虐待経験者のドキュメンタリー映画制作から学ぶ 『こどもセーフティラボ』(ゲスト:ACHAプロジェクト代表・山本昌子さん)
5/13(金)に、子ども虐待防止について考える勉強会『こどもセーフティラボ』を開催しました。
『こどもセーフティラボ』は、2018年7月から不定期で開催している官民有志の勉強会です。「こどもが安全な環境で、安心して生きていけるよう、多角的な知恵を集め、こどもと親にとって必要な取り組みを実践・発信していくこと」を目的に行っており、サイボウズ社長室のメンバーも運営に参画しています。
今回の勉強会でお話を伺ったのは、
ボランティア団体ACHAプロジェクト代表山本昌子さんです。
今回は、山本さんが現在撮影している、来年公開の映画についてご紹介いただきました。
●映画について
山本さんは現在、虐待を受けて施設などで育った若者に密着したドキュメンタリー映画「REALVOICE(リアルボイス)」の制作中です。
きっかけ
コロナ禍で振袖撮影が難しくなった一方、山本さんは衣食や居場所の支援拠点「まこHOUSE」を開きます。全国の若者とオンラインで交流するなか“虐待の後遺症の影響の大きさ”に驚き「虐待は保護されて終わりじゃない」をテーマにメンタルケアの拡充を求める署名活動を実施。2021年7月に4万7403筆を厚労大臣に提出しました。さらに若者の声を世間に伝えたいと感じドキュメンタリー映画の制作を決意しました。
山本さんだからこそ、撮影できる映画
①山本さんと関係性があることで、自分の想いを伝えたいと思える人が多い
②日本全国の仲間たちに直接会いに行き声を聞くことができる
③メインキャストは明るい子を選び、「え?この子が虐待受けていたの?」という、2面性という部分で光と闇を見せる事ができたらと思う
伝えたい事
全国の人、現場で働いている人には特に見てほしいと思っています。
一般の方々に伝えたい部分としては、虐待は大人になったら終わりではない。威圧的、暴力的な環境での子育てが与える影響について「リアル」を知ってほしいです。若者たちが伝えたいことは様々です。親を憎んでいる人もいれば「虐待だと思ってない」「親を助けて欲しかった」と発言する人もいます。
参加者からの質問
Q:私たちが映画を見て知った後にできるアクションは何かあるのか。
A:アクションは難しいなと思うが、まず知られていないのが現状です。虐待がニュースや記事になっている中で、経験した体験が伝わっていないことに対して、もどかしさを感じます。虐待について「甘え」と受け取る人もいる中で、映画を見てもらうことで、事実を受け取ってほしい。リアルに感じて欲しいです。
同じことを繰り返さない。ということを目指しています。
Q:当事者で声を上げる人が増えていて素晴らしいと感じるが、自分の気持ちを表現する、気持ちに気づく子が少ないなと思っています。声を上げられない子が発信したり、気持ちに気づくことがどうしたらできるのでしょうか
A:私(山本さん)と出会って、施設出身ということを言っていいんだと感じている子も多いです。発信を悩みつつ、発信したりストップしたりと、本人のペースでやっている子もいます。
発信するほどではなく、感謝したり、恨んでいたりするわけではない子は発信自体をしていないこともあります。
山本さんの活動
ACHAプロジェクト
Youtube
最後に
私は山本さんのYoutubeでの活動である「THREEFLAGS-希望の狼煙-」を登録していて拝見しています。Youtubeの中でも「リアルな声」を普段から発信されているのが印象的ですが、今回のお話でも「リアル」という言葉を何度も使われていたのが印象的でした。
サイボウズが取り組む『児童虐待防止』の取り組み
サイボウズでは、自治体の児童虐待防止チームに情報共有ツールを提供するなど、2018年6月から児童虐待防止にむけた取り組みを行ってきました。
虐待防止に向けた勉強会を数々開催しており、今回の『こどもセーフティラボ』もその一つ。
子どもが安心して、健やかに暮らすためにどうすれば良いかー。
さまざまな虐待から守るためにできることを、今後も考え続けていきたいと思います。
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