いてる翌日(2/27)Cちゃんと遊ぶ約束してるので、
お参りして、ついでにお守りでも買っておこうと
なんとも安直な理由で愛宕神社に行く事にした。
神社の最寄駅は虎ノ門ヒルズという地下鉄の駅だった。
電車から降りて地上に登ると
そこらじゅうに小綺麗な高層ビルが立ち並んでいた。
どのくらいの高さから高層ビルと言って良いのか分からないけど
少なくとも僕の生活圏内である、国分寺〜高円寺感では見かけることのない
高さだ。
街全体も凄く小綺麗。
見かけてないけどこの辺を散歩する犬は
一匹残らず血統書付の小型犬で
一匹残らず服を着せられてる事まで容易に想像できる。
土曜日だと言うのに、すれ違う人達は皆
これから外資系の企業でパソコンカタカタ仕事をします
みたいな、小綺麗な服装をしていた。
少なくとも僕のように、全身古着屋で買った洋服を身に纏ってるような人間は
誰一人として見かけることは無かった。
一昨年、芝とか言うエリアに行った時も
こんな感じで高層ビルが立ち並んでいて、街が小綺麗だった事を覚えてる。
そこを訪れた際、俺はtetoの「高層ビルと人工衛星」を無限に聞いていた。
でも何故か今回は、永原真夏のBE△UTIFULを繰り返し聞いた。
高層ビルに見下されてるような感覚よりも
小綺麗なビル街を古着の革ジャンパーで歩いている事の誇らしさに
気持ちがヒューチャーされたからだと思う。
そいえばtetoを聞いた時は
洋服なんてクソほど興味がなかった。
好きな服を着てるから、こうして高層ビルや小綺麗な街や人に
勝手な敗北感を感じずに済んだのかな。
そうだとするとやっぱり洋服って単純に布を身に纏ってるだけじゃないんだな。
誰に対するでもない自分の惨敗感が拭えなかった頃、洋服に少しでも興味を持っていて
好きな服を着ていたら、少しは違ったのかな。
そして恐らくこの街を散歩してるであろう
俺の着てる物より高い服を着せられた血統書付の小型犬達は
tetoを聞きたくなるのか、まなっちゃんを聞きたくなるのかどっちなのだろう。
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