空は曇り、公園のベンチ、どうしようもない心
肌に触れる風が冷たい。
公園のベンチ一人ぼっちで空を仰ぐ。
たまにだけど心がどうしようもなくなるときがある。
切なくなる。
やるせなくなる。
駅のホームに吸い込まれそうになる。
ひとりぼっちを自覚する。
誰に吐き出す訳でもなく、飲み込んで眠りに付く。
大体それで終わるのだけれど、今日は違ったみたいだ。
公園のベンチで一人、空を仰いでいたくなった。
そうしているうちに自然に書き出していた。
どうしようもなくなったとき、みんなはどうやって普通に戻るんだろう。
友達に電話をするのだろうか。
恋人に電話をするのだろうか。
家族に電話をするのだろうか。
誰かに会いに行くのだろうか。
そのどれも私には遠くのことに思えてしまった。
思い浮かぶ顔は一瞬で消えていく。
誰の中でも一番じゃない私だから。
迷惑になる。
嫌われたくない。
そんな自己防衛的な感情で作った壁がなかなか壊せずにいる。
どうしようもない心を一緒に抱えられる人といつか出会えるだろう。
そんな期待だけを胸に、帰路に付く。
公園のベンチはやけに寂しそうだった。
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