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昇進効力感と、できそうだと思わせる存在のこと

2016年に施行された女性活躍推進法では、企業に対して女性労働者への機会の創出や、家庭と両立できる環境整備等が義務づけられています。中でも、女性管理職の割合の向上は注目される指標の一つです。一方、女性管理職が増えない理由として、当事者からよく聞く事柄の一つが、「ロールモデル不在問題」です。

ロールモデルに対しては、アカデミックの領域でも研究が進んでおり、自分が管理職として昇進できるという自信を「昇進効力感」として調査されているものもあります。自己効力感とはある行動ができるという自信を指します。その昇進効力感に影響するものとして、働く時間や場所に柔軟であることや、周囲から受容される環境であることなどが挙げられています。女性だけでなく、男性にも当てはまる事柄ですね。

実際に管理職として活躍する女性向けの研究では、社内の人的ネットワークの存在が重要な存在として挙げられているものもあります。他部署との交流や少し先を行く先輩との交流などを通して、「実際の管理職の業務」や「管理職になるまでにやっていたこと」等を知り、自分にもできるのではないかと考えていたというものです。

自己効力感を高める事柄には、自分自身の達成経験、周囲からの励まし・説得、感情の起伏と、他者の代理経験というものがあります。他者がやっていることを見て、自分事として想像し“自分にもできるのでは”と考えるものです。社会人経験が10年・20年以上の人ではなく、数年上の先輩や、同期、後輩のほうが、代理経験としては腑に落ちやすいのかもしれませんね。同世代ならではの、キャリア継続の悩みや、体調の悩み、ライフイベントとの折り合いなどの話も聞けるからです。

参考:グロービスcareernote「自己効力感を高めるための4つの観点

管理職育成のために、他部署や他社で働く少し先行く先輩の話を聴く場を設定したり、個別にインタビューに行くなどするのもよいですね。

遠すぎるモデルを設定していないか、見直してみたいですね。