「ドント・ウォーリー・ダーリン」、シャマランだったらもっと面白くしただろうけど、オリビア・ワイルドなので、面白いだけでない映画になったのはとっても良かった気がする。
自分の周りでイマイチ評価が低かったオリビア・ワイルドの新作「ドント・ウォーリー・ダーリン」ですが、なかなかネジレた感覚が湧き出てきて面白かった。
おそらく、前作のブックスマートの延長線上を期待してた人が肩透かしを食らった、もしくは映画の設定的に無意識にシャマラン脳が稼働して物足りないなーとなった人が、からい評価をつけてるのかなーと思いました。
私も、ある程度のシャマナニストなので、前半の卵の中身がカラだったりするあたりから、「うーん、なんだかちょっとつらい。ハプニングあたりの不調なシャマランみたい」とおもったのですが、後半はそんなのが気にならなくなるほど、もう一つの設定にのめり込んでました。
それが、前提としてのマッチョ。おそらく50年代とかの「男は外で、女性は家事」みたいな女性の檻としての郊外、みたいなわかりやすくドギツイ女性蔑視と、でも、それは今もベンチャー界隈とか、GAFA的な企業でも起こってることでないか、みたいなのが、ハリー・スタイルズの仕草からつたわってくる。
ここまでだったら、あー、オリビア・ワイルドの女性視点での社会風刺かー、で終わってたんだろうけど、終盤の展開で、もっとちがう視点が入ってきて「エターナル・サンシャイン」とか「ブルーバレンタイン」味を感じる始末。
とにかく、こういうディストピアもの、その上での社会風刺とかだと、あー、面白いけどよく見るなーで、終わったのですが、最後のキツイ恋愛もの風味が加わることで、かなりぐっと来ました。自分の映画だなーと思う感じがして、とても良かった。
たぶん、これ、オリビア・ワイルドだから撮れた目の前にあるディストピアものだと思うので、次の彼女の映画も楽しみ。
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