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日向坂46『ってか』MV考察

先日、日向坂46の6枚目シングル『ってか』のMVが解禁されました。

今までのどの曲とも違うテイストで、ついついリピートして聴いちゃいますね。ただカッコいいだけじゃなくて、可愛さも満載なのが日向坂らしくてとても好きです。

そしてMVがこれまた独特の世界観ですね。神話のモチーフが随所にちりばめられていて、見る側がいろんな解釈できそうな感じですね。

ということで、私なりの解釈(妄想)を書き記してみたいと思います。(専門的知識とかがあるわけではなくただの私の妄想なので、あしからず…)


全体的におそらくアイルランド神話を元にストーリーが進んでいるように感じますが、神話モチーフが一番分かりやすく出ていたのがやっぱり道標のところ(2:03~)でしょうか。

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→が「Tir na nog」で、←が「Tir Tairngire」

Tir na nog(ティル・ナ・ノーグ)はWikipediaに乗るくらい比較的メジャーですね。「楽園」とか「常若(とこわか)の国」とか訳せるようですが、私の解釈としては「妖精の国」と訳したい。

というのも、おそらくこのMV中で日向坂メンバーは「風の妖精」という設定だと私は考えています。(丹生ちゃん以外。理由は後述)

MV公開後のネット記事を見ると、「日向坂メンバーが『青い風』になって」という表記がされているんですね。

そうすると、このMVは「青いソフトクリーム(魔物、もしくは敵対する神話上の神)に立ち向かう風の妖精(アイルランド神話的に言うと神≒妖精と考えても良いかと)たち」という構図であることが見えてきます。
青いソフトクリームが現れて嵐が吹き荒れる中、エキストラの人たちが逃げ惑う中、不敵な笑みを浮かべて立っているメンバーの姿からも、その構図がうかがい知れます。

もっと言うと、日向坂メンバーの衣装がメンバーごとに色合いは違えどみんなツートーンであることから、おそらくメンバーは「半神半人」なのではないでしょうか(ケルト神話の英雄クー・フーリンなんかがそうですね)

ひとりひとりの力はたとえ弱くても、みんなで力を合わせればどんな強敵にだって打ち勝てる。そんなストーリーのエッセンスとして「半神半人」(決してひとりひとりは完璧じゃない)という設定はぴったりだし、「全員野球」が武器のひとつでもある日向坂らしい良い設定だなぁ、と感じました。


話が逸れてしまったので道標のシーンに戻しますが、←の「Tir Tairngire」は上記のWikipedia内にも記載がありますが、「約束の地」と訳されるようです。日向坂ファンの方なら思わず「うぉっ!?」と反応してしまうネーミングですねw

ここで夢の中のお寿司(金村美玖)は、標識をちゃんと読んだうえで→「妖精の国」の方へ向かっています。

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最初は単純に間違えたのかなーと思っていたのですが、MVを何回見返してもお寿司は読めない・分からない、という表情や首をかしげたりは一切していないんですよね…

ということは、右側が「妖精の国」、つまり自分たちの仲間がいるところである、と解釈して進んでいることになります。

そしてその道すがら、魔物に襲われてしまいます。まだまだ力不足な妖精だったから、ということだとすると「半神半人」という設定がここでも生きてきますね。

そんなピンチに陥ったお寿司を助けに現れたのが1期生のかとし(加藤史帆)ときょんこ(齊藤京子)。ちゃんと右側(約束の地へ向かう方向)から現れるような演出がされていますね。

初めてのセンターということでいろいろプレッシャーとかもあるだろうけど大丈夫だよ、という先輩の熱いメッセージが伝わってくるようで、ここだけでも泣ける…

そんなこんなで無事戻ってきたお寿司が、最後は敵を打ち砕いて見事勝利します。

そして、丹生ちゃんのところに降ってくるソフトクリーム。

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倒した敵が小さくなる、というのは割とよくある気がするので特に触れないでおくとして笑
それを一人だけ真っ白衣装の丹生ちゃんが食べるというところにかなり意味があるように感じます。

衣装がツートーンであることに先ほど触れましたが、丹生ちゃんが白一色であるということは、つまり半神半人のメンバーの中で丹生ちゃんだけは純粋な人間だったのではないか、と想像できます。

そして、敵(人間側ではない異界側のもの)を食べるという行為。

異界のものを口にすることでそちらに通じる、というのはジブリ映画で宮崎駿監督がよく使う手法ですね。『千と千尋の神隠し』で両親が屋台の食べ物を食べて豚になったり、千がハクにもらったおにぎりを食べて異界側になってしまったと泣いたり、『崖の上のポニョ』でポニョがラーメンを食べたり、等々。

今回のMVでは、丹生ちゃんが異界のものを口にしましたので、その行為によって妖精になった、というのを表現しているのではないかと考えられます。周りのみんなが驚くのではなく喜んでいるように見えるのも、納得できます。

そして最後に、問題の人参モンスターの登場です。

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まず、ポイントとしてシーンが明らかに夕暮れ時な部分が気になります。

アイルランドにはハロウィンの起源となる「サウィン」と呼ばれるお祭りがあるそうです。

古代アイルランド(ケルト)の人たちはこのサウィンを「現世と来世を分ける境界が弱まる時」と捉えていたようです。

また、ケルトの人たちは1年を夏(=光)と冬(=闇)に二分する文化があったようで、その境目がこの「サウィン」だったようですね。

つまり、光と闇の境目は異界に通じるタイミングである、と。

この考え方は、大ヒットした『君の名は』でも「かたわれ時」という素敵な言葉で表現されて使われていましたね。

そうすると、このMV中でも人参が登場したシーンが夕暮れ時であったことに納得がいきます。本来出会うべきものでない異界のものとの邂逅、ということを強調したシーンということですね。

ではこの人参モンスターは一体何者なのか、という話になります。

私的には、先ほどの丹生ちゃんのシーンからつながることもありますし、おそらく持っているがま口=カエルのモチーフと考えて、人参+カエル=ぴょこにん(丹生ちゃん所有のカエルの人形)ということなんじゃないかなぁ、、、と想像しました。

丹生ちゃんがソフトクリームを食べて異界側に通じた

ぴょこにんを丹生ちゃんの中の異界側のモチーフとして登場させる

すでに異界に通じている半神半人のみんなは、丹生ちゃんも仲間になったということで囲んで喜ぶ

ということではないかな、と。

ただ、ラジオ『レコメン!』ではかとしが「人参は次の敵だ」と発言していたのがちょっとひっかっかっています…

MVの映像を見る限り、人参が登場したシーンではみんな笑っていて、手をつないで人参の元へ向かい、人参の咆哮に合わせてみんな手を挙げて喜んでいるように見えるんですよね…とても敵と認識しているようには見えない…

この辺りは、ぜひともMV監督さんの解説を聞いてみたいですね。
もしかしたら、上記の私の妄想が何一つ合っていないかもしれない…w


あと、面白いなぁと思ったのはMV途中に夜のシーンも混じっていたところですかね。

時系列で言うと、
昼間:ソフトクリームと戦って倒す

夕方:人参に出会う

夜:円になってダンス+ソロダンス

だと思います。

夜の全員ダンスは、昼間と打って変わって円になって踊っているので、さながら悪魔召喚のようでものすごく雰囲気出てますね。

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こんな感じで、勝手にMVのストーリーを妄想してみました。
こういう風にいろいろ解釈できるMVはホントに見ていて楽しいですね。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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