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#6 | 生活と制作の狭間で

皆さまこんにちは、中村雅紀です。もうすっかり秋。というか冬間近。季節の変わり目にわかりやすく風邪をひくタイプなのですが、今回もやはり風邪をひきました。彼女がいないの人生なのに、何故風邪までひかなきゃならないのか。「風邪引いたの?おでん作って持ってく?」って吉岡里帆から連絡もこないし、完全に無駄にしんどいだけでした。

それは置いといて、7月から毎月立て続けに展示をやっておりましたが、9月末で無事終了しました。毎回違う内容というわりと無茶なスケジュールだったんですが、なんとか終えることができました。(2度とこんなスケジュールでやらんぞ)

兎にも角にも、快く展示の場所を提供してくれた方々と、そして何より足を運んでくれた方々に感謝です。僕も主催側も、見にきてくれる人がいたから救われたわけです。本当にありがとうございました!

既に11月ですが、10月は殆ど何もしてません。本当に何もしてませんでした(笑)いまだに魂が抜けてます。そしてこれからのことをずっと考えています。

結論から言うと、僕はイラストレーターとして一からやり直す必要性を感じています。辞めるべきなのかもしれないとも思ってます。今回のnoteは、なぜそう考えているのか、これからどうしたいのかをお伝えしたいと思います。

矛盾を正したい

僕はいま、イラストレーターという肩書きで絵を描いて生活しています。生活といっても超貧乏ですが、ギリギリ生活してると言えると思います。こういうと「十分すごいじゃん」と言われるのですが、僕は今の仕事を見直す必要性を感じています。それはアートとイラストが自分の中で矛盾を生んでいるからです。

今までのイラストは良くも悪くもわかりやすい絵でした。毎日描いていたころのラフなテイストがベースとなっているので、カジュアルで少しユルさがある絵です。見た人の感想は「かわいい」「おしゃれ」が中心です。

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このようなわかりやすさは、仕事をする上で大切でした。例えばちょっとしたカットイラストに難解でメッセージ性の高い作品は求められません。特にSNS上で仕事を獲得するためには、パッとみて瞬発的に「かわいい!」と思えるという絵は強いです。特に最近ではゆるいイラストが流行っているので、そういう時代ともマッチしたと言えます。

それでもこのスタイルを変えないといけない理由は、自身のアーティストとしての活動を今後大切にしていきたいからです。7月から行っていた展示のなかで、特に最後のLOBBYでの展示『Something New』は“アーティストとして何を残せるかを考える”というコンセプトでした。

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中でも『Floating』というポートレートシリーズはメッセージ性もあり、僕が普段感じている息苦しさなんかも反映した大切な作品です。今までとは違い、明確に語りたいことがあります。このシリーズを描きためて、大きいギャラリーで展示したいという目標もあります。

それに対して僕が昔から描いている絵は、ある意味正反対のものです。言ってしまえば「可愛い子を描けばOK」というものでしから、『Floating』のコンセプトである「国籍や年齢に関係なく人は美しい」とは相反するものです。この考えの発端は過去にも日記で書いてたりします。

その辺りで違和感を感じながらも、仕事として依頼されれば僕は受けるわけです。断るとご飯が食べれないですから。媒体によりますが、場合によっては1つの仕事で数十万頂ける場合もありますし、仕事が決して多くはない僕にとっては救いの女神のようなものです。

ただ、だからといってそれを続けていると、僕が本当に語りたいことに矛盾が生まれ、やがて僕の話をだれも聞いてくれなくなる。それだけは避けたいと思うのです。「目の前の生活に追われて未来が潰れるぐらいなら、職業として絵を描くのは辞めてしまったほうがいいのでは?」とここ最近ずっと考えています。

もちろん「かわいい」ということは価値のあることで、それを生み出せるスキルも同様でしょう。そう言ってくれた人たちのおかげで今があるわけですし。ただ僕が今後残していきたいこととは異なるので、ラフでカジュアルな絵を描くのは止めるべきだと判断しました。それがウケて仕事になったとしても。

「かわいい」を超えられるか

誤解しないで欲しいのは、今回の話は別に「イラストレーターを辞めたい」と言っているわけではありません。アートのためにイラストのテイストを変えなければならないということです。それがもし難しければ、辞めるでしょうけど。

では今後どういったイラストを描くべきなのかという話になりますが、今は具体的な例は出せません。それを来年の4月にある合同展で発表しようかなと思ってます。それまでの数ヶ月は、今いただけている仕事を請けつつゆっくり考えていく予定です。

僕が今後作りたいと思うものは、今までの「特定の年齢層がかわいい」というものより「普遍的に美しいと思えるもの」です。これは先日展示したポートレートシリーズ『Floating』にも込めた思いです。

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「かわいい」と言ってくれる人を悪く言うわけでは決してないですが、その場の消費で完結してしまう場合が多いのも事実です。アーティストとして何かを残したいという気持ちも、そういう寂しさから生まれたのかもしれません。

