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伝説の“さようなら花鳥風月ライブ”

2021年5月8日。
神保町よしもと漫才劇場にて、花鳥風月問題の完結をうたったライブが行われた。


ニューヨークのYouTubeの企画を皮切りに始まった神保町花鳥風月問題。その花鳥風月のシステムが終わる今、全ての問題を解決し仲違いを解決するべく開催された“さようなら花鳥風月ライブ”。



彼ら芸人の全てのリアルを見た気がした。

自分より売れている後輩や同期に対する怒りや嫉妬。自分が情けないことに対しての悲しみや虚しさ。オモシロに本気で命を懸ける猛者たち。それとは別の個々の感情。芸人の、いや人間のすべてが詰まったライブだった。



とにかく全てが衝撃で、驚愕した。その日の夜は興奮で寝ようと思っても寝られなかった。神保町のことが頭から離なくなり、頭がぐるぐる熱くなる。


今まで見たどのライブよりも熱く、
衝撃的でお笑いだった。




このライブはの4つのブロックで構成された。
軽くどんなことが起こったのか、私の個人的な感想を含めて綴っていきたいと思う。




令和ロマンVS素敵じゃないか

とにかく、くるまが凄かった。
屋敷さんも言っていた通り、AIみたいにただ賢かったやつが武器を持って暴走した。あの中で一番若手だとは思えないほどの大暴走。観ていて震えた。


また持ち前の知識とセンスで衝撃の名言の連発。

魂の輪郭が同じやつを仲間って呼ぶわけじゃないですか!
ちゃんと芸人がお笑いすることによって、スカしてるとか何が正しいとかじゃなくて、ちゃんと俺とナイフで刺しあって同じ流れた血の色が赤だなってなった時にやっと安心できると思うわけですよ!
ここは神保町よしもと漫才劇場ですよシャブもガンジャもいらない芸人だけのアルカディアですよ!



彼はきっと今後の劇場での立場なんて一ミリも考えていない。このライブが盛り上がりさえすれば彼はそれでよかったのだ。それも憧れのニューヨークが見ている前なら尚更だ。


それに対する素敵じゃないかのどんどん零れ落ちてくる可愛げになんだかほっとした。

吉野のヘタレっぷり柏木の変態エピソード。
この時だけは2人とも子供に見えた。
とても愛らしかった。


それも令和ロマンが完全悪役に徹していたからではないだろうか。それが意図したものか、そうではないのか、真実は彼らしかわからないけれど、それも含め、私は彼らの才能は本物だと確信する。



ナイチンゲールダンス VS ザ・シーツ/マリーマリー/サンジェルマン

このブロックは本当にリアルだった。

ただの嫉妬と怒りのぶつかり合いに、
小さくて硬いプライドの数々。


ライブ中もいろいろな問題が浮上したが、一応は解決に向かっているはず...

と思ったら突如現れたナミダバシ太郎。
そして彼が抱えていたヤスへの今までの異常なトガリへの不満が爆発した。ここぞとばかりに不満を吐いた。小さくも大きな不満だった。
しかしそれは本当はヤスみたいに自信にあふれた大きな態度がとりたかったという憧れの気持ちが大きな原因なのではないかと思う。

それは同期のマリーマリーも、先輩のザ・シーツもきっと同じだったはずだ。


そして瀬尾の異質さに、海老原の安心の中和剤感。

最初から最後までお笑いをすることに徹したなかるてぃんを含め、このブロックは本当にリアルな芸人の世界だった。



9番街レトロVSスーパーサイズ・ミー

ここは事前の動画で一瞬対立しているように見えただけで、そんなことはなくただの仲良しだった。


ただ、最年長のスーパーサイズ・ミーが後輩とはあまり馴染むことができず、寂しい思いをしていた。

それは後輩芸人からすると3人ともが性格が良く常識人なため、本当に楽しいが面白くはないとのこと。

ただ、そういう芸人も少なからず必要で。これからの神保町のキーマン的存在になって欲しいと願う。



一時期の療養で状況が上手く掴めていないなかむらの「神保町はどうなの?」という発言にはすごく納得だった。

当事者から少し外れた彼らの発言はこのライブに緩急をつける大事なブロックになったと思う。



と思いきや、また何かを抱えたあとむが声を上げる

矛先は京極へ。後輩に慕われまくる京極を成敗しようとするも全てのエピソードが弱すぎて不発に終わってしまった。


彼はきっと実力もあり後輩にも慕われる、自分にはないものを持っている京極に大きな嫉妬心を抱いているのだろう。



その他

そいそ~すのおもしろくだりに、ヤスの大回し。
まんぷくユナイテッドのもがきに、終始フリだけに使われた京極。

全員がどうしていいか分からずふわっとした瞬間。

ここがやっと神保町らしいブロックで、
本来あるべき姿なのだ。
ラストにそれが見られて安心した。


一番は松下が屋敷と嶋佐を倒した瞬間。
お腹がよじれるほど笑った。




最後にヤスと作家 奥田さんの相撲の決着をつけ、
瀬尾の感動的なエンディングソングで幕を閉じた。








本当にひとりひとりが別々の心情でそれぞれの感情があって。だれ一人同じ気持ちのやつなんかいなくて。本当に全ての喜怒哀楽が詰まっていた。

状況も実力も違う彼らが集結したここ神保町よしもと漫才劇場に、これからはどんな未来が待っているのか、誰にも想像ができないけれど、きっと最強の劇場になると思う。



見逃し配信期間が終わりもう観ることが出来なくなってしまった今、伝説のライブとなった

「さようなら花鳥風月ライブ」
最高級で最上級の芸人ドキュメンタリーだった。



最高のエンターテインメントをありがとう。






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