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不妊治療と夫婦の関係

【ピルを服用するだけの日々】

規則正しい月経を起こし、子宮内の環境を整えるという当面の目標を立て、低容量ピルを服用するだけの日々が続きました。2019年4月末から始め、とりあえずは8月まで。
通院した…とはいっても、月に一度血圧を測り、(6月は採血をしました。ついでに子宮頸癌と甲状腺の検査も行いました)処方箋を貰うだけ。

この頃はほぼ毎日、「不妊」「多嚢胞」などでネットをうろつき、図書館で不妊系の本を読み漁り、自分なりに勉強していたもののやっぱり初診で言われた「子どもはできない」の宣告が呪いのように付き纏って鬱々としていました。

病院での言葉は一つ一つが薬(劇薬)みたいなものなんで、気にするべきではないのだろうけど、結構こたえました。

調べているうちに、不妊治療にも様々な種類や方針があり、同じPCOSでも私と同じようにピルを一定期間使う人や、排卵誘発剤などを使う人や、状態のいい卵だけをピックアップして受精に臨むなどいろんな方法があるのも知りました。そう言えば治療方針とか話してなかったような。
病院の方針はあるだろうけど、選択肢がこれだけあることも教えてくれなかった…。そういうものなのかな。と、もやもやが募り募るばかりでした。

【夫婦の温度差】

不妊の原因は50:50。
要は女性もだけど男性にも不妊の原因があることがあります。
母胎になるのは女性ですが、遺伝子の元を持っているのは男性な訳で、不妊治療は全部女性任せっていうわけにもいきません。
体験談の中で、女性不妊を疑っていたけれど、実は男性の方に原因があり、気づいた時には時間ばかりが過ぎていた。というのも多く見かけました。
子どもが欲しい感情は同じでも、その熱量とか質は男女で異なるのかもしれません。でも(主観ですが)どうしても女性側に負担がかかってしまいがち。

私の場合
PCOSという明らかに母胎側にエラーがあったので、不妊の原因は自分なのだと当初決め付けていました。望んでも子どもができない申し訳なさがあって、男性不妊の可能性にはあまり頭が回らなかったのです。
日々ピルを飲み、生理になり、の中で「どうして私だけ…?」子どもができないのも、薬を飲んでいるのも、“ふたりの望みなのに勉強したり治療したりしているのも“どうして私だけなんだろう
と、まぁネガティブが変なヒステリーに変わってしまい、夫に辛く当たってしまうことが多々ありました。よくないね。
PCOSについて説明はしたものの、だからこれからどうするのだ、ということや、夫側ができることなどを自分から考えて欲しかった。
というのが多分当時の私の望みでした。今にしたら文章にできるけど、ごちゃごちゃの気持ちだと冷静になれず険悪になるばかりで、今としては申し訳なかったなぁ。

話し合いも何度かしました。
35歳を過ぎても子どもが出来なかったら養子も考える、とその時心に決めました。それも一つの選択肢なんだと。

色々と磨耗していく日々のなかで、夫も考えることがあったのでしょう。
7月中旬に男性側の検査を受けてくれて、大きな異常がないことが証明されました。
やっと当事者になってくれた。
それだけでとても救われた気持ちになりました。あとは自分が頑張るしかない。

【滝川クリステルになりたい】

待ちに待っていた8月の通院日。
予定ではこの日からピルを止めて、本格的に不妊治療に移るということで、やっと子作りがちゃんとできるのだ、これから始まるんだ!と少し楽しみでもありました。
しかし血液検査でホルモン値は目標レベルに達しておらず(ホルモン値の異常もあったので、ここの改善も必須科目でした)内診でも未だ卵は連なっており、4月に見た様子とあまり差異がありませんでした。
薬を飲むだけーではあるけど、精神的にはかなり苦痛だった日々。
あれらは全部効果なしだったのか…?
「ピルの種類を変えて、また様子を見ましょう」
言われたのはただそれだけ
「いつまでですか?」
「とりあえずまた3ヶ月。変化がないならまた3ヶ月毎」
「他の治療とかはないのですか?」
「ホルモン値が正常値にならないとどうにもならないですよ」
8月まで薬を飲めばどうにかなると思っていた。
そして主治医の対応がとても冷たく、絶望的な気持ちになりました。
時間ばかりが無情に過ぎていく。心がすっと冷めていきました。

待合室には大きいテレビがあり、それをぼんやりと見ていました。
小泉進次郎氏と滝川クリステル氏が結婚、滝川クリステル氏のお腹には赤ちゃんがいるという報道でした。確か2人揃ってインタビューに答えているのを中継で見たような気がします。絶望的な気持ちで。
何で滝川クリステルは妊娠しているのに私は妊娠していないんだろう。
長い長い会計待ちの時間を、冷たい心で待ち続けていました。
あぁ滝川クリステルになりたいなぁ。

【ピルの変更】

低容量ピルから超低容量ピルへと、グレードダウンしました。
子宮環境が変化していないなら変える必要はないのでは?と思ったのですが、そこに関しての詳しい説明などはありませんでした。
他の服用薬とか、そういうものってなかったのかと未だに疑問です。
とりあえずまた3ヶ月後の検査でホルモン値と卵巣の状態が良くならなければきっとこの薬を飲むだけの日々はだらだらと続いてしまう…!
生活態度を改めたり、運動をしたり、自分にできることーそれが果たしてPCOSに効果があるのかは分からないけれどーをするしかない。
暗中模索の、2019年の夏のことでした。

一方歯医者では巨大な虫歯や隠れ虫歯の処置をガンガン行い(こちらは毎週通院)担当医の優しさと腕の良さで痛みを感じることなく治療が進んでいきました。銀歯になったり、歯茎の腫れに注射を打ち込んだりと色々ありましたが何とか続けていけたのは、やっぱりお医者様とスタッフさんとの相性があるのでしょう。こちらは滞ることなくスムーズに進んでいきました。

病院はとことん相性問題ですね。
次回に書きますが、病院を変えることであらゆることがガラッと変わりました。

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