「ヒトノカタチ」STORY-2:再会

「さーて今日も終わったし、今日は何作ってるのかなー」
そう言いながらレイアが自分の部屋に向かってると、なにやら隣の部屋のドアが空いて箱が積まれてる様子に気づく。
「あれ、誰か引っ越してきたのかな?しばらく空室だったけど…」
そう思ってると部屋から金髪の女性が出てくる
「あーちょっとそこは後でいいから、この箱を先に…」
そしてお互いに目が合う

「…え、もしかして…レイア…さん」
「え…真理子、さん」
お互いまさかの再会に驚きつつも
「…この様子だと…引っ越してきた…んですよね?なんでまたこんなところに…」
「この近くにロスト・プラネットの定住支援施設ができるのって知ってるわよね」
「ああ、なんかそんな話は聞いてるよ」
「わたし、そこの初代所長になるの!」
「え!すごいじゃないか!」

ロスト・プラネット…戦乱や何かしらの理由で母星を失ったり、住めなくなってしまった種族を示す用語で、真理子はそんな種族を定住させるためのNPO法人で活動している。レイアもそんな人の1人なのだ。
そう、レイアは純粋な地球人ではない、しかし地球人と共通点も多いので開拓初期に消息を絶ってどこかの惑星にたどり着いた者たちが独自に進化したのではないかと言われるが母星が消滅してしまった以上真相は闇の中だ。
レイアは元々雇われ傭兵として各地の惑星を転々としていたが、ある日母星であるサルミi5星系が惑星破壊兵器により消滅、失意の中で真理子と出会い、ここに定住することとなったのである。
(もちろん、惑星をまるごと破壊する行為は条約違反になるのだが、戦局によってはこのようなことが後を絶たない)
「ところで、また聞くようだが兄に関してなにか分かったことはあるかい」
「…うん、相変わらずあちこちの戦況の記憶に残ってるのは確認できるんだけど、そこから先なかなか…」
「そうか…ところで旦那と子供たちは?」
「まあ、旦那は仕事の都合で難しいし、兄は高校があるし、妹もやっと入った私立中学があるから…しかたなく単身赴任よ」
「そうか…」
そんな話をしているとレイアの部屋から誰か出てくる
「レイアさん、もうご飯ですけどなに油売ってるんです?」
2人に目が合う
「あら、随分なイケメンと暮らしてるのね?」
「…ああ、そうだよ」
レイアが照れる
「マスター、この荷物はどこに?」
真理子の部屋からもまた1人出てくる

「おや、こちらもかわいこちゃんが出てきましたねー」
出てきた子がレイアと正に目が合うと
「あ、初めまして千夜と申します。隣同士よろしくお願いしますね」
「おう、これまた礼儀正しい、よろしくです」
「よろしくな、千夜ちゃん」
正とレイアにあいさつをしているとさらにレイアの部屋からミイが出てきた
「ねえ、もうごはんだけど…」
部屋から出てきて千夜と目が合うと、千夜が飛びついてくる
「わー!可愛い〜私千夜、よろしくねっ」
ミイは戸惑いながらも
「うん、よろしくね!」
「ははは、早速友達がみつけられてよかったな」
「まあ、ここに来てからの新品お迎えだからまだぶっきらぼうな部分はあるけど、みんなで仲良くなりましょう」
「レイアさん、早くしないと冷めちゃいますよ」
「おう、そうだったな」
「じゃあ、うちも早く片付けないといけないからまた長話しましょう」
「じゃあな」
「じゃ、またねー」
そう言って3人は部屋に戻っていく

---食事中
「レイアさん、よく恩人と言ってたあの人です?」
「ああ、恩人とともに自分の名付け親でもあるんだな、その辺はちょくちょく話ししてただろう?大昔の映画のお姫様の名前からって」
「そうですね、兄の話も…」
「うん、まあいつかは出会える日を信じてるよ」
「また今度千夜ちゃんと遊びたいなー」
「はは、向こうが片付いたらみんなで遊びたいな」
「うん!」
3人の談笑が響いていた。


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