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豚汁に花を浮かべる

「とんじるイヤ!たべない!」

幼児食が面倒くさい親こと、私は大いに困っていた。
2歳の息子がなぜか豚汁を嫌がるようになってしまった。

豚汁は肉と野菜と汁ものが同時に摂れる完全栄養食として我が家は重宝していた。
ホットクックに材料を入れれば25分で出来上がる手軽さで何かと忙しい月曜日の定番メニューとなっていた。

(本当はカレーを日曜日に作るという手段を使いたいのだが、息子が通っている保育園の給食は月曜日がカレーなのである)

2歳児の言語能力では何がお気に召さないのかよく分からない。
ちなみにに最初の一口を拒否するだけで、何とか一口入れたら後は普通に食べるのである。
つまり味ではないらしい。
よって試行錯誤の日々が始まった。

1.呼び名を変える
私「芋煮できたよ~」
息子「いもにイヤ!とんじるたべない!」
私(バレてる…)
※宮城県民が芋煮と呼ぶメニューは豚肉に味噌ベースの汁物である
 私は宮城県民なので、豚汁と芋煮の違いについてdisっているわけではない。

2.豚肉を全面的に押し出す
私「ぶたじるできたよ~」
息子「ぶたじるイヤ!とんじるたべない!」
私(ダメか…)
※豚肉を増量し、上に乗せた

私と夫の家族会議が始まった。
主に夫が豚汁を作ってくれるので、彼にとっても死活問題である。
やっぱり見た目なのではないかという結論に至った。
豚汁は茶色いから、見た目に気を使った保育園の給食とのギャップを感じているのかもしれない。
なので、豚汁の見た目を良くする何かを足せばいい気がする。
アンパンマンおうどんにのっているようなお湯でもどるカマボコみたいなものが良さそうである。
紅白カマボコでも良いかもしれない。
豚汁の日(月曜)が迫ってきているので、夫に何か良さそうなものを近所のスーパーで買ってきてもらうことにした。

「これしか良いの無かったんだ」

夫は花麩を浮かべた豚汁を爆誕させていた。

着色していないお麩の味噌汁のレシピはある。
しかし、ピンクと緑の可愛らしい花麩はシンプルなすまし汁に浮かべてこそ、その色彩を楽しめるような気もする。
具でごった返す豚汁に浮かべられて不本意な顔(というか色)をしている。

3.豚汁に花麩を浮かべる
夫「ふわふわ汁できたよ~」
息子「ふわふわ!やった~!!」
私(それでいいの?!)
※普通に豚汁を作った上に一口大に切った花麩を浮かべた

息子が花麩が好きなのか、見た目の変化が新鮮だったのか、ふわふわ汁というネーミングが良かったのか、真相は分からないがとりあえず一安心だ。

味は普通の麩のお味噌なので大丈夫である。
大人は花麩に七味をかけると汁のじゅわっと感に辛味が合わさって美味しい。

会話がもう少しできるようになった時もふわふわ汁を好んで食べていたら、彼が恥をかかないよう、この汁物はメジャーではないことを伝えようと思う。

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