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土汚れのいいアクセントが利いていて白よりもっと美しい白(なんでもない日に短歌でタイトルをつける日記5/27~6/2)

好きな歌集から短歌を一首紹介しつつ、毎日の日記を書いています。
週のタイトルは自分で詠んだ短歌になります。

5月27日

マジっすか、やばいっすねと応えつつこころは雨の花へ寄り添う

『ビギナーズラック』阿波野巧也

昨晩は早寝して朝活!と意気込んでいたが、蒸し暑すぎて眠れず、夜中にドラマを見たり、何度も起きたりしてしまった。結局あまり眠れなかったので、朝も6時に起きたものの体が重いまま。もうこんな暑苦しい夜は過ごしたくないので、朝からエアコンのフィルターを洗った。もうぼちぼちエアコン我慢を諦めようと思う。

仕事終わりのジムで、まさにゴリマッチョと呼ぶに相応しいトレーニーが筋トレしながら、BUMP OF CHICKENの『天体観測』を熱唱していた。

マジっすか。ヤバいっすね。

いや、ヤバいって言うか、怖いのよ。もう。
しかも、音痴なぼくが言うのもなんだけど、ぜんぜん歌ウマくないし。

今後、ジムに行くときはこのゴリマッチョ熱唱ニキとともに筋トレをしなきゃならないと思うと、なかなか憂鬱だ。

28日

小一時間煮込んだあとのおとうふにわたしをぜんぶぶつける覚悟

『てんとろり』笹井宏之

覚悟があるのかないのか、わからない短歌。

威勢を張ろうとしたものの、ごにょごにょと曖昧な発音で、 ぶつかる対象として豆腐を選択したのだろうか。

でも、1時間も煮込めば熱々で、少々危険なんじゃなかろうか。

でも、よくよく考えたら、1時間も煮込めばそもそも豆腐は原型をとどめてないんじゃなかろうか。

この心境は、今の僕に似ている。

新しい職場にきて3週間が経過したが、まちがいなくいい職場である。それは間違いないが、続くかどうかはまた別の話。今はまだ研修期間。
本格的に忙しくなったときに、問題なく続けられるのか。自分の能力に不足はないのか。まだまだ不安ばかり。 とりあえず、コールセンターに戻ることだけはないようにしたい。

週末の朝散歩宣言から、雨続きなので、全く実施できてない。
明日は晴れそうだし、とりあえず、早く寝よう。

29日

後悔と苦悩を乗せた神の舟だからあなたの手は握れない

『あなたのための短歌集』木下龍也

毎週のように触れているけれど、『響け!ユーフォニアム』がおもしろい。アニメも小説もおもしろすぎる。主人公の久美子の周囲にいる3人の友だちは主人公の悩みの鏡になっていて、その様子がアニメでもなんとなくはわかると思うけれど、小説を読むとありありと伝わってくる。

才色兼備の高坂麗奈は、主人公の親友でありながら羨望の的。久美子と違って進路や将来についてもハッキリと見据えている。その高坂を三角形の頂点に、恋愛の感情表現がストレートな加藤葉月、音楽にも人間関係にも迷いがなく率直に見える川島緑輝という3人のフォーメーションがある。加藤は吹奏楽は素人で、川島は見た目や振る舞いが幼いこともあり、久美子が2人を見下すようなことはないものの、その空気感を絶妙にはらんでいる。
彼女たちを通して久美子の意識は常に自分に跳ね返ってくる。これはやっぱりアニメである前に文学だったんだと納得する。

女の子の4人組というキャラ配置だと、どうしてもキャラの描き分けみたいなところに目がいくし、その辺はやっぱりアニメの得意分野なんだけど、そのアニメには強固な下地があったということ。

そして、高校3年生で部長にもなり、成長したかに見えた久美子の前に、新たな自意識の鏡として、強豪校からの転校生クラスメイト、黒江真由が現れる。このアニメ第3期の展開が良すぎて、思わず唸り声をあげたくなる。

