見出し画像

📚読書記録 2024年1月《14冊》

今月の読了は14冊。
購入した本:12冊、借りた本4冊。積ん読は+2冊。年末にたくさんの本を図書館で借りたので、年始はそれを読むのに結構時間を使った。満足。


今月読んだ本の感想抜粋

スペードの3(朝井リョウ)

あらすじはこちら

某歌劇団を題材にした群像劇。ファンと役者、ファン同士、役者同士という異なる関係における苦しさと少しの希望が3章に分けて描かれる。

第1章の最後で「えっ」って声出た。完全に油断してた。
学生時代の立場をずっと引きずってる人っているよね。特に狭いコミュニティでは。

3章に分かれているけど、いずれも主人公の生き苦しさと、それに押しつぶされそうになる姿と、最後に希望らしきもの(希望そのものではない)が描かれている。外面だけ見ると、三者三様、特に最後の主人公はキラキラしているようにも見えるけど、違った角度から見ると苦しさが見えてくる。

それでも人は生きていかなければならないし、できれば良い人生を送りたいのは当然なので、どうやって前を向くか、自分をごまかさずに生きていくのか、というのが大事なのかなと思う。


喫茶おじさん(原田ひ香)

あらすじはこちら

喫茶店めぐりが趣味の平凡なおじさんが、周りとの関係を少しずつ変えながら「諦念」の中で生き方を探っていく話。連作短編で読みやすい。

喫茶店めぐりは楽しそう。こういうのんびりした生活送れるのはうらやましい。出てきた喫茶店は全部ぼやかされてるけど、実在する店っぽい。

主人公のおじさん・松尾にはあまり共感できなかった。むしろこんなおじさんにならないようにしたいと思うくらい。特に家族との接し方は反面教師にしたい。自分の夢のために早期退職の退職金を半分溶かしたり、娘の旅行を衝動的に追いかけたりというのは、、、

友人に、妻に、娘に、「わかってないなぁ」と言われるけど、それが何のことかわからないようなおじさん。ある意味では幸せだし、人には恵まれてるように見えるけど、本人がそれに気づいてないところがちょっとイライラする。最後はまた新しい人生に踏み出した姿が描かれているけど、世の中そんなに甘くないのではないかと思う。いや、でも本人が幸せならいいのかもしれない。


成瀬は天下を取りにいく(宮島未奈)

あらすじはこちら

何にでも挑戦し、何事もそつなくこなし、200歳まで生きたいと公言する成瀬あかりの青春物語(ただし、普通の青春ではない)。

主人公・成瀬あかりが独特。200歳まで生きる、をはじめとして出てくるエピソードがどれもぶっ飛んでる。ここまでぶっ飛んだキャラクターが、でも現実にもいるかも、と思わせられるのは、相方の島崎みゆきの存在あってこそだと思う。いつも成瀬を見守り、成瀬あかり史を見届けると決めている存在がそばにいて、一緒に歩んでいるからこそ、強烈な成瀬のキャラクターに血が通っていると思う。

個人的にはミシガンに乗る話と、最後の祭りの話が好き。

ちょうど続編も出たみたい。成瀬あかりにまた会いたい人がたくさんいるということだろう。成瀬あかり史の目撃者のひとりとして、次の作品も見届けるべきだと思った。


最後の海賊(大西康之)

楽天・三木谷氏とその挑戦を支える人々の実話。愚直な三木谷氏の強さが良くわかる一冊。仕事に行き詰まった時に読みたい。

こういうノンフィクションの経営者譚は過去の経営者のものを読んだことはあるけど、今現在挑戦をしている人の、ある意味リアルタイムの挑戦譚として読み物としても面白かった。

大西氏の著作は「起業の天才」「流山がすごい」を読んでるけど、どれも描いている題材を近くで見てきた様が生々しさがあって読んでて面白いと思う。ややひいき目は入っているのかもしれないけど、新しい時代を切り開いていく挑戦を目の当たりにしていたら、応援したくなるよなと思った。

三木谷氏の愚直に挑戦する姿が描かれていて、既得権益にも果敢に挑戦していく姿勢は今の日本人経営者にはない強さで、「海賊」と本書で呼ばれているのもうなずける。プロ野球への参入、バルサへの出資、携帯事業への参入など、周りから見ると疑問符が付く打ち手についても合理的な判断と深い戦略が背景にあって、やはり頭のいい人物なんだなと思った。一方で、これと決めた道についてはあきらめず愚直にやり遂げる姿もあり、そこが楽天の強さなんだろうなと思う。


24年1月に読んだ本まとめ

Notionのデータベース機能で管理

個別の感想はブクログにも投稿。

来月読みたい本

仕事の関係で読みながら色々調べているNFTとAIの本がたぶん(一旦)読み終わりそう。これから何回も読むことになりそうだけど。
2月1日に今年の本屋大賞ノミネート作品が公表されるはずなので、そのうちの何冊かは大賞発表までに読みたいな。

以上

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?