見出し画像

#7 遊牧の気持ちがちょっと分かった

こんにちは。
モンゴル遊牧スタツア メンバーの法学部1年、青島百花です。
今回は遊牧地での気づきを1つ、簡単にお伝えできればと思います!

渡航初日、空港を出て初めて外の空気を吸ったとき、既に来てよかったと思いました。
まるで冷房が効いているかような、からっとした涼しさでした。
深呼吸してみると、澄んだ空気に、ハーブのようなよい香り。周囲の草原から漂っているのでしょう。
さらに、今まで見たことのないほど広い空!

メンバー一同、駐車場ではしゃいでしまいました。


空の広さを知る

渡航前、私は遊牧民の自然に対する捉え方に関心を抱いていました。
私たち都市の人々が、自然を支配できるとする一方、遊牧民は自然が人間を支配していると考えるそうです。
そのため彼らにとって、土地も資源も自分たちのものではありません。「大いなる天」のものなので、独り占めせず大切に使います。
また、毎朝ツァイ(ミルクティー)を空に投げて感謝するなど、自然の恵みを頂く立場という意識が、文化や考え方に垣間見えます。

1日2~3杯は頂いたツァイ(ミルクティー)

なるほど、素敵な考え方だなぁとは思っても、彼らは彼らです。
私はそのような信仰心を持っていないので、私欲より自然を優先することなどないでしょう。

しかし実際に草原を訪れて、その考えは変わりました。
ゲルから少し歩いて丘を越え、周囲を見渡すと、もう自分以外の人間はいません。
どこまでも草原が広がっていて、時折よそのゲルや羊の群れが小さく見えるだけです。
そして何より、半球状に自分を取り囲む大きな空。いかに自分という存在が小さいかを実感します。

見上げるというより、前後左右に空があります。

家畜の世話という仕事も、歯磨きや洗濯、用を足すのも外で行うので、私たちは1日のほとんどをこの大きな空の下で過ごします。
人間社会よりも自然の方が身近な中で、自然を軸とした発想になるのは当然だと感じました。

もちろん、彼らの世界の見方を心から理解できたとは言えません。
ただ、自分とは全く異なる発想も、いざその立場に立ってみると納得できる気がしてきたのです。
これまで私は遊牧の考え方に好奇心を抱きながらも、自分とは違う、と突き放していたのだと改めて反省しました。

自分とは相容れない、異質だと思っている存在も、考えていることは思いのほか理解可能であること。

これは身近な人の間でも、異なる国同士であっても言えることなのかもしれません。

==

学生団体S.A.L.とは

国際問題啓発団体を自称しているが、実態として活動の幅はより多岐にわたる。フリーマガジン制作や、ドキュメンタリー制作、インタビュー活動から教育支援活動まで、多様で幅広い活動を行う10プロジェクトからなり、長期休みには、国内外のスタディーツアーを実施している。色々な視点、色々な方法で世界を肌で経験し、自分の世界を広げることができることのできる場所である(寄稿者主観)。

学生団体S.A.L.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?