短歌はなんとなく黒江真由視点で選んでみた一首。気を遣ってばかりで吹奏楽部の輪の中に積極的に入ってこず、演奏においても部内オーディションに参加せずに「ソリ」の役目を久美子に譲りたい黒江と、そんな彼女に頭を悩ませる久美子。ただ、深淵を覗くとき深淵もまたこちらを覗いているのだ。久美子があっけらかんとした明るい部長だったら、黒江ももう少し気を使わずに済んだはずだと思う。

互いに気を遣い合うからこそ、あなたの手は握れない。視聴者がどれだけ主人公の悩みを内在化しても、黒江視点にも共感せざるを得ないところがあって、やっぱり唸る。小説もはやく全部買わねば。
うおー。第8話もっかい見よ。

30日

とんかつがパフェにささっているものは二十一世紀の味がする

『ビギナーズラック』阿波野巧也

疲れた日は意味不明な短歌を選ぶことにしている。いや、この短歌は意味はかなり明確だったか。強いて言うなら、この短歌を詠むに至った経緯が意味不明だ。実際に、意味不明でただひたすらハイカロリーなメニューに遭遇した記録かもしれんが。

あすけん先生に記録しはじめてから気づいたことだが、ぼくは案外脂質を摂っているらしい。炭水化物は減らす必要があると思っていたけれど、脂質も摂りすぎってのは想定外だった。とりあえず今後は、とんかつパフェやめます。知らんけど。

31日

ときめきは抱えておくと毒になる果実はみんな傷から腐る

『水上バス浅草行き』岡本真帆

最近は、以前から見ている古着関連のYouTubeチャンネルに加えて、ストリートスナップやセレクトショップの動画まで見てしまっているから、もはや病気だ。

絶対にこのブランドというのがない限り、今さらアパレル業界に戻りたいと思うこともないだろうが、とはいえ他人のスタイリングを見るのはおもしろい。不満があるわけではないが、今の職場はいわゆるオフィスカジュアルで着こなしに気を使っているような雰囲気はまったくいないから、180度違う世界。
だから、それこそあんまりその手の動画を見すぎると、やがて羨望になって、その中で不満が爛熟しかねない。
ときめきは発散しなければならない。

今日は午前中に急にお腹が痛くなった。仕事の間を見て何度かトイレの個室に座り込み、帰宅途中にもトイレを見つけては何度か駆け込み、個室の中で大量の下痢と屁を放出することで、やっと回復した。なにか腐ったものでも、口にしただろうか。わからん。

6月1日

曼珠沙華の白を両手にほぐしつつここに戻ってきてほしかった

『カミーユ』大森静佳

戻ってきてほしかった、というか、実際にまた戻ってきてしまったんですが、ついに明日はチャンピオンズリーグのファイナル。23-24シーズンのヨーロッパフットボールもこれにて閉幕。その先に控える、ユーロ2024は追っかけるとしんどいのであまり見ないつもり。そもそも日本では放送があるか、まださだかではないし、仮に放映権を取った配信サービスがあったとして、サブスクがいくらになるのかってのもある。

あと、年齢的にも出勤を控えた前日の夜更かしと出勤日の早起きはいい加減しんどい。サッカーオタクも30代後半になると、わりと離れていく人が多いなかで、ぼくはあと何年、これまでと同じように見続けるのか。日本代表が出るW杯なんかはまだがんばって見ようと思うが、まったく関係ないユーロはもうそろそろきつい。

ユーロを見るのはきついし、クラブレベルのフットボール観戦もコロナ禍以降ぼちぼち離れようかと何度か思い悩んだりしているところだが、ぼくが好きなレアル・マドリーとインテルは最近かなりポジティブなので、気分がいい。まだまだ目を離せそうにない。
先週に引き続き、今日も必勝祈願で山に登った。

6月2日

人類の芋になりたい日曜日骨壺抱いて恥を味わう

『くるぶし』町田康

早朝にチャンピオンズリーグのファイナルを観戦し、1時間ほど二度寝ののち朝はじゃがいも掘り、昼は15時から町田康さんの『くるぶし』刊行記念トークイベントを聴きに行って、夕方はジムで筋トレ。さすがに疲れた。というか、せっかくのトークイベント中に睡魔に襲われ、クラクラしてしまった。お恥ずかしいばかりです。

とりあえず、マドリーが勝ってよかった。


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