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映画『パーティーで女の子に話かけるには』

はい!来ました。年末にサブカル界の大物がやって来ました。あの伝説の名作映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のジョン・キャメロン・ミッチェル監督の最新映画です。タイトルが『パーティで女の子に話しかけるには』だって。なんてキュートなタイトルだ。こんなチラシを見せられたら行かずにはいられないね。か……かわいい。このピンクの色遣い、たまらんよー。

1977年のロンドン。パンクロックと空想をこよなく愛する内気な少年エン(アレックス・シャープ)。彼は友人たちと偶然潜り込んだ怪しいパーティで、どこか不思議な雰囲気を持つ美少女ザン(エル・ファニング)と出会い、ふたりはすぐに恋に落ちた。彼女の正体は実は遠い星から来た宇宙人だった。ザンには仲間たちが決めた掟があるため、自由がなく、二人に許された自由時間は彼女が故郷の星に帰るまでのたった48時間だった。

とにかく宇宙人のザンがまぁ~魅力的。見事なまでの小悪魔感。誰も勝てない。無敵!小さな顔に金色の髪。透き通るような肌。折れてしまいそうなくらい華奢な手足。そこにキュートすぎる笑顔がのっかってくる。こりゃ誰でも恋に落ちますわ。「宇宙人って設定ないわー」と最初は思うのだが、エル・ファニングが演じると納得できてしまう。おそろしい子である。

ザンは宇宙人であり、コロニーを守るために様々な掟がある。しかし、好奇心旺盛なザンにはその世界が小さすぎて、窮屈すぎるのである。その象徴として自分の服にハサミを入れるシーンがある。ザンはそうすることによって古い慣習から飛び出し、自分の世界を見つけようとする。そして運命の人と出会う。

エンは内気な性格のため、パーティで女の子に話かけるも失敗。心の中には熱い気持ちも、そして溢れんばかりの豊かな想像力もあるのだが、普通の女の子には通じないよう。

そんな二人が運命的な出会いによって恋に落ち、無敵の二人になるのです。Boy meets GirlそしてGirl meets Boyです。もう、たまりません。若いっていいねー。こんなふうに何も考えずにまっすぐに恋できたらいいね。それがたった48時間でも二人にとっては永遠の48時間になるはずだ。

映画自体は『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のジョン・キャメロン・ミッチェル監督らしさがあふれており、前衛的でエキセントリックなシーンも多く、意味不明というシーンも多くある。ただ、どのシーンも美しく、前衛芸術や舞台を観に行った気持ちにさせられる。 

私は楽しく見させてもらいましたが、賛否両論分かれる映画でしょう。意味がわからない人にはまったくわからないと思う。制作サイドはそれもわかって作っているんだろうから、それでいいんです。みんながみんな良い!という作品は疑った方がいいもんね。

相手のことをまっすぐに見つめて信頼する。それだけのことが、いつからできなくなったんだろうね―(おばちゃん、遠い目になるわぁ)。

#映画 #感想 #コラム #パーティーで女の子に話しかけるには #047

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