新人看護師の教育について

今年も新人看護師が病棟に配属されることになり、
教育を行う仕事が発生する。

教育をする立場も、
今年は病棟師長としてなので、
全体のことを見据えたような、ちょっとかっこいいことを言わなくてはならない。

そこで、
少し内容を考えておく。

新人看護師が働き始めて、学ばないといけないことは3つあると思う。

一つは、業務のこと。
職場での業務の流れ。
注射指示はどのように医師から出されて、看護師はそれをどうやって実行するかとか、
CT撮影をするときに、いつどこに患者さんを連れて行けばいいかとか、
もう少し進むと、
複数の患者さんを受け持つときに、点滴や検査やその他のいろいろなケアを、どのような順番で行えば効率的に行えるのか、
というようなこと。
これは極めていくと、より良い方法を自分で考えられるようになるので、
そこを目指して、まずは今の流れを覚えること。

二つ目は、
医学的な知識や技術。
病気のこと、症状のこと、注射や点滴の技術的なこと。
これはほぼ無限にあるので、最初は圧倒される。
圧倒されないために大切なことは、知らないことに対処する方法を覚えておくこと。
知らないことへの対処方法は、2つ。
誰かに聞くか、自分で調べる。
技術の中には「コツ」と言われる、調べることも聞くこともできないことがあるのだけど、最近はそういうことも動画で学べたりする。
「コツ」を身につけるには、ほかの人がやっているところをよく見て、考えること。
考えて考えて「こうやればいいんだ!」という気付きを積み重ねていく。
医学的知識は多いほうがよい。それを使いこなせるようになるには、多くの事例に接して考えること。
たとえば、嚥下の知識があったら、それを実際の患者さんに接しながら振り返ってみる。飲み込みやすい姿勢の知識、それを実際の患者さんに当てはめようとすると、背中が曲がっていたり、首が傾いていたりしてなかなかうまくいかない。それをうまくいかせるためにどうしたらよいのか、考えて試すことで、知識が使いこなせるようになる。

三つ目は人間のこと。
人間には、相手と自分が含まれて、相手のなかには、患者さんだけでなく、同僚や医師や、いろんな人が含まれる。
「相手」に対しては、病気の人の感情の動きはもちろんとして、人はどのように死ぬのかとか、その人の成長の過程は今のその人にどのように関係しているのかとか、気難しい医師や怖い先輩とはどのようにつき合ったらいいのかとか、チームとして成果を上げるためにはどうしたらよいのか、など。
「自分」に対しては、自分はどのような人間で、何ができるのか、何をしたいのか、自分の感情はどのように動くのか、それをコントロールするにはどうしたらよいのか、など。
これも無限。
自分一人のことすら、すべてわかることはない。
自分のことも良くわからないのに、相手のことなんて良くわかるはずがない。
そこがスタート地点。


こんなんでどうでしょう。



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