ただ難しいのは、イラストレーションはあくまでも商材だと言うことです。そこに僕のアーティストとしての考えは全く必要とされません。それよりも今までの「かわいい」という分かりやすさの方が求められるわけです。その需要に応えられてイラストレーターという職業が成り立ちます。

「でもだからといって今までのような絵を描いていると、アーティストとして伝えたいことに対してノイズのようなものを自ら生んでしまうのでは。」

「でもでもイラストレーターを続けるなら、かわいいと思える絵も大事だよね。」

と二人の中村雅紀が議論している状態です。そう思うと今回の試みは、僕にとっては「かわいい」との付き合い方を考えることかもしれません。理想とするのは「かわいいを超える」ことかなと思います。

少し話が変わりますが、濱田英明さんという写真家はご存知でしょうか?僕は濱田さんのポートレートが好きです。彼のポートレートが魅力的なのは。どんなに可愛い対象でも、かわいいより先に美しいと思わされるということかなと思います。

僕も大好きな小松菜奈さんだったり、最近だと唐田えりかさんなど、いろんな可愛い女の子を撮影されています。ですがそれよりも先に美しいと思わされるのです。どんなに可愛い女の子でも。濱田さんには“かわいいの向こう側”が見えているのかもしれません。

失礼なのは重々承知で言うと、ある程度の技術と知識を持ったカメラマンが可愛い女の子を撮れば、もちろん「かわいい写真」になるでしょう。でもその先にはなかなか行けない気がします。

僕も可愛い女の子をモデルに絵を描けば「かわいい絵」にできる自信はありますが、それを超えて「美しい絵」を描くのは難しい。実際今までは、可愛い女の子に頼って絵を描いていましたし。

視点だったりトーンだったり、いろいろな要素はあると思います。が、僕が今後作るものに対して「かわいいを超える」というのは大きなテーマになるのかなぁと思っています。もちろん、かわいいって言われるのも嬉しいですけどね。

両立は間違いかもしれない

ここまで「アートのためにイラストを変える。そのためにはかわいいを超えるんだ。」などと話をしてきましたが、実はその試み自体が間違ってるのでは?という不安も拭えないのが正直なところです。ところどころに「でも辞めるかも」と書いているのはそのせいです。

例えば僕がイラストレーターを続けて、新たなスタイルが評価されてしまえば、アーティストとしての自分の足を引っ張るかもしれません。表現の立ち位置が別れている以上、やはりどこまで行っても交わることはないわけですから。

そんな人間をアーティストとして認めるのは難しい気もします。海外ではポートフォリオにコマーシャルの実績を載せてると「うちでは展示させれない」と追い払われるって話もあります。

アーティストとしての自分にかけるなら、今すぐイラストレーターを辞めるのが正解なのでは?とも思うわけです。だってそれが1番アートを大切にできるから。ここまで読んでくれたかたの「なんじゃそりゃ!!」が聞こえてきます。すみません。

要するに、いまだに自分の中で答えが出てないんですよね。今の職業がイラストレーターで、稼ぐ手段がそれだけなので、イラストをなんとかする
という考えに至ったわけですですが、心のどこかで、それはベストではないとも気づいているのかもしれません。

そんな感じなので、イラストレーターを辞めるなら何をするかなぁなんてこともよく考えています。興味があるのはCIデザインですかね。絵ではなく、ロゴやそれに関連する印刷物のデザインなど。Iyoさんの作るものとかすごい好きだったりします。イラストで培ったことも活かせそうですし。

後は他の作家と組んで、僕はサポート側に回ることとかも理想的かなと思います。性格的に向いてるというか、協力するゲームだといつもサポートを好む人間です。例えばグッズデザインとそれに関連する業務(EC運営とか)したりとか、作家のサイドビジネスを手伝うイメージです。

アーティストにかかわらず、他の分野でもデジタルに弱い人が意外と多いので、そのあたりをサポートするとかもいいですね。サービスに関わるビジュアルを作ったりやれることは色々あります。

とこんな感じなので、もしかしたら4月に「やっぱイラストは辞めます今回はFloatingの新作です〜」と言ってるかもしれません。というかその可能性が高い気がしないでもない。


みたいた事をこの1ヶ月、ずっと考え続けていました。「結局どうしたいんや!」と思ったかた、全くその通りですね。僕もまだわからないんです。今はわからないけど、考えていること、悩んでいることはなんとか整理できてきた気がします。

ここまで書くのに何時間かかったかわかりません。スタバの人も「あいついっつも文章書いては消してるだけやん」と思ってるかもしれません。全然違うことも書いてましたし、最初なんて7,000字ぐらいネガティブな話を続けてしまってたぐらいです。(その文章はほぼ残ってません)

このnoteを読んでくれた方、コメントでもSNSのメッセージでも何でもいいので何か意見をいただければ嬉しいです。直接会ってでも大丈夫です。ただその場合は奢ってください。

ありがとうございました。頑張れ俺!!


※今回はお知らせ的な内容なので全文公開です。購読いただいている方にお得なnoteを全く書けてないので、申し訳ないです。。

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86年生まれのイラストレーター。僕の身勝手な連載の置き場所。
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