地方で買える!安すぎる?「セリアのガラスペン」を使ってみた
通常ガラスペンは、輸入品を取り扱うメーカーで安くて税込2000円ぐらい、ガラス工房製作のシンプルなデザインの物で、安いものだと税込3000〜円ぐらいの価格がつけられている。
そんなガラスペンがセリアで税込110円で売られているらしい。SNSで話題になっていたので、早速試してみた。だって110円だし。
【最終更新:2024年4月19日「実際に書いてみた」】
ガラスペンとペンレスト
ガラスペンは軸の色がクリア、ピンク、パープル、ブルー、イエロー、グリーンから選べる。ペン先の太さは選べず、個体差がある。SNSで実際の購入者のレビューを見ると、万年筆の太さで例えた場合、中字〜太字相当にあたるようだ。
ちなみに私の購入したものは太字にあたる。
ペンレストは、クリア、ピンク、ブルー、グリーンの4種類。ひょうたん形をしており、くぼみにちょうどガラスペンの軸がおさまるようになっている。
ガラスペンが入っていたケースは捨てない
注意してほしいことが、ガラスペンが入っていたケースは捨てないことだ。全体がガラスでできたガラスペンは、しまう場所に困るだろう。110円なのに110円以上のケースを購入するのもなんだかなぁ……と考える方も多いと思う。
その場合、ガラスペンを購入したときに入っていたケースに保管するのが無難である。
▼うっかりケースを処分してしまった方はこちら。セリアのアイテム2点でペンケースが作れる。
キャップが硬いので注意
ガラスペンのペン先にはキャップが付いているが、これが結構硬い。ペン先が折れたら使えなくなってしまうので、慎重に引っ張ってほしい。
だからといって、キャップを切ってしまうとペン先を保護するものがなくなってしまう。うっかり切ってしまった方は、クツワの「プニュクリップ」がおすすめ。税込198円で買える。
ガラスペン用インク
インクは、ブラック、セピア、チェリーレッド、コバルトブルー、ターコイズブルーの5種類。私が購入した店舗には、チェリーレッドのみ残っていた。
注意書きに「※インク補充式の万年筆やボールペン等には使用しないでください。」と書いてある。あくまで、ガラスペン用のインクなのだ。
ふたを開けると、中ぶたが付いている。開ける時にインクが指につくので、ティッシュなどを用意しよう。
一緒に購入するといいもの
セリアでガラスペンと一緒に購入するといいものを紹介する。
プラスチック製のコップ
まず紹介するのは「プラスチック製のコップ」。水を入れてペン先を洗浄するのに使う。なぜプラスチック製をおすすめするかというと、ペン先をコップの先にぶつけてしまったとき、ガラス製よりはペン先が欠けにくいためだ。どちらにせよ、強く打ち付けたらペン先は欠けるので気をつけてほしい。
ちなみに透明のもの選んでおくと、洗浄のときに、水に溶け込むインクが見れる。
やわらかめの歯ブラシ
ペン先にインクが入り込んでしまった場合、「やわらかめの歯ブラシ」でこすると取れる。それでも取れない場合は、食器洗い用の中性洗剤を付けて歯ブラシでこすってみよう。
「ガラスペンしか入荷してない」という方におすすめするアイテム
セリアのガラスペンアイテムは、人気商品のため欠品している場合がある。「ガラスペンが使いたいのに、他のアイテムが売ってない!」という方のために代替えできるものを紹介しよう。
インクが売っていない
まずはセリアで買えるものをご紹介。
墨汁
透明水彩を水で溶いたもの
墨汁や透明水彩を出す、パレットや絵皿
透明水彩を溶くための筆
ガラスペンはつけペンの一種なので、これらの画材が使える。墨汁と透明水彩の種類によっては(透明水彩の顔料の割合は、ものによるのでこの記事では割愛)顔料という乾きやすい着色剤をつかっているので、使ったらすぐに洗浄すること。
ガラスペンのパッケージに書いてある「使用上のご注意」では「ガラスペン用のインク(別売)を使用してください。」と書いているので、あくまで自己責任で試してみてほしい。
エルバンのインク
もうちょっと予算を出せるけど、地方なのでボトルインクが売ってないよ!という方にはネット通販でも買える「エルバン トラディショナルインク」がおすすめ。
