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~いい男に服作ってもらいたい~映画「尚衣院サンイウォン」

いい洋服は私を、とりわけ女を守ってくれるといつも思っている。一緒に世の中で戦ってくれる身につけられる最強の味方だ。

洋服には間違いなくオーラがある。一流メゾンの洋服はそれを多分にまとっている。だからそれだけの金額がするのだろう。
ただ、洋服が値段だけでもないのも事実だ。
一流メゾンの洋服だって自分に合うとは限らない。自分にピッタリ合う洋服は袖を通した瞬間にわかる。身体が喜ぶし、粟立つ。呼吸が楽だし、体温も上がる感じ。逆に身体にあわない服はムズムズして、すぐにでも脱ぎたくなる。

既製服でもそうなんだから、オーダメイドの洋服というものはどんな気分なんだろう? これはそんな服にまつわるお話。
王室の衣服を作る部署、尚衣院(サンイウォン)が舞台。サンイウォンでは、伝統に基づいて王様や王妃様、王宮に纏わる人々の衣服が作られている。

☆ここからはあらすじを抜粋。

サンイウォンを取り仕切るドルソクは、その功績が認められ、6ヶ月後には両班となることが約束されていた。ある日、王の衣服を誤って燃やしてしまった王妃は、巷で天才仕立師として話題を集めていたゴンジンの存在を知り、王宮入りを命じる。王妃の美しさに心奪われたゴンジンは生まれながらの美的センスと才能を発揮させ、たちまち王宮で活躍するようになる。王妃に対して無関心だった王は、美しい衣服を纏った彼女に惹きつけられるのと同時に、嫉妬に駆り立てられていく…。

このゴンジンさんがとっても色気のあるオトコなのです。無邪気でワガママ。そういった人が持ち合わせる究極の人たらしでもある。さらには洋服を作るセンスも熱意にもあふれていて、人を、とりわけ女性に喜んでもらう服を作ることが自分の喜びでもある。

そりゃモテますわな。芸妓や娼婦のお姉さまたちがみんな彼に転んでます。しかし、彼は絶対に結ばれることのない王妃さまに一目惚れ。しかも、本気だからタチが悪い。

さて、一方の王妃さまは、先代の王様が亡くなったことで、現在の王様の妃となっている。絶世の美女と言われる王妃さまなのに、現在の王様からはまったく求められることがなく、つらい日々を過ごしている。

王妃さまは厳しい戒律の中で生きてきて、男性と直接言葉を交わす機会もなく、処女という噂まである。純情な処女…。ん??ちょいとお待ちなさい。純情……はひとまず置いておいて、こちらの妃は確か先代の王様の妃だったんですよね。それなのに処女?おかしくないかい?映画でもスルーされてたけど、気にかかる。

さて、話が脱線しましたが、この映画のなにが素晴らしいかって、美しい王妃さまに惚れてしまったゴンジンの作るドレスの数々!
才能のあるオトコが、絶対に結ばれないオンナのために作る美しい衣装。本当にどれもウットリ!!

王妃さまが色々な陰謀に巻き込まれていく中、彼女を守るために不眠不休でドレスを作るゴンジン。しかもイケメンでモテ男…たまりませんなぁ。
オンナなら一度でいいからそんなドレスを着てみたいもんですよ。

☆ここからネタバレします!



っていうか、このあらすじ、誤解を生まない?ネタバレを防ぐためにあえてこう書いてるのかな?

王妃に対して無関心だった王…。

これって逆やんかーーい?(おっと、興奮して大阪弁が出ちゃったよ)
今の王様は、兄である先代の王が王妃選びの際に立ち会っていて、何人もいる美しい妃候補の中から今の王妃様に一目惚れしてたやん!兄はその弟の気持ちがわかって、自分の権力を見せつけるために自分の妃にしたはず!!
しかも兄は弟の欲しがるものは全て手をつけるから、妃が処女だったなんてありえない!

DA・YO・NE!!

先代の兄が亡くなって、自分が王になっても王妃様は変えなかった。憎き兄の妻…だけど惚れている。でも、素直になれない。自分の物じゃないから。美しい妃は兄のもの。。
このジレンマが話の核のひとつなのに⁉︎無関心どころか、関心バリバリでっせ〜〜!

ちなみに王妃様も、今の王様に会った時に淡い恋心を抱いていたはず。王妃が王宮にやってきた時も、今の王様が王妃のことを好きすぎて王妃の周りをチョロチョロするのも、好意的な目で見てたもん!!
これで今の王様に好意がなかったとしたら、ただの自分が美人で自惚れてる女でっせ。
「あの弟、また見に来てるわ〜。困るわ〜。(まっ、私がキレイだから仕方ないっか)」的な感じ。そんな女だったらストーリーが変わってくるわ!

というわけで、無関心だったはないわぁと思ったのは私だけ?

しかも、処女って〜〜〜!!(蒸し返してみた)

#映画 #映画評 #映画コラム #尚衣院



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