『きれいになりたい男の子』
そらは綺麗で
美しくて
でも
ぼくは汚くて、
だから
ぼくはそらに憧れるけど
その憧れのつづきは見えなくて、
憧れでおわってしまう。
希望はないと知ってても
それを分かっていても
いつか
どこかで
なにかの拍子に
変わるのではないか
希望がみえるのではないか、
叶うのではないか
と
考えてしまう。
まわりはみんな
いや
みんなではないかもしれないけど
『きみは汚くないよ』
『汚い?むしろ綺麗じゃないか』
というけれど
それは
ぼくがみんなに
汚いところを見せたくないから
見せて幻滅されたくないから
幻滅されて
みんなが離れていって
ひとりぼっちになって
だれにも見つけられなくて
「いない」ことにされるのが
辛いから
怖いから
恐ろしいから
『嫌だから』
だからみんな
ぼくに騙されてるんだよ。
本当のぼくは
汚くて、
変わり者でいたくて
めんどくさくて
褒めてほしくて
何度も存在意義を確認して
人と比べたがりやで
理解されたがりやで
貪欲で
強情で
浅ましくて
なのに
なのに、
それなのに。
……いや、
だから?
だから、
だから。
ぼくは綺麗なもの
美しいものに
なりたがる。
それはきっと
人に羨ましがられたいから
人より優っていたいから
そうすれば
みんなぼくから
『離れていかない』
みんなぼくを
理解しようとして
わからなかったら
「変わってる人だね」
と言ってくれる。
わかったとしても
「すごいね。」
「きみは素晴らしい人だ。」
って言ってくれる。
だから僕は
きれいになりたい
そう願ってしまうんだ。
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