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King Gnuの「作品の奴隷」発言に見た、売れる人の思考法。

今日は、ふと思い出したある出来事について🖊
最初に断っておくと、これから書く内容はクリエイターやアーティスト、その界隈にいる方々にはもう常識というか、当たり前じゃん!という内容だと思います。
タイトルから「こういう内容だろうな〜」と想像がついていたら、多分その通りです。笑
ただ自分の中では結構衝撃的な気づきを得た体験だったので、ひとつのメモとして書いておこうと思います。

もう1年以上前になると思うんですが、ある休日。
楽しみにしていた「呪術廻戦0」を映画館へ観に行った私は、入場特典でもらった小冊子を読んでいました。
そこに主題歌とエンディングを担当したKing Gnuのインタビューが載っていて、映画を観て印象に残ったシーンは?などいくつかの一問一答が並んでいたのですが、その中にこんな質問がありました。

「アニメーションに楽曲提供される際、 心がけていることはどんなことですか?」

…どんなことなんだろう。
映画の内容とマッチするよう考えつつ、自分たちなりの想いや音楽性も織り交ぜるとか?
あるいは楽曲提供するからといって何か特別なことは意識しない、普段通りにやるだけです。みたいな感じなのかしら?
などと思いながら続く答えに目をやると、そこに書いてあったのは

作品の奴隷。

これだけだったんです。
これがもう、なんというか衝撃で。

これほどまでに売れているバンドが、タイアップの依頼なんてバンバン舞い込んでいるであろうバンドが、「作品の奴隷。」と言い切るほどにタイアップ先に寄せた音楽を創るのか…!と。

もちろん、タイアップである以上全く方向性の違う曲は創れないとは思うんです。
でもだいたいの雰囲気さえ合っていれば、あとは自分たちの好きなように、やりたいように曲を創っても良さそうじゃないですか…だってKing Gnuだよ…別に映画とバチバチにハマった曲が出てこなくても、誰も文句なんて言わないじゃないですか…

なのに、そこまでやる。
もうスゴいなと思ってしまいました。

これほど成功して知名度を獲得しているのに、ある程度自由にやっても許されるだろうに、作品の奴隷になる。
そこまでできるから「一途」「逆夢」という映画にぴったりの曲が生まれて、観に来た人の心を鷲掴みにして、またさらに人気になっていくのだなぁと…

私は音楽に疎いので想像に過ぎませんが、「自分たちがやりたい音楽」と「自分たちに求められている音楽」って、一致することもあると思うけどそうじゃないことも多いと思うんです。
そんな場面で「やりたいもの」よりも、「求められているもの」の方を優先できる。タイアップ先のみならず、ファンが何を求めているのか、世の中が何を求めているのか、それを汲み取ってばっちり反映できる。
だから売れるし、一発屋で終わらず売れ続けることができる人たちなのだなあ、と私はこの一言からひしひしと感じました。

私がKing Gnuのように若くして爆売れしているバンドマンだったら、絶対もっとエゴ丸出しになってしまう。
「今の俺の音楽を聞いてくれ!!」とばかりに好き勝手やってしまう。笑
だから「作品の奴隷。」と言い切る彼らが本当にカッコいいなと思いました。

ここまで書いて、「これネットで話題になってたりしないかな!?」と調べてみたら、ご本人がポストされてた!

常田さんの回答だったんですね。

この話って、ミュージシャンに限らずタレントやお笑い芸人、漫画家、作家、YouTuberなどなど、いわゆる人気商売の方にはみな共通する部分があるんじゃないかなぁと思います。
人々の注目を浴びている中で、自分はこうしたい、こう見られたい、こんなものを創りたい!!という溢れ出るエゴを抑えて、自分に求められているキャラを演じたり、期待されている作品を提供したりできる。
これは簡単そうで難しいことだと思います。

一般人の私でさえも、X(Twitter)で発信する中でこの難しさを日々感じています。
私の場合は美容やらファッションやら海外旅行やら転職やら時事ネタやらと呟きたいことが雑多にあり、日々あれこれツイートしているのですが。
転職関連のツイートが確実に反響が大きくて、何度か小さくバズったりもしていて。

自分に求められているものは明らかに転職関連の情報であり、ストイックにそれだけ呟いていればフォロワーも増えるだろうなと分かっているのですが、全然できません。笑
もちろんそれで収入を得ているわけではないから、というのもあるとは思うのですが…
転職以外のネタは反応がないと分かっていても、今日の服可愛いー!!とか焼肉食べ過ぎて苦しいー!!とかそういうのも呟きたくなってしまうし、実際呟いてしまいます。
絶対にエゴが出てきてしまうんですよねぇ、、

なんだかとりとめもない感じになってきましたが。
売れている人はやっぱすげぇな、というお話でした。

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