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育児中・妊娠中の親におすすめ|Netflix『赤ちゃんを科学する』

1歳の子供がいるため、赤ちゃんの発達についての科学的な本作品を興味深く視聴している。Netflix加入者におすすめの作品。今まさに赤ちゃんの育児をしている親はもちろん、妊娠中の親にもおすすめの作品だ(母親も父親も)。

『赤ちゃんを科学する』では、各話ごとにテーマを設け、それに関する研究者(その多くが親でもある)の語り、どんなことに着目し、どんな実験を設定したかなどが主軸となる。驚くことに、科学の世界では幼児研究はほどんど進んでいなかった。研究対象の期間が長いこと(ネズミを研究するのに比べ、人間の幼児は成長するのに何年もかかる)とか、そもそも何もできない未熟な存在とみなされていたりとか、いろいろ理由はあるだろう。また、15人の赤ちゃんにも密着取材をしており、彼らの成長を視聴者は微笑ましく体感する。かわいい。

なんとなく、言葉を喋り始めてからが発達の本番という印象があったが、多くの研究で、0歳児でも周りから刺激を受け、脳は反応をしている。だから親としては、赤ちゃんの時期から多く語りかけ、愛情を持って接することが、子供にとっていい影響を与えるのではないかという凡庸な感想を持った。

視聴時のメモをもとに、いくつかのテーマについて取り上げる。

赤ちゃんの知恵

赤ちゃんは白紙だとされているが、6ヶ月の赤ちゃんには驚異的な能力がある。猿の顔の個体識別ができるのだ(大人はできない)。あらゆる言語の発音を聞き分けられる。12ヶ月になると脳が「刈り込み」(脳の不必要なシナプス結合が切られる)され、必要な能力だけが残される。残るのは、よく見る人種の顔認識や、母語のヒアリング能力。生まれたばかりの赤ちゃんは何もできないし何も学習できないとされていたが、そんなことはないので、この時期にいろんな体験、語りかけ、刺激を与えるべきである。

動作

赤ちゃんの学習は「好奇心駆動なのではないか」という仮説を持ったある科学者は、ロボットに学習させる実験を行なった。1つは「好奇心駆動」、1つは「目的を与える」。前者の方が早く目的を達成した。ロボットを使っての実験だが、赤ちゃんがいろいろな動きをして、「試す」のは大事ではないかと彼は語っている。

幼児期

幼児は他者視点で考えられることを明らかにした。「ブロッコリーとクラッカー実験」を行なった。幼児の嫌いなブロッコリーと幼児の好きなクラッカーを、実験者はブロッコリーをおいしそうに食べ、クラッカーをまずそうに食べる。実験者が「私の好きなものを頂戴」というと幼児はどちらをくれるか。幼い子はクラッカーを、少し大きい子はブロッコリーを渡した。18ヶ月が分岐点になっている。

実験者が困っている時に助けるかという実験を行なった。実験者がより困っている様子をした時により助けることがわかった。また親がいなくても助けるし、チンパンジーを対象とした実験でもチンパンジーは人間の実験者を助ける行為をした。協力行為は、人間・チンパンジーの共通の祖先に由来しているものではないか。

愛情とスキンシップ

妊娠出産育児によって母親の脳内には幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが生成される。実は、父親も「親の役割を果たせば果たすほど」、母親同等にオキシトシンが生成される。父性は生物学的なもの。

夜泣きで母親の方が先に起きるのは扁桃腺が強化され、より警戒心が強くなるから母親不在、例えばゲイカップルの場合はどうか。父親の扁桃腺が活性化した。

無表情実験を行なった。親が急に赤ちゃんに対して無表情になるというもの。これにより赤ちゃんは親とコミュニケーションが取れずストレスを感じる。ストレスはコルチゾールの値で計測できる。親との関係性がポジティブなほど、コルチゾールの値が低い=ストレス耐性が高いことがわかった。

食事と栄養

鉄分は赤ちゃんの記憶力に影響する。これは母親の声を他の声と識別できるかという実験でわかった。鉄分の他に、亜鉛やヨウ素も不足しているようだ。

赤ちゃんはおもちゃを口に入れたがる。この時、微生物を摂取しているが、これは良いこと。犬や猫に触れた方が免疫が高くなる。ペットのいる家庭のハウスダストを摂取して研究。ペットがいないと喘息のリスクが高まる。無菌環境は良くない。

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