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カナダで会った変なおじさん

私がカナダで体験した話。
自分の身は自分で守らないとだなと感じた。治安がいいといっても、やはり100%安全とは限らない。そんなお話。

変なおじさん

ある日の夕方、私は、いつも通り、友人とUBCから出てるバスに乗った。
友人としゃべっていると、急に前の席にいたおじさんが話しかけてきた。
少しくたびれたTシャツに花柄のズボンのおじさん。おじさん曰く、ズボンは自分でデザインしたらしい。手にはなぜか花束を持っていた。
おじさんは、降りるまでの30分程の間、ずっと一方的に話しかけてきた。特に何かされた訳でも、暴言を吐かれた訳でもない。ただ一方的に
「可愛いねー。」「君たちは友達?」「ほんと可愛いねー。君は日本人?」的なことを言われ、その後は自分の自慢話を延々としてきた。
バスは満杯だったから席を移動することもできず、(こいつヤバイやつ)と友人とアイコンタクトで話しながら、向こうがさっさと降りてくれるのを待った。変なおじさんは、最終的に持っていた花束を私たちに渡し、バスから降りていった。

突然のことすぎて訳がわからず、私たちは花束を持ったまましばらく唖然としていた。花束は、気持ちが悪かったので、バス降りて後、速攻でゴミ箱に捨てた。笑

これが変なおじさんとの最初の出会い。
最初ということは、もちろんその後がある。

UBCのバス停

バスで変なおじさんに絡まれてから1ヶ月後。
いつも通り学校で勉強して、図書館で宿題をやって、家に帰る帰り道。
私は、UBCのバス停で1人でバスを待っていた。
夕方だし天気も悪いからか、私以外にバスを待っている人はいない。そんな時、私の視界に見たことのあるズボンが入ってきた。
隣のベンチに座ったのは、間違いなく…
前にバスで絡んできた変なおじさんだ。
まさかの1ヶ月で再会。笑
今回は花束ではなく、缶ビールを持っている。

傘をさしていたからか、向こうはまだ私には気づいていない。気づかれないように顔を背けバスが来るのを待った。
隣で缶ビールを開ける音がしたのと同時に、私のバスがやってきた。
急いでバスに乗り込んだのはいいものの、前回、声をかけられて30分程話をしているので (向こうから一方的にだが )、おそらく私の顔はわれている。おじさんがバスに乗ってきたら、きっと気づかれてしまう。しかも今回は、お酒がはいっているから、声をかけられたら前回よりしつこいだろう。
(てか、そもそもカナダでは屋外での飲酒は法律的にもアウトなはずなんだけどね。そんなこと、おじさんは気にしないのだろうけど。)

私の心配とは裏腹に、おじさんはバスには乗らず、ビールを飲み干した後、何やら大声で叫びながら去っていった。ものすごく謎である。
と同時にやはり近づいてはいけない人だと認識した。
次の日、最初に声をかけられたときに一緒にバスに乗っていた友人にも気をつけるように伝えた。いくら大学のキャンパスとはいえ、100%安全ではないのだ。キャンパス内には、学生じゃなくても誰でも入れちゃうもんな🤔

スターバックスで3度目の遭遇

しかし、そんなUBCでの遭遇からわずか数日。
私は、再び、変なおじさんに会うことになる。笑

たまに行く近所のスターバックス。
奥の席でコーヒーを片手に勉強していると、急に入り口が騒がしくなった。
何事かと見てみると、そこにいたのは例の花柄ズボンのおじさん。
どうやら、店内で女の人にしつこく付きまとっていたところを、店員に注意されたよう。その時の店員で男性は1人だけ。女性店員が声をかけるわけにはいかないので、その男性店員が声をかけたよう。しかし、逆ギレして大声で喚き始めたため、ついには店員がブチ切れて、店の外に追い出した。
元々、目をつけられていたらしく、今回の件でどうやら出禁になったらしい。
「また、あいつか。」というような声も聞こえたので、常習犯なのだろう。

周りは拍手喝采。「よくやった‼︎」「あんなやつ、追い出して正解だ‼︎」と、お店のスタッフを褒め称えていた。

私はそれを遠目に見ながら1人唖然としていた。
まさか近所に住んでいたとは...
UBCのバス停で気づかれなくてよかった...
もし少しでも時間がずれて、
どこかで鉢合わせていたら。
私の降りるバス停を知っていたら。
もしかしたら、私がつきまとわれていたかもしれない。考えすぎなのかも知らないけど、でもそう思わずにはいられなかった。

というのが、私がカナダで体験した話。
同じ人に、短い期間で3度も会うことはなかなかないだろう。通勤電車が一緒とかならわかるけど。
それが友人だったら嬉しいけれど、変な人だと、当たり前だけど、感じ方は180度変わってくる。向こうは私のことなんて覚えていなかったかもしれない。しかし、こっちからすると、一度顔を見て話してしまっているので、短期間に近所で何度も見かけたら不安でしかない。

UBCの周辺のエリアは、高級住宅街の方で安全だろうという認識でいたが、今回のことを通して、やはり海外だし、100%安全とは限らないと感じた。大学のキャンパス内も学生じゃなくても誰でも入れちゃうしね。
実際、私がカナダにいる間にも、日本人女性が1人、現地の男性に殺された事件があった。
自分の身は自分で守らないとだなと感じた。日本の感覚でいたらやっぱり危ないね。






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