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詩集「声を聞かせて」

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あなたの声をきかせて。 そしてこっそり私の声をきいて。
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2020年5月の記事一覧

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いつか見た空の中に
あるいは
あの日の記憶の中に

ゆらり
ゆうらり

始まったことも
終わったことも
どこか人ごとで

ゆらり
ゆうらり

漂う
流れる
浮かぶ

「揺れる、浮かぶ」

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喉で弾けた炭酸飲料水に
いつかの夏を思い出した

あれは
あなたがもう大人で
わたしがまだ子供で

それでも
確かに恋だった

忘れられない恋、だった


「終わった恋」

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口実を見つけられずに
まだ迷っている

声が聞きたい
たったそれだけの

友達にしかなれない
この距離から