見出し画像

プロダクトデザインとブランディングデザインのマインドの違い

前回、ブランディングからUI/UXへのチャレンジのタイミングでnoteを書いてから、しばらく経ちました。https://note.com/mo_design18/n/neadd52196249

当時の私の考えとしては、ブランドエクスペリエンスもユーザーエクスペリエンスも「ホスピタリティをもってコミュニケーションをデザインするということに尽きる」という結論に至ったのですが、実際に数々の案件に向き合った今”違い”として捉えられることが見えてきたので、今回はそのお話です。

マインドが違う

マインド・・・・・・心、意識、考え方と言いましょうか。まず、作るものが違うというのはありますが、そういう目に見えている部分ではなく考え方で違いを感じています。

プロダクトデザインをする中で、私たちチームのデザイナー同士はデザインの意図を聞くことがありません。こんな書き方をすると「チームメンバーの仕事に興味がなさすぎるんじゃないか」と思われても仕方ありませんが、決してそうではなく、デザインの意図はあえて聞かないようにしているところがあります。

もちろん試行錯誤して、意思と意図を持った上で作っているので、作った側も説明したくなるというか、正直なところ言い訳したくもなります。

しかし、デザイナーが抱えるその思い(試行錯誤の過程や言い訳)を、ユーザーがプロダクトに向き合うその瞬間、横に立って囁くことができるでしょうか。ユーザーの前には画面があるだけです。だからこそ純粋に、画面で戦う。説明がいらない体験へと洗練させていくのです。

そこに気づいたとき、一つ新しい知を得た気がしました。

ブランディングデザインのマインド

比較のためにブランディングの話をします。

ブランディングでは今思えばたくさん説明していました。こちらはどれだけ意図を込めたかが勝負だと感じていました。

モノだけ作って「じゃああとは言い方だけ」「プレゼンの仕方だけだから終わったようなものだよね」なんて、意図の部分を軽く見られることはまずありません。

ストーリーが一番大事。
人は奥行きのあるものを好きになると思います。

コピーライティングなんかは、説明なんて一切なく、そのコピーひとつでパッと伝わってしまうものが一番強かったりします。それでも、そのひとつのコピーに感じているものは、やっぱり奥行きですね。

見た人がその瞬間「なんかいいな」と感じるただそれだけだったとしても、ストーリーがないものを世に出すことはしません。

ブランディングのデザイナーが「このデザインAとBどっちがいいですか?票が多い方にします」なんていう判断の仕方をすることはまずないです。(いや、コンペ形式なら分かりませんが)

自分自身でブランドを信じて、ストーリーの軸に合うものを作って選んでいくんです。

プロダクトデザインのマインド

一方、プロダクトデザイナーは積極的に人の反応を見に行きます。
その辺の社員を捕まえて「ちょっとプロトタイプ触ってみてくれない?」っていうことをしょっちゅうします。ユーザーテストに近いでしょうか。
自分が作ったものは基本的に疑うし、他者に体験させたその反応を見てさらに改善を重ねる。その繰り返しです。

それに、ユーザーの置かれた状況についてもすごく知りたがります。

「その作業に取り掛かるときって、朝の業務前なんですか?」
「夜家でリラックスしてるんですか?」とか、

「その業務を終えた後は、どの部署の人にどんな申し送りをするんですか?」
「実際今週はその作業何回やりましたか?」とか・・・・・・

ドラマで見る警察の取り調べみたいですね。仮説には価値がない、事実が全てだというような言い方をしたりします。

ちょっと変な表現なので、誰も傷つかないといいなと思いながら書きますが、プロダクトデザイナーは刑事のように足で事実を集めに行く疑う人で、ブランディングのデザイナーは例えばホテリエ・・・・・・、看板にプライドを持って信じている人ですね。

以前のnoteでも”疑う””信じる”という反対の意味の言葉を使って比較しました。
遠い領域にいるように表現してしまいましたが、どちらも「体験を想像する」というところが共通しています。
想像する。簡単に聞こえますが、想像の解像度を上げるのは日々の積み重ねです。解像度の高い体験想像は、刑事が真実を解き明かすのに役立ち、またホテリエが宿泊客をもてなすことに役立ちます。
デザイナーとしての"技術"はさまざまありますが、想像力を高めることが何より重要なのではないかと今では思っています。

「なんかちょっと分かるかも〜」と思ってくれた方、ぜひ一緒に働きましょう。
カジュアル面談からお気軽にご応募ください。

採用情報

「Juice」公式サイト


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?