日記 3/6〜3/12

月曜日
妙な夢を見た。「グラデーション」と名乗る男と旅をする夢だ。「俺の名前、実はグラデーションって言うんだよね」と言われたが、グラデーションがモタモタしているせいで飛行機に遅れそうになっていることばかりが気にかかり、夢の中ではさして彼の名前が気にならなかったが、目が覚めても「グラデーション」という名前が頭から離れない。名前というからには「山田グラデーション」なのかもしれないし、ミドルネームで「山田グラデーション太郎」かもしれない、ひょっとしたら苗字で「グラデーション太郎」なのだろうか。自分の知っている姓名表記に当てはめようとすること自体正しくないのかもしれなかった。グラデーションはグラデーションでしかないのかもしれない。

火曜日
偕楽園へ行く。お友達は合格発表やら予備校巡りやらでとても誘える雰囲気ではない。受験終わったらRRR観に行こうねって言ってたのに。偕楽園へはおばあちゃんと。

椿にピントが合っている
こっちは梅

今の時期は常磐線が偕楽園で停るから、茨城の観光地のなかでは割とレアなアクセスのしやすさ。まだ咲いていない梅もあったのでまだまだ楽しめそう。水戸は桜の季節もきれいだし。

水曜日
ネット詩とかweb詩、という言葉がむしろ新鮮に感じる。詩のシーン(?)はほとんどインターネット上で展開されているような気さえする。何せ田舎住みということもあって本屋に詩集が売っているのをほぼ見ない。そこそこでっかい本屋に行けば谷川俊太郎と相田みつを(隣に並べていいのか?)はある。学校のそばにでっかい古本屋があって、そこには古本屋のカオスさでたくさんの詩集が並んでいて、スマホ片手に著者名を調べながらテスト終わりに回遊していた。伊藤整全集の第八巻(だけ)とか。詩の投稿先の情報を得たり詩人同士の交流に参加したりするべくtwitterとかやったほうがいいのかしらん、と思ったりする。近所にめっちゃでっかい本屋があればいいのにと思う。
なんかぐっと疲れる。第一志望(?)には受かってはいるが万事解決という訳ではないらしい。ゴジラになれたら愛する母校のオンボロ校舎を踏み潰して更地にするし、偉い人になれたら受験というシステムを滅ぼすだろうと思う。なんだかものすごく不毛な気がする。友達と仏門に入ろうかと相談していたが「寺にWiFi飛んでないとムリだね」「一階がファミマになってる寺がいい」とか言っている時点でたぶん実現されることはない。

木曜日
巷では短歌が流行っているらしい。短歌とか俳句ってめちゃくちゃ書くの難しくないか。575とか57577とかに収まっている(例外もあるだろうけど)感じが綺麗にはまっているパズルみたいで「どうやってこんなん書けるんだ•••」と思う。茨木のり子の「わたしが一番きれいだったとき」もそうだけど、リズムを持つ言葉のつよさ。リズムや韻を必ずしも必要としない現代詩の強みは、ひょっとすると「つよさのなさ」も持ちうることかもしれない。
お友達とLINE。みんな元気ない。やっぱりみんなでRRR観に行った方がよかったかもしれない。
そういえば私はこの三月で成人年齢になる。明日も今日とあまり大差ないだろう、という諦念のような希望のようなものを抱えて眠る。

金曜日
頭が痛い。スマホの画面で人とやり取りすると心身ともに疲れる。リアルタイムで流れてくる言葉を処理するのがどうも苦手らしい。詩を書く。六割くらい完成。

土曜日
天気が悪いというだけで著しくテンションが下がる。ここまで精神が天候に左右されるのは農民の血が濃いからだろうか。理系のお友達に言ったら「気圧の問題でしょ」とあっさり言われる。

日曜日
陰キャが炸裂してしまうので外食が苦手だ。自意識過剰なのはわかっているが「ア…これお願いします…」と無様な注文をして、ひとりで恥ずかしくなる。
大学生になるのでパソコンを買わねば、と思うが種類が多くて全く分からない。ある人はMacにしろと言い、ある人はsurfaceにしろと言う。よく分からないので安いやつでいい。

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