弓を使う 2012-10-15

今日のレッスンでは弓の動きの探求をしてみることにしました。

ジャズというジャンルなので、弓を使う機会は少ないのですが、バラードの最後や音価の長いインパクトのある音が欲しい時にはぜひ使いたい!

また、弓でのソロもカッコいいのでぜひ出来るようになりたい!

と思ってはいながらも、弓を持つと左右の手がばらばらになってうまく動かず、どうもうまく弾けない、そんな状態でした。



ひたすらコツがつかめるまで練習する時間もないので、弓を使う時の効率的な腕の動きをなんとか知りたいと思ったわけです。

もちろん、本日の講師ジェレミーは弦楽器の演奏をする人ではなく、楽器の名前も知らなかったりするけれども、アレクサンダーテクニーク教師としての人の動きの観察、身体の使い方に関してはスペシャリストです。



弓の毛の面を弦にあてる角度を調整する動きは、もちろん筋肉がやっているわけですが、その手首を動かすことにかかわる複数の筋肉のうち、いくつかは、実は肘よりもうちょっと上までつながっているのです。

つまり上腕骨まで、二の腕の端っこ、肘を超えたところまで。

それを、こういう言葉の知識で伝えるのではなく「その動作に必要なのはこういう動きでは?」と私の腕を動かすのを手伝ってくれました。

小指から肘関節を超えたところまでつながる動きが感じられました。



もう一つ、弦を移動するときなどに必要な弦に対して上下の動き。

この動きの基本的な最小限としては、肘関節から先を曲げるだけでも対応できるということを教えてもらいました。



それを知って弾いてみた時、右腕の肩から先までがなんだか静かだと感じました。美しさを感じるほどの静けさです。

今までなんて騒々しかったんだろう。。。

たとえるなら、音楽をずーっとフォルテで弾き続けていたようなもんです。pもffも知らずに。



目的のために必要なところだけ必要なだけ使われている、という状態を、腕が喜んでいるような気さえして、弓で弾いていることへの楽しさがこみあげました。



何回か弾いてみた時、ちょっとうまくいきませんでした。

何を考えていた?と聞かれ、思い返すとつい視界に入った弓の毛の面の角度が、以前していたように気になった瞬間でした。



はて、自分は何をしたくて弓を動かしているんだっけ?

音を出して音楽を奏でたいという目的があるからです。

それなら、音を聞くべきであって、弓の角度や体の使い方、部分をチェックしている場合じゃないのです。



そして、音をきちんと聞きながら再度弾いてみると、ジグソーパズルがぴったりとはまったような、そんな感じがしました。



この質を持ち続けるにはもちろん練習が必要で、アルコソロはまだまだ先の見通しですが、バラードの最後の一音を弾く時には大いに役立ってくれそうです。

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