社会人舐めた奴の末路

私は学生時代から勉強が嫌いだった。だから、テストも嫌いだった。
そのため、日頃から勉強する癖もついておらず、テスト勉強の一夜漬けも当たり前のようにしていた。それでも、何故かやる気の起きる時があったため、そういう時はテスト勉強もしっかりしていたし、ちゃんと高得点も取れていた。
このおかげか、勉強すれば出来るということを知り、謎の自信と、謎の余裕を手に入れた。
そんな私が社会人になった今、とても苦労している。

正直、私は社会人を舐めていた。
学生の頃は、学業とアルバイトの両立をし、尚且つ、学校という小さな組織の中での人間関係に疲弊している方が大変だと思っていた。それに比べて社会人は、学校と同じくらいの時間を過ごしていても賃金が発生するし、自由な時間も、出来ることも多く見えていた。そのため、なんとなく社会人の方が楽しいものだと思っていたし、早く社会人になって自由になりたいと思っていた。
しかし、こんな浅はかな考えが間違えだった。こんな考えをしていたから、私は今とても苦労しているのだ。
相手の立場に立たないと、本当の苦しみは分からないのだと、改めて実感した。

最初に書いた通り、私は勉強が嫌いだ。だけどたまにやる気が起きる。
これを見て分かるように、私は継続することが苦手。つまり、頑張り続けることが出来ない。つまり、頑張って結果を残せた経験が少ない。これがどういうことか分かるだろうか。そう、社会人終了のお知らせだ。
学生時代は最悪、学校生活だけを頑張れば生きていける。毎日、固い椅子に座って先生の話を聞くふりしてるつもりが寝ていても、勉強が出来なくても、課題が間に合わなくても、存在感なくて辛くても、嫌になって休みがちでも、なんとか生きていけた。アルバイトで責任を問われることもあまりなかった。『逃げるは恥だが役に立つ』、『どうにでもなる』。そういう精神で生きていた。
比べて、社会人になった今、良好な人間関係の構築必須、言われなくても察して行動する力必須、気遣い必須。そして、任せられた仕事に対しての大きな責任感と、正確さが求められる。期限内に間に合わないなんてありえない。嫌になっても休めない。そうやって、毎日、毎日、神経をすり減らして頑張った報酬は、思っているよりも少ない。辞めたければ辞めればいいという考えは、簡単に通用しない。そんな日々を、社会人として生きていく人生が終わる日まで継続していかなければならない。
なんとなく思い描いていた自由なんて、どこにもなかった。

社会人の大変さを、私はなにも分かっていなかったくせに、少しでも良い福利厚生と、将来性のある環境で働きたかったので、専門的知識が必要な、未経験からでも始められる仕事に就いた。
、、、シンプルにしんどかった。
会社で全神経を削ぎ落とし、無気力な状態で帰ってからの勉強は、信じられないくらいしんどい。学生時代の、アルバイト後の勉強より全然しんどい。
そのうえ、頑張って結果を残せた経験が少なく、自己肯定感なんて『０』に等しいことがお分かりいただけるだろうか。そして今、逃げ癖が逃げ癖を呼び、逃げ癖の本領発揮が始まっているのだ。『逃げるは恥だが役に立つ』が、『逃げ過ぎはただの恥』なのだ。だから逃げたく無いのだが、もう崖の上で遠くを見つめている状態だ。

こんな今になって、大人になってから勉強する習慣をつけることの大変さを身に染みて感じている。
勉強がメインの学生のうちに、勉強から逃げず、向き合う力を養っておくべきだったと本当に後悔している。そして、親や先生がうるさいほど勉強するように促していたのは、将来のためだったのだと気づいた。
今学生の方で、頑張れることもなく、やりたいこともない人は、とりあえず学校の勉強だけでも頑張ってやってみてほしい。社会人になった時、苦労する量が減るぞ。たぶん、、、。