フランスのインクとシーリングワックスの老舗ブランドで、ガラスペンも作っている。全35色とカラーバリエーションが豊富なので、見ているだけでも楽しい。
ペンレストが売ってない
セリアのガラスペンの軸は丸いため、ペンレストがないと転がってしまう。そのため、代用品としておすすめしたいのが「箸置き」である。間にくぼみが入っているを選べば、安定して置けるだろう。
実際に書いてみた
ガラスペンの書き心地はなめらか。私は左利きのため「押し書き」だが、とくにペン先のひっかかりは感じなかった。インクの出かたはムラがあり、インクを付けた直後は多めに流れ、途中でインクが薄くなってしまう。
私の場合、この一枚を書き終わるまでにインクを4回付けている。
SNSで実際の購入者のレビューを見ると、ペン先にかなり個体差があるらしく、当たりを引くと結構書けるようだ。
インクは鮮やかな発色で、濃淡も美しい。インクそのものは使いやすいので、中ふたを開けるときに、インクが指に付くことがおしいポイントである。
【追記:2024年4月19日】
ガラスペンが再入荷したので、2本目を購入してみた。
今回はインクの保持量が良いものを引いたようだ。上の写真の書写は、インク1回付けですべて書けた。
よく見るとペン先の溝の入り方が違う。2本しか試してないので、あくまで参考程度に見てほしい。
「セリアのガラスペン」をオススメできる方・できない方
オススメできる方
とにかく安価にガラスペンをお試ししたい方
子どもと一緒にガラスペンを使ってみたい方
何かと物が壊れやすい方
やはり圧倒的な安さがポイント。学生さんなど、予算がない方には気軽に試しやすいだろう。また、子どもと一緒にガラスペンを使ってみたいけど、高いものは壊したときにショック……という方にもオススメできる。
あと、筆圧が強い・ガラス製品を落としがち……という方にも、安価に手に入るガラスペンはチャレンジしやすいだろう。
オススメできない方
予算のある方
高いアイテムの方が慎重に扱える方
ガラス工房さんが手がけるガラスペンは、「ハガキ1枚分・インクの出かたが一定」で書けるものが多い。また、握ったときの重心バランスもよく考えて作られている。
予算のある方は、ぜひ良いものから手にしてみてほしい。「ガラスペンってこんなに書けるんだ!」という感動が待っている。
また、安いアイテムだと雑に扱ってしまい、高いアイテムの方が慎重に扱って長持ちする方は、投資だと思って初めから予算をある程度出した方が、最終的な満足度は高いだろう。
気軽に話題のガラスペンを試してみよう
私は地方在住なので、数年前は、大きい都市まで出かけないとガラスペンは購入できなかった。しかし、最近のガラスペンブームのおかげで、書店、そして100円ショップのセリアで購入できるようになり、気軽に始められるのはいいことだと思う。
興味が少しでもある方が「こんな溝からインクがちゃんと出るんだ」という体験をしてみてほしい。面白いな、楽しいな、と感じた先に、新しい扉が開いているはずだ。
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文具マガジンやっています。文具レビューが気になる方はどうぞ。
▼初心者向け「ガラスペン」記事まとめはこちら。おすすめの書籍や使い道まで、幅広く紹介。
▼ガラスペンが気になったけど、具体的な使い道が思い浮かばない方はこちら。
noteがきっかけで取材を受けました
宮城県の河北新報社が発行するフリーペーパー、河北ウイークリーせんだい様に取材していただきました。巻頭特集“「書く」を彩る”にて、ガラスペン・書写好きのライターとしてお話しています。
取材のきっかけは、X(旧Twitter)にてガラスペンで朝活書写のお題を続けていたこと、ガラスペンについてまとめたnoteを読んでもらったことです。好きなことは定期的に発信するものですね……。
河北ウイークリーせんだい 2023年9月14日号の配布は終了していますが、「河北新報オンライン」で記事が読めます!
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