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人間関係のメンテナンス

若い頃などは、このように考えていた。

「男同士の友情はとても気楽だ。数年ぶりでもあの時に帰ることができる」

高校時代にできた友情がそのままずっと保存されて、会えばいつでも解凍されるというような幻想を抱いていたのだ。「コミュニケーションのためにコミュニケーションする」という行為が自分には馬鹿らしく感じられた。用もないのに連絡する行為に意味を見出せなかった。

しかし間違っていた。大学を卒業して数年ぶりに会えば確かにそれなりに会話は盛り上がる。しかし、連絡を取らないと、連絡自体のハードルが上がり、そして疎遠になっていった。普段からやりとりをできる関係性をキープし続けるからこそ、人は気軽に連絡できるのだ。

今自分の交友関係で残っているのは、相手からたまに連絡をもらえる人や、SNSでたまたま連絡をとっていた人たちだけだ。連絡をとっていない人には、心理的にもう連絡を取りにくくなってしまった。それは相手も同じかもしれず、久しぶりに連絡してみたら、反応してくれるかもしれない。

人間関係にはメンテナンスが必要だったのだ。そして、今までは相手がメンテナンスのコストを払ってくれていたのだ。とてもありがたいことだった